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警察庁資料/少年非行防止法制の在り方について(中間報告)
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2004.8.7

この資料は、警察庁の「少年非行防止法制の在り方について(中間報告)」の転載です。スペースの関係上、グラフ、表は省略しました。全文をご覧になりたい方は、後述のデータソースを参照して下さい。

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平成16年8月
少年非行防止法制の在り方について
(中間報告)

少年非行防止法制に関する研究会

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少年非行防止法制に関する研究会について

〔メンバー〕
座長 前田雅英 東京都立大学法学部教授
委員 相原佳子第一東京弁護士会少年法委員会委員長
川出敏裕 東京大学法学部助教授
小宮信夫 立正大学文学部助教授
高木光 学習院大学法学部教授
高橋則夫 早稲田大学法学部教授
村松励 専修大学ネットワーク情報学部教授
森嶋昭伸 国立教育政策研究所生徒指導研究センター総括研究官
山崎晃資 東海大学教育研究所教授
太田裕之 警察大学校警察政策研究センター所長
菱川雄治 警察庁生活安全局少年課長

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〔開催状況〕

第1回平成16年3月23日(於警察庁庁議室)
〈議題・少年非行防止法制に関する研究会における検討テーマ〉
・本研究会において検討すべき論点

第2回平成16年4月26日(於警察庁第4会議室)
〈議題・少年法制における警察の役割について(街頭補導、地域ボ〉ランティアの位置付け等について)

第3回平成16年5月31日(於警察庁第4会議室)
〈議題・少年法制における警察の役割について(立直り支援の枠組〉み等について)
・地域ボランティアの位置付けについて

第4回平成16年7 月5 日(於警察庁第7会議室)
〈議題・少年非行防止法制の在り方について(中間報告素案) 〉

第5回平成16年7月20日(於警察庁第14会議室)
〈議題・少年非行防止法制の在り方について(中間報告案) 〉

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目次

第1 少年非行等をめぐる現状……………………………………………… 1

1 少年非行等の概要…………………………………………… 1

2 不良行為を繰り返す少年たち…………………………………… 4

3 少年の非行防止・保護のための活動…………………………… 7

第2 少年の非行防止・保護のための法制に関する提言………………… 12

1 保護者、地域住民及び国・地方公共団体の責務……………… 12

2−1 少年の補導に関する手続等の法定………………………… 14

2−2 「不良行為少年」の定義…………………………………… 15

2−3 警察職員等による補導措置………………………………… 17

3 少年非行防止ボランティア等…………………………………… 19

4 地域少年非行防止協議会………………………………………… 20

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第1 少年非行等をめぐる現状

1  少年非行等の概要

(1)刑法犯少年

○ 平成15年に警察が検挙した刑法犯少年は14万4,404人(前年比1.9%増)と前年並みだが、人口比は17.5(成人の7.6倍)で、戦後最高の昭和57,58年(18.8)に近づく。

○ 凶悪犯は2,212人(前年比11.4%増、このうち強盗は1,771人)で、平成に入り最高を記録。

○ 街頭犯罪の検挙人員の7割弱は少年。

少年検挙人員・刑法犯の人口比(成人・少年)の推移(昭和24年〜平成15年)
注) 交通業過を除く刑法犯(ただし、昭和40年以前は盗品等に関する罪、住居侵入等   も除く。)

【グラフ・表省略】

(2)不良行為少年

( 平成15年に警察が補導した不良行為少年は129万8,568人前年比157%増)で、平成に入り最高を記録するとともに、態様別では喫煙を抜き、深夜はいかいが最も多くなった。

不良行為少年の補導人員の推移(平成6年〜15年)

【グラフ・表省略】

不良行為少年の態様別構成比(平成15年中)

【グラフ・表省略】

※ 不良行為少年とは、非行少年(犯罪少年、触法少年、ぐ犯少年)には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜はいかいその他自己又は他人の徳性を害する行為(不良行為)をしている少年をいう。

※ 不良行為少年に対する補導とは、不良行為についての注意、その後の非行を防止するための助言、指導を行うものであり、ここでは、補導に際して少年補導票(少年の氏名や不良行為の種別等を記載した書類)を作成したものを計上している。

(3)少年の犯罪被害

平成15年中に少年が被害者となった刑法犯認知件数は38万5,762件(前年比5.1%減)とやや減少したものの、凶悪犯被害(2,204件で前年比3.1%増)及び性犯罪被害(7,376件で前年比6.9%増)は増加した。

少年が被害者となる刑法犯の認知件数の推移(平成6年〜15年)

【グラフ・表省略】

児童買春・児童ポルノ禁止法違反事件の被害児童数(平成12〜15年)

【グラフ・表省略】

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2 不良行為を繰り返す少年たち

(1)刑法犯少年の補導歴

平成15年中に検挙された刑法犯少年について、不良行為に係る補導歴を分析した結果は、次のとおりである。

重要な犯罪を犯す少年ほど、補導歴のある割合が高く、また、5回以上の補導歴を有する割合も高いことがわかる。

補導歴を有する少年の割合(カッコ内は5回以上の補導歴がある少年の割合)      〔平成15年〕

【グラフ・表省略】

また、補導歴を有する刑法犯少年の割合が、増加傾向にあることがうかがえる。

補導歴を有する刑法犯少年の割合の推移(平成元年〜15年)

【グラフ・表省略】

(2)不良行為を繰り返す少年たち

ア 不良行為少年の補導歴の状況

平成16年6月現在、警視庁が不良行為少年として過去に補導したことがあるとして把握している少年9万9,175人の補導歴は、次のとおりである。

5回以上の補導歴を有する少年は1万1,156人で、全体の11.2%に上る。

【表省略】

イ 多数の補導歴を有する少年・保護者の様子(警視庁アンケートから)

○ 終始反抗的な態度で話す。補導する旨を伝えるが「補導なんて関係ない」、という態度を示す。

○ あっけらかんとして悪びれた様子はない。注意しても、その場では「はい、はい」とうなずくが、大して気にしていない。警察官に文句を言うわけではないが、自分の都合のいい嘘をつき、それに対する反省の色は全くない。

保護者は「言ってもダメなんです」の一点張り。母親の携帯電話に連絡しようとしても、昼夜を問わず、警察からの連絡に応じる気配はなく、少年からの連絡には応じる。タバコを吸っていても「注意していますから」と軽く流される。

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3 少年の非行防止・保護のための活動

(1)少年問題と関係機関の体制

【図省略】

※ 犯罪少年、少年審判、保護観察、少年院入所の人員については、道路上における交通事故に係る業務上過失致死傷、危険運転致死傷及び交通法令違反を除く。

(2)主な少年関係ボランティア等

【表省略】

(2)街頭補導とその問題点

ア 街頭補導とは

(ア) 不良行為少年に対する街頭補導は、道路、駅等又は風俗営業の営業所その他の少年の非行が行われやすい場所において、不良行為少年を発見し、必要に応じその場で、当該不良行為についての

・注意
・その後の非行を防止するための助言又は指導
・その他の補導

を行い、また、必要に応じて、保護者(学校又は職場の関係者に連絡することが特に必要であると認めるときは、保護者及び当該関係者)に連絡するものである。

(イ) 街頭補導は、個別の法律に基づく活動ではなく、警察法第2条に規定する警察の責務を達成するために必要な活動であるとされ、国家公安委員会規則である少年警察活動規則に定義が置かれている。

イ 警察職員から見た街頭補導の問題点

平成16年5月、各都道府県警察の少年サポートセンターの幹部等(警察官及び少年補導職員)に対して実施したアンケート調査から、次のような回答が得られた。

○ 不良行為少年の補導に際し、交番等に同行する必要がある場合に困難を感じることについて

・少年の反抗や逃走により同行できないことがある。
・同行する法的根拠が見つからない。午後11時以降は青少年保護条例を根拠に保護者に引き渡してはいるが、同行の根拠にはならない。
・深夜はいかい少年が増えているにも関わらず、交番等に同行し、保護者へ連絡し、引き渡す体制ができていない。

○ 不良行為少年が所持する物件で、少年の非行防止上所持させておくことが適当でないと認められるものを発見した場合、当該物件の取扱いにつき困難を感じることについて

・喫煙を補導した場合、ライターを廃棄するよう説得しても、「想い出の品」、「高価な品」「警察にそんな権限があるのか」等と言って廃棄に応じないことがあったり、後日の紛議が心配されることもある。
・少年自らにタバコを廃棄させたところ、保護者からクレームが付いたことがある。

○ 不良行為少年の補導に関する法制度の在り方等について

・特に補導現場では、補導する側の担当者によって「不良行為」の判断基準に差があるのが現実。現場の判断に委ねられているのが現状であり、現場で少年自身から疑問視されることもある。「不良行為」のガイドラインを望んでいる。
・家庭連絡をしても、「その程度で電話するのか」といった反応があると聞く。不良行為少年に対する親の責務等を明記するようなことも必要ではないかと思う。
・補導に関する職務執行の明確化及び所持物件の取扱いの適正化を期すためにも、法制化は必要と思料される。

ウ 少年警察ボランティアから見た街頭補導の問題点

平成15年9〜10月、社団法人全国少年補導員協会が、少年警察ボランティアとして活動している者を対象に、その活動実態と活動に関わる不満・問題点、要望、制度に関わる意見等を調査した結果から、次のような回答が得られた。

○ 「街頭補導中に、次に挙げるそれぞれの場面で、活動を進める上で法律上の権限がないことなどから「困った」「限界を感じた」という印象をもったことがあるか」との設問で、7つの場面を設定したところ、「ある」の割合は各々、次のとおりであった。

・「不良行為の少年を見つけて、注意、指導するとき」 50.8%
・「たばこなどを捨てさせるとき」 46.3%
・「少年の名前など人定事項を確認するとき」 45.9%
・「はいかい少年を呼び止め、声かけするとき」 42.6%
・「ゲーム店等に補導のため入店するとき」 38.5%
・「保護者等に連絡した方がよいと判断したとき」 29.9%
・「警察官等に引き継ぐとき」 18.4%

○ 「してみたい補導活動」について複数回答を求めたところ、次のような回答が得られた。

・地域で子どもに対する声かけ運動 45.7%
・少年の親に対して指導 35.6%
・地域の人たちと自主的な補導活動 33.2%

(3)少年サポートチーム

ア 少年サポートチームとは

少年サポートチームは、少年の問題が多様化、深刻化している現状において、個々の少年の問題状況に着目し、的確な対応を行うため、警察、学校、児童相談所、保護観察所等の権限を有する関係機関がチームを構成し、適切な役割分担の下に連携して対処するものである。

【図省略】

※ サポートチームの円滑な組織化のためには、日常的な関係機関によるネットワークの構築や、必要に応じてサポートチームの参加を求め得る団体などとの緊密な連携を図っていくことが重要である。

サポートチームの結成・解散状況(平成15年)

【表省略】

イ 少年サポートチーム結成の効果と課題

(ア)少年サポートチームの好事例

○ シンナー吸引、バイク窃盗や怠学、無断外泊を繰り返していた非行集団に属する複数の少年について、警察、学校、児童相談所等の関係機関が「少年サポートチーム」を結成し、対応した。この結成により、警察が継続補導、家庭訪問や学校訪問、関係機関との緊密な連絡を行ったほか、学校も粘り強い指導を行ったことなどから、登校する少年が増え、シンナー吸引や他の非行もみられなくなった(北海道) 。

○ 非行集団のメンバーである少年らについて、警察、学校、児童相談所等が相互に連携し「サポートチーム」を結成した。この結成により、警察が継続補導を行ったほか、関係機関と河川敷の清掃活動、バーベキューを実施し、対象少年との相互交流を図るなどしたところ、対象となった少年らは、次第に不登校が減り、学校の指導にも従うようになり、大幅な問題行動の改善がみられた(警視庁) 。

○ 警察、学校、関係機関・団体等が相互に連携し、非行少年等に対する立直りの支援活動を行うことを目的として「立ち直りサポートチーム」が結成された。この結成により、個別の事例についてであるが、対象少年に対して割り当てられた担当者複数が、家庭訪問や学校訪問による面談指導等の実施、老人ホームでの介助、ゴルフ教室の実施等居場所づくりのための活動を継続実施するなど少年との関わりをできるだけ多く持ち、信頼関係の確保に努めてきたところ、身だしなみや表情も良くなり、不登校や遅刻等も少なくなっている(非行事案の発生なし)等の改善がみられており、一定の成果を上げている(沖縄県) 。

(イ)少年サポートチーム結成・運営上の課題

上記のような成功事例も多い反面、次のような結成・運営上の課題も指摘されている。

○ チーム設置の基盤が出来ていないため、立ち上げまでに時間がかかってしまう。すみやかに事案に対応するために、あらかじめ市区町村単位での協議会を設置しておく必要がある。

○ 連携と活動には時間と労力がかかり、現在の体制では十分な活動が出来ない。

○ チーム参加に際して、事案の保秘は絶対であるが、その根拠となる規定がない。条例等で根拠規定を設ける必要がある。

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第2 少年の非行防止・保護のための法制に関する提言

第1において見たように、少年問題は、非行・保護の両面において深刻な状況にあることから、以下のとおり、社会全体で少年の非行防止と保護に取り組むための法制度を整備し、少年法、児童福祉法等と相まって、少年の健全育成に万全を期することとしてはどうか。

1 保護者、地域住民及び国・地方公共団体の責務

少年の健全育成は、第一次的には親等の保護者が行うべきものであり、このような保護者の責務を明確にすべきではないか。

また、少年が現に保護者の監護下にない場合等においては、地域住民や関係機関にも、保護者に代わって少年の非行防止及び保護のために必要最低限の措置をとる責務があると言い得るのではないか。特に警察、学校、補導センター等の責任のある機関には、相互に協力して、少年の非行防止及び保護のために必要な措置をとる責務があるのではないか。

1−@ 少年を健全に育成する責務は、第一次的には保護者にある。児童の権利に関する条約においても、児童の教育における保護者の責任、権利及び義務を尊重すべき旨が定められている(第5条。)

しかしながら、保護者の中には、少年に対して適切な監護を行っていない者も少なくなく、少年の健全育成上の大きな問題の一つとなっていることから、少年非行防止における保護者の責務を法律をもって明らかにするべきではないか。

1−A ところで、児童の権利に関する条約は、その前文において、児童が「特に平和、尊厳、寛容、自由、平等及び連帯の精神に従って育てられるべきであることを考慮」すべきことを述べた上で、第3条第2項において「締約国は、児童の父母、法定、保護者又は児童について法的に責任を有する他の者の権利及び義務を考慮に入れて、児童の福祉に必要な保護及び養護を確保することを約束し、このため、すべての適当な立法上及び行政上の措置をとる。」と定めており、児童の保護について、保護者に第一次的な責務を認めつつ、行政の役割や人々の連帯の必要性を認めている。

1−B また、平成15年12月に政府が定めた青少年育成施策大綱も、「基本理念」として「青少年の健全な育成は、社会全体の責任であることを踏まえ、家庭、学校はもとより、職場、地域、民間団体等の社会を構成するすべての組織及び個人が、それぞれの役割及び責任を果たしつつ、相互に協力しながら取り組むことが必要であること。」を述べている。

1−C 児童の権利に関する条約や青少年育成施策大綱の考え方を踏まえると、少年の健全育成は第一次的には保護者が行うべきではあるが、保護者の知らないところで少年が不良行為を行っていて、保護者自身による指導・助言が直ちには期待できないような場合等においては、当該少年の周囲にいあわせた地域住民や責任のある関係機関は、保護者に代わって非行防止のために必要な措置をとる責務があると言い得るのではないか。

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2−1 少年の補導に関する手続等の法定

少年の非行を防止し、その健全育成を図るためには、警察職員等が行う補導の手続その他必要な事項を法律で定める必要があるのではないか。

2−1−@ 警察職員等が行う補導の対象となった少年の中には、警察職員等の補導に従わず非行性を深めていく者、不良行為を繰り返して行っている者等、一度限りの指導・助言や保護者への連絡だけでは足りず、ある程度の効果のある継続的な指導を行うべき者も少なくないのではないか。

2−1−A このような少年に対して、ある程度の効果のある働き掛けや継続的な指導を行い、その非行防止及び保護に関する警察の責務を果たすためには、警察職員等が補導を行う手続を法律上明確にすることなどにより、警察職員等の補導活動を促進し、不良行為の段階で早期発見・早期措置を行う必要があるのではないか。また、少年の健全育成のためとはいえ、個々の少年に対して働き掛けを行う以上、補導の対象となる少年の人権を保障するという観点からも、その手続を法律上明確にする必要があるのではないか。

2−1−B 不良行為少年の補導及びこれを継続的に行う継続補導(立直り支援)は、少年法が規定する非行少年に対する保護処分とも、児童福祉法が規定する要保護児童に対する措置とも異なる活動であると言い得ることから、少年法等の定める司法手続や児童福祉法に定める児童の福祉増進のための諸手続との連携・整合性に配意しつつ、これらとは異なる法体系の中で整理されるべきものではないか。

2−1−C 不良行為少年の補導は、非行少年となることを防止し、少年の健全育成を図るために行われるものであり、補導を受けたことによって、非行少年として取り扱われたとの誤解を招かないよう配慮しなければならない。また、犯罪捜査を目的として補導が行われてはならないのは当然の前提である。

なお「補導」という用語は、犯罪少年の検挙や触法少年の警察における措置を表す言葉としても用いられることから、不良行為少年の「補導」とこれらとが混同されないよう、新たな用語を使用することも含め、用語の整理について、検討してよいのではないか。

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2−2 「不良行為少年」の定義

次に掲げるような少年については、これまでも街頭補導等の対象として指導、助言が行われてきたところであるが、直ちに少年法や児童福祉法の対象になるものではないことから、今日の少年非行情勢を踏まえると、新たな法律の規定に基づく補導の対象とする必要があるのではないか。

(1)法令(条例を含む。以下同じ)により禁止された行為(犯罪を構成する行為を除く。)をした少年。

例)飲酒、喫煙

(2)法令により少年(児童)に行わせることが禁止された行為をした少年

例)買春の相手方となる行為、風俗営業・性風俗関連特殊営業等での接客やこれらの営業所への立入り、有害図書・有害玩具の所持

(3)他人の生命、身体又は他人の徳性を害するおそれの高い行為(犯罪を構成する行為を除く)をした少年。

例)粗暴行為、刃物等所持、金品不正請求、金品持ち出し、暴走行為

(4)自己の生命、身体又は自己の徳性を害するおそれの高い行為(犯罪を構成する行為を除く)をした少年。

例)脱法ドラッグの乱用、家出、無断外泊、深夜はいかい、怠学

2−2−@ 不良行為は、犯罪に該当する行為ではないことから、保護処分のような強制力の強い処遇の対象とすることは不適当であるが、犯罪を犯すに至るまでに不良行為を繰り返す少年も少なくなく、まさに非行を深化させようとしている少年の前兆、「少年からのシグナル」ともいうべき行為であることから、不良行為をとらえて早期に立直りの措置をとることにより、少年が犯罪を犯してしまうことを未然に防止するべきではないか。

また、不良行為は、犯罪の被害者となる可能性を高めるなど、自己の生命、身体又は自己の徳性を害する恐れの高い行為でもあることから、早期に措置をとることにより、犯罪被害等を未然に防止するべきではないか。

なお、不良行為少年として補導をした少年が、少年審判の対象となるぐ犯少年や児童福祉法上の措置を必要とする要保護少年であると判明した場合には、それぞれ少年法、児童福祉法に規定する手続に移行するべきである。

2−2−A 少年による飲酒、喫煙等は、法令により禁止された行為であるから、警察職員等が発見した場合には、補導して止めさせるべきものではないか。

2−2−B 児童買春の相手方となる行為、風俗営業・性風俗関連特殊営業等で年少者に接客をさせる行為、年少者を風俗営業・性風俗関連特殊営業等の営業所に立ち入らせる行為、有害図書類等を年少者に販売する行為等は、少年(児童)の健全な育成を阻害することから禁止されているものであり、少年が、これらの行為の相手となっている場合には、補導して止めさせる必要があるのではないか。

2−2−C 粗暴行為刃物等所持金品不正請求金品持ち出し暴走行為等の行為は外形上も犯罪行為に極めて近く、他人の生命、身体又は他人の徳性を害するおそれの高い行為であるから、補導して実際に犯罪を犯してしまうことを防ぐべきではないか。

2−2−D 脱法ドラッグの乱用、家出、無断外泊、深夜はいかい、怠学等の行為は、法令による禁止はされていないが、状況によっては当該少年自身の生命、身体又は徳性を害するおそれの高い行為であることから、補導してこれらの行為を止めさせ、必要な保護的措置をとる必要があるのではないか。

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2−3 警察職員等による補導措置

警察等が少年の非行防止及び保護に関する責務を果たすため、不良行為少年の補導を行う警察職員等は、新たな法律により、次のような行為を行うことができるようにする必要があるのではないか。

(1)不良行為を行っている少年又は行っている可能性のある少年に対し、必要な質問をすること。

2 不良行為を止めさせること、その他、少年の健全育成に必要な指導・助言を行うこと、必要な場合には不良行為を止めるようになるまで継続的な指導を行うこと。

(3)上記の質問、指導・助言を行うため、必要に応じ、少年の健全育成上適当な他の場所に同行することを少年に求めること。

(4)少年が、酒、たばこ、ライター、刃物その他の凶器、有害玩具、脱法ドラッグ等少年に所持させておくことがふさわしくない物件を所持している場合には、これらの物件を廃棄することを促し、又は保護者若しくは所有者に引き渡すまでの間、一時預かること。

(5)少年が、家出、無断外泊等を行っている場合のように、直ちに保護者等によって保護されるべき場合であって、保護者等がその場にいないときに、当該少年を警察署等適当な場所において、保護者等に引き渡すまでの間、一時的に保護すること。

(6)不良行為少年の保護者に対しては、当該少年の不良行為の事実を連絡するとともに、必要に応じ、適切な監護方法等について指導・助言を与えること。また、特に必要がある場合には、保護者のほか、学校等に連絡すること。

2−3−@ 警察職員による街頭補導等の活動は、現在、警察職員の権限を定めた個別の法律に基づくものではなく、警察法第2条に規定する警察の責務を達成するために必要な活動として行われており、このような活動は、任意のものである限り、個別の法律がなくても行い得ると考えられる。しかし、任意の活動であっても、個別の法律によって活動の根拠を明確にすることにより、補導について、少年や保護者の理解と協力が得やすくなるのではないか。また、補導活動を的確かつ効果的に行うためには、少年の所持する物件の取扱いや少年の身柄の取扱いについて、厳格な要件の下、より効果的な措置を講ずることができるようにすべきではないか。他方、このように、補導活動を個別の法律のコントロールの下に置くことにより、警察職員等の活動の限界が明確になり、少年や保護者の権利の保護にも資することとなるのではないか。

2−3−A 少年が不良行為を行っていることを確認するため、及び保護者等による指導が行われるように必要な連絡を行うため、警察職員等は、補導の対象となる少年に質問をする必要があるのではないか。

2−3−B 複数の少年が集団で不良行為を行っているような場合には、個々の少年から個別に話を聞いた上で指導・助言をする必要がある。また、少年が不良行為について注意され動揺しているような場合には、静かな場所で心を落ち着かせた上で指導・助言をする必要がある。このように少年の健全育成に資するような形で質問や指導・助言を行うためには、必要に応じて、適当な場所に同行することを少年に求めることができることとすべきではないか。

2−3−C 少年が、酒、たばこ、ライター、刃物その他の凶器、有害玩具、脱法ドラッグ等そのまま所持させておくことが当該少年の健全育成上著しく不適切な物件を所持している場合がある。このような場合、少年自身の持ち物である低額なたばこ等については、少年に廃棄することを促したり、高額な商品や少年自身の持ち物でない物件については、これらの物件を保護者又は所有者に速やかに引き渡す必要がある。そこで、保護者や所有者がその場にいない場合には、警察職員等が、少年にこれらの物件の廃棄を促したり、保護者等に引き渡すまでの間一時預かることができることとすべきではないか。

2−3−D 少年が、家出、無断外泊等を行っている場合のように、直ちに保護者等によって保護されるべき場合であっても、

○ 保護者と連絡がとれない
○ 保護者が遠隔地に居住しており、引き取りに来るまでに長時間かかる
○ 児童福祉法上の要保護児童には該当するが、一時保護の権限を有する児童相談所の担当者と連絡がとれない
○ 警察官職務執行法上の迷子に該当するが、警察官による保護を拒むようなときがあるので、当該少年を警察署等適当な場所において、保護者等に引き渡すまでの間、一時的に保護することができることとすべきではないか。

2−3−E 不良行為少年の発見、指導後においても、当該少年が早期に立ち直るよう、保護者による適切な監護が必要であることから、保護者に対して不良行為の事実を連絡し、保護者による適切な監護を促す必要があるのではないか。

また、不良行為少年の保護者の中には、日頃から適切な監護を行わず、警察や関係機関からの助言にも耳を傾けようとしない者が少なくないことから、保護者が十分な監護を与えないために少年が不良行為を繰り返すような場合には、保護者に対して必要な指導・助言を行う必要があるのではないか。

さらに、特に必要がある場合には、学校等にも連絡をして、学校等による適切な指導・助言を促す必要があるのではないか。

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3  少年非行防止ボランティア等

(1)国・地方公共団体は、相互の連携に配意しつつ、少年非行防止活動に携わるボランティアを可能な限り支援すべきではないか。

(2)警察は、一定の要件を満たす者を少年補導員として委嘱することができることとするとともに、委嘱された少年補導員が行うべき活動内容(街頭補導、少年相談、立直り支援活動等、教育訓練、守秘義務等)について必要な規定を置くこととすべきではないか。

(3)少年補導員、教職員、保護司、児童委員等、少年の健全育成に関連する任務を有する者は、少年の非行防止のため、相互に緊密に連携を図ることとすべきではないか

3−@ 少年非行防止活動に携わるボランティアは、現在でも多種多様なものがあり、法令によって活動内容を制限するのは適当ではなく、少年の健全な育成に資する活動を行うボランティアやその団体に対しては、国・地方公共団体は可能な限り支援を行うこととすべきではないか。

3−A 少年補導員については、全国の都道府県警察において5万人以上のボランティアが既に委嘱されているところであるが、活動内容等に関して法令の規定がないことが効果的な活動の妨げとなっている。

そこで、一定の要件を満たしており、少年非行防止活動を行う適性があると認められるボランティアについては、警察が少年補導員として委嘱することとし、街頭補導、少年相談、立直り支援活動を始め委嘱された少年補導員が行うことのできる活動内容を明らかにするとともに、活動の適正を確保するために必要な教育訓練、守秘義務等に関する法令の規定を置くこととすべきではないか。

3−B 少年補導員、教職員、保護司、児童委員等少年の健全育成に関連する任務を有する者については、それぞれの任務に応じて個別に活動するだけでなく、情報を共有し、連携して活動することにより、それぞれの活動の効果を相乗的に高めることができることから、相互に緊密に連携を図ることを明確にすべきではないか。

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4  地域少年非行防止協議会

市町村等を単位として、問題を抱える個別の少年やその保護者を支援するための活動の調整等を行う組織として、地域の関係機関と少年非行防止ボランティア等を構成員とする「地域少年非行防止協議会」を設置することができるようにすべきではないか。また、同協議会の関係機関等に対する資料提供要求、構成員の守秘義務等について法律に規定を置くこととすべきではないか。

4−@ 少年サポートチームは、学校、警察、児童相談所等の関係機関と児童委員、少年補導員、保護司等の関係ボランティア等が構成員となった活動ユニットで、問題を抱えた個々の少年及びその保護者について、構成員間の適切な役割分担と協力によって、当該少年の立直りのために必要な支援活動を行うものである。

少年サポートチームの設置は、既に全国的な広がりを見せてはいるが、活動のための基本的な枠組みが制度化されていないために、少年問題の深刻な地域すべてに浸透しているものではない。

4−A 不良行為少年の立直り支援のために継続的な指導は、街頭で行う補導と比べるとより教育的側面が強く、家族関係への配慮をも要する活動であることから、警察においてすべてを行うことは適当ではないと考えられる。

不良行為少年の立直り支援については、市町村等の地域社会の行政単位に、関係機関とボランティア等が連携して活動する少年サポートチームの枠組みによって行うことが適当ではないか。

4−B 少年サポートチームを制度として安定したものとするため、必要な場合に臨機応変に少年サポートチームを結成するための市町村等単位の枠組みであるいわゆる「少年サポートネットワーク」を「地域少年非行防止協議会」として法律上の制度とし、円滑な情報交換と交換された情報の管理に必要な規定を置くこととすべきではないか。

4−C 「地域少年非行防止協議会」については、市町村の中心となる機関・部署が事務局となり、教育委員会、少年サポートセンター、児童相談所等の関係する機関・部署の職員が常駐する形式で運用されることが望ましいと考えられる。


 

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データソース

■警察庁生活安全局
「少年非行防止法制の在り方について(中間報告)」に対する意見の募集について
http://www.npa.go.jp/comment/syounen1/hikoupub.pdf

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関連リンク

内閣府 犯罪対策閣僚会議
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/index.html
※内閣府犯罪対策閣僚会議は平成15年9月2日閣議口頭了解によって設置された非法律上の会議であり、根拠法令に基く法令委任の無い(従う義務の無い)行政内会議にすぎない。
・犯罪に強い社会の実現のための行動計画
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/kettei/031218keikaku.html

内閣府 青少年育成推進本部
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/seisyonen/
※内閣府青少年育成推進本部は平成15年6月10日閣議了解によって設置された非法律上の会議であり、根拠法令に基く法令委任の無い(従う義務の無い)行政内会議にすぎない。
・青少年育成施策大綱
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/seisyonen/031209taiko.html

警察庁 少年非行防止法制に関する研究会
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen14/hikouken.htm
※警察庁少年非行防止法制に関する研究会は平成16年3月18日警察庁少年課によって設置された非法律上の会議であり、根拠法令に基く法令委任の無い(従う義務の無い)行政内会議にすぎない。
・第1回少年非行防止法制に関する研究会議事要旨
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen14/no1pdf/no1yousi.pdf
・第2回少年非行防止法制に関する研究会議事要旨
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen14/no2pdf/no2yousi.pdf
・第3回少年非行防止法制に関する研究会議事要旨
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen14/no3pdf/no3yousi.pdf
・第4回少年非行防止法制に関する研究会議事要旨
未公開
・第5回少年非行防止法制に関する研究会議事要旨
未公開

■警察庁
・少年非行等の概要(平成16年上半期)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen19/syounengaiyou1601-06.pdf
・少年非行等の概要(平成15年)
http://www.npa.go.jp/toukei/syonen1/syonengaiyou1501-12.pdf
・少年非行等の概要(平成15年上半期)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen10/h1501-06syonenhiko.pdf

■社団法人全国少年補導員協会
http://zenshokyo.ecs.or.jp/
社団法人全国少年補導員協会の賛助会員
http://zenshokyo.ecs.or.jp/advt/index.php

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関連法令

日本国憲法(昭和二十一年十一月三日憲法)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

少年警察活動規則(平成十四年九月二十七日国家公安委員会規則第二十号)
http://law.e-gov.go.jp/announce/H14F30301000020.html

警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO162.html

警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO136.html

少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO168.html

刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO131.html

児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO164.html

犯罪捜査規範(昭和三十二年国家公安委員会規則第二号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32F30301000002.html

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関連記事

資料/「少年非行防止法制の在り方について(中間報告)」に対する意見募集

資料/青少年育成施策大綱(骨子案)

青少年育成施策大綱(骨子案) についての意見

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(キタノ)
ki@tree.odn.ne.jp
http://zirr.infoseek.ne.jp/
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