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2004年1月20日放送
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長野智子「ではここで今日のテーマについて、もう少し詳しくこの方にお話を伺いたいと思います。精神科医の斎藤環さんです。こんばんわー。」
斎藤環「こんばんわ。よろしくお願いします。」
宮崎哲弥「よろしくお願いします。」
長野「斎藤さんは、実は協議会の委員をなさっているということだそうですね。」
斎藤「そうなんです。ひょんなことから、千葉県民なんですけれども、なぜか東京都の。」
長野「はぁそうですか。そもそもですね、青少年の健全育成のためにこうした条例案をつくるっていうんですが、有効に働くんでしょうか?」
斎藤「…………そうですねぇ。ぐふふ(苦笑)」
宮崎「あはははははは」
長野「あのいきなりなにか…(笑)」
斎藤「(笑)有効でなければなにをしたのかっていうことですけれども、あのまあ、これは個人的な印象ですけれども、結局今回の委員会の流れとかですね、一連の条例の強化ですね、この流れっていうのはどうも始めに結論があって、みんなそれに横並びで参加したという印象が非常に強くてですね、我々も実はこの(条例の)ための委員会じゃなくて別の非行のこととか、そういうことを話し合っていたのですけれども、途中からこの問題をもってこられましてですね、気がついたらなんか起草委員とかさせられていましてですね」
長野「はぁ、そーいう流れだったんですか」
斎藤「そういう流れだったんです。」
長野「ほっ、ほー」
斎藤「かなりその辺は、強化という結論は最初から出ている感じですね」
長野「なるほどねー。」
宮崎「斎藤さんさぁ、中央公論でさぁ、先月か今月か、悪書追放運動みたいなのをいれるのはおかしいって書かれていましたよね。それは一応ここには入らなかったわけですね。」
斎藤「いやあれはまあ外野で騒いだら多少流れは変るかなということで、特に出版規制の問題というのは他の都道府県の問題と違ってですね、東京都で実施された場合の影響力があまりにも大きいということで」
宮崎「そうですね」
斎藤「9割が集中していますものね」
長野「はい。」
宮崎「斎藤さんとしてはですね、こんなもんじゃしょーがないだろうって感じですか?(笑)」
斎藤「いやーなんというか、だからやりにくかったのは、結局、出版をなんとかしようっていうのがメインだったんですよ。で、そのために他の部分は仕方がないと。席蹴って去るわけにもいきませんので、とりあえず出版のところでですね、あんまり規制が進まないというところをメインにして、他のところはそんなに抵抗せずに通すしかないかなという駆け引きだったんですけどもね」
長野「今回いろいろあるんですけれども、特に漫画喫茶やカラオケボックスの深夜入店禁止というのが加わったんですけれども、これはどうして決まったんですか?」
斎藤「新しいものは全部イカン、というですね」
長野「は?」
斎藤「なんでもかんでもイケナイっていう感じですよね。」
長野「じゃあそういう取材というか、現場で調査するとかはしていないんですかねー。」
斎藤「ああこれは是非申し上げておきたいですね。これはですね、今回の委員会の内容とか、やりとりとか、全部公開されていますんで、関心のある方は是非ホーページで見ていただきたいと思うのですけれども、一番わかりやすいのは東京都青少年問題協議会の答申原案というね、そういうものがホームページで検索できますので、そこ見ていただくとわかるのですけれども、とにかくかなり紛糾しているわけです。なんで紛糾しているかというと、根拠がないからです。」
長野「はぁ」
斎藤「つまり、深夜外出を禁止すると犯罪が減るというデータが無いんですよ。(笑) 無いのに、とりあえずケシカランから規制するみたいな流れですからね、だから委員の中でも比較的リベラル派と保守派といましてですね、結局、規制強化の保守派に対してわりとリベラル派がですね、それは根拠も無いと、データも無いし。最低限データを示して話しをすすめようと言ってもですね、ともかくデータを話し合う場所じゃないっていうことで話しがどんどん先に行っちゃうものですから、」
長野「うーん。ふう〜ん」
斎藤「ええ。まったくこれはひどい結末ですね。」
宮崎「念のために聞いておきますけど、斎藤さんはリベラル派(笑)なんですかね」
斎藤「(笑)いやそれはそうなんですけれど、なんでも反対すると結局無効になっちゃうんので、ピンポイントでっていうのは考えたのですが」
宮崎「じゃあ、伺っていると、これはデータ的根拠の無い、はっきり言うと、気休め?」
斎藤「気休めでしょう。(きっぱり)」
宮崎「気休め。そうだよねー。」
斎藤「気休めでしかないと思いますねー」
長野「これはどういう…、たとえばこの答申に関しては効果が無いと思われているのですよね、ということは。」
斎藤「ええ。だって例えばですよ、出版規制、自動販売機をいくら規制したっていまどき青少年は自動販売機で買いませんからね。」
長野「うーん」
斎藤「そういうのはほとんど焼け石に水のようなことだと思うのでけれど。」
宮崎「ほんとそうだと思うねぇ。」
長野「とすると斎藤さんご自身としてはね、非行防止というのはどういうふうにすればできると思われますか?」
斎藤「ですからなぜか今回の問題というのは、大人の側の問題ですね、特に親の側の問題ということが結構言われてなくてですね、なんか話しを聞いていると、あたかも親の育成の能力が低下しているので条例で代替しようと」
宮崎「そーそーそーそー。横浜市の親を罰するというのと同じだよねー、基本的な発想は」
長野「中田さんの…」
斎藤「でも委員の人の話を聞くと、保守派の人も『いや親の機能が低下していて嘆かわしいです』とか言っているから、じゃあ逆だろうと私は思うのですけれども。」
長野「うーん。」
斎藤「ますます親を甘やかす条例になってしまったという感じですよね」
宮崎「そーそーそーそー。」
長野「そうですね。ま、正直言って納得されていないというお気持ちが伝わってきますね」
斎藤「はい。はいはい。」
宮崎「こういう条例を出すんだったら、少なくともこの条例が施行されて2年間施行した後にどういう効果があったのかということを、きちんとですね」
斎藤「そうなんですよ」
宮崎「追求して調査して検証してほしいよね。それで効果が無かったら廃止するっていうふうにやってくれないとね、ほんとにそんな無根拠な話しで条例つくられたらたまらんな! という感じがするんですれどね」
斎藤「そうなんですよ。それで、地方では出版物に関しては結構厳しい指定をしているところがいくつもあって、せめてそういうところで指定強化前と後で犯罪率が低下したのかどうかというデータを出してくれと、私は言ったのですれども」
長野「はい」
斎藤「出てこないんですよね。まだ。」
長野「はぁー。なるほどねー。」
宮崎「気休めと言われても仕方が無いですね」
斎藤「仕方が無いですねー。ほんっとに。」
宮崎「はい、ありがとうございました」
長野「ありがとうございました。精神科医の斎藤環さんにお話を伺いました。さあみなさま、この(笑)条例なんですが、非行防止に効果があると思われますでしょうか」
宮崎「当事者が気休めって言ってるってスッゴイですねー。あはははははははは。」
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