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2003.12.8
連絡網AMI-MLより転載。
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Date: Fri, 05 Dec 2003 18:41:16 +0900
From: kitano
Subject: [ami-ml 2963] 福島県育成条例改正概要の意見募集
北野です。
12月5日、福島県青少年グループが育成条例改正草案についての意見を募集しています。
可能な限り意見募集に参加し、1〜7の提案全てに反対する旨のメールを送ってください。私も提出します。
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意見募集期間
平成15年12月5日(金)から平成16年1月5日(月)まで
郵便、ファックス又は電子メールで送付。
住所、氏名、電話番号を明記。
意見の送付先
E-mail youth@pref.fukushima.jp
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※ウェブサイトでは@が全角になっていますが正しくは半角です。
※「うつくしま県民意見公募(パブリック・コメント)の実施に関する要綱」第2条によれば、「県民等」が意見募集対象となっており、県民に限定されていません。
「福島県青少年健全育成条例の一部改正」についての意見募集
http://www.pref.fukushima.jp/youth/ikenbosyuHP/ikenbosyu.htm
福島県青少年健全育成条例案の概要 平成15年12月5日 福島県生活環境部(PDF)
http://www.pref.fukushima.jp/youth/ikenbosyuHP/pablic_youshi.pdf
福島県青少年グループ
http://www.pref.fukushima.jp/youth/index.html
「概要」より抜粋。[ ]の部分は改正が提案されている部分。
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(1) 有害図書類の陳列方法を具体的に定める。
第18条第4項
図書類の取扱業者は、有害図書類を陳列するときは、[規則で定める方法により、]当該有害図書類を他の図書類と区分し、容易に監視できる場所又は区画された場所に置かなければならない。
(2) 自動販売機等管理者の要件を追加する。
施行規則第4条第2項第2号
条例第20条の2第2項の規則で定める要件は、次のとおりとします。
(2) 自動販売機等の設置場所と同一市町村内に住所を有し、[かつ、居住している者である]こと。
(3) 自動販売機等の設置届出の添付書類を追加する。
施行規則第5条第2項
前項の届出書には、次に掲げる書類及び図面を添付しなければならない。
[( ) 自動販売機等の設置に係る土地の登記簿の謄本]
(4) インターネット上の有害な情報から青少年を保護するための規定を定める。
[(1) インターネットを利用できる端末装置を設置する学校等(大学及び専門学校を除く。)の管理者その他広く県民が利用できる末端装置を管理する者は、青少年が当該端末装置を利用するときは、フィルタリングソフトの活用その他適切な方法により、青少年の健全な成長を阻害するおそれのある情報の視聴を防止するよう努めるともに、何人も、当該情報を青少年に閲覧させ、視聴させないよう努めなければならない。
(2) 県は、(1)に関する助言や情報提供などの支援に努めるものとする。]
(5) 自動販売機の定義を明示する。
現在検討中。遠隔監視システムの有無が自動販売機の要件を構成しないことを定義の中で明らかにする。
(6) 自動販売機等への有害図書類等の収納制限違反の罰則を強化する。
条文不明。現行20万円以下の罰金を30万円以下に引き上げ懲役刑を導入し重罰化。
(7) みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止違反の罰則を強化する。
条文不明。現行6月以下の懲役又は50万円以下の罰金を2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に重罰化。
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(転載自由)
北野 桂
ki@tree.odn.ne.jp
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コメント
区分陳列方法については、これまで書店や業界が自主的に区分陳列の基準を作り、自主的に実施してきました。
しかし、条例が改正されれば、知事に判断基準と判断権限が与えられ、業界の自主的努力の基準と知事が決めた施行規則に矛盾が生ずる可能性があります。
現状の区分陳列が原因で青少年の育成がどの程度悪化したのかといった因果関係については、科学的な根拠が不明確であり、県は何ら説明していません。
現行の業界基準を無視して知事が基準をつくらなければならない合理的理由が不明です。
自販機設置届出の要件に、設置管理者が現地居住を必要的要件とした点については、居所は一ヶ所しかないわけですから、複数の場所を買ったり借りたりして自販機を設置している書店については、ほとんどの自販機を撤去しなければならない事態になり、第三者の宅地の一部を借りて自販機を設置している形態以外の自販機業者は、事実上の強制廃業措置となります。
職業選択の自由や営業の自由という憲法上の権利との矛盾はもちろん指摘できますが、どういう販売形態であれ販売機に収納されている図書は青少年に不健全な図書は1冊も販売され無いことになっているわけですから、青少年に不健全な図書を1冊も置いていない業者に対して販売のし方のみを問題にして事実上「営業を止めろ」と条例で命じることは、理不尽であると考えます。
自販機、特に遠隔監視システム付自販機(DSS式通信制御販売システム)の規制は、名前をあげて悪いですが、たとえば青少年への配慮のためにシステムを運用している三和出版といった出版社は、百万単位程度では済まない売上の打撃を受けることになると思われます。
DSS式通信制御販売システムの開発は、自販機販売に対する条例による不合理で過度な規制を実施した為に、出版者がやむを得ず自主的な対応として採用した対面販売システムで、成人にのみ対面販売する自販機(対面販売なので自販機という表現がそもそもおかしいのですが)は、自販機の規制対象にはなり得る理由が存在しません。DSS式通信制御販売システムを導入した販売機から青少年が条例に違反する図書を買っているという事実を示す県の報告も存在しません。
遠隔対面販売システムの導入によって成人だけ販売するなど、ゾーンニングに努力している会社、いわゆる「有害図書」を販売していない会社とを狙い撃ちに規制し、なにも努力していない会社と同列に扱うことは、業界の自主的努力を踏みにじる提案であり、理不尽です。
出版関係者の中には、エロ出版社や販売機書店の経営者が潰れればエロを売っていないオレの会社の売上が増えるから規制に賛成だという利己的な出版関係者や流通関係者もいるかもしれません。
しかし、これは一部業者だけの問題ではなく、出版流通業界全体の問題です。
なぜなら、区分陳列規制にしろ自販機規制にしろ、業界努力を無視するかたちで条例に基づく一方的な管理規制が続けば、わたしたちの自主的努力が意味を失うことになるからです。
規制対象となっている彼等を切り捨て、見捨てることは簡単です。
しかし、彼等を切り捨て、見捨てれば、将来、私たちも同じように切り捨てられ、見捨てられるでしょう。
それで良いのかどうか、みなさんよく考えてください。
業界の自主的努力の意味を失い、一方的に規制されるだけという状態になった時、どういう状況が想定されるでしょうか。
自主的努力が有効であれば自分自身の判断に責任を持たなければなりませんが、知事や警察によ他律的規制だと「じゃあ判断はぜんぶ知事と警察におまかせ」ということになり「自主的規制なんてアホせらしのでヤメヤメ。捕まるリスクを計算して儲けりゃいいいい」と割りきる業者がこれまで以上に出る可能性は高まります。
自主的努力なら「読者や青少年への配慮しよう」という気持ちは維持されますが、知事や警察による他律的規制だと「警察が言っているからこのマンガ原稿は売れない」「知事がダメだと言っているからこのマンガ原稿は売れない」という具合に、これまで自律的判断して実施してきた自主的規制はますます行政依存的になってゆきます。
出版流通の統制的管理は、一時的、表現的、部分的には規制にしたがっているように見えても、内的秩序としての表現者、出版社、書店のモラルは失われてゆく可能性が大きいでしょう。
こうした業界モラル破綻は、近い将来、条例改正によって販売をやめる業者と条例を無視しても販売を続ける業者の二極化という現象になって現れ、「地上」(法規制の目が届く場所)での販売が「キレイすぎるほど浄化」される一方で、浄化を拒否した業者と消費者が「地下市場」(法規制の目が届かない場所)に移動することによって「地下市場」が肥大化し、結果的に、青少年育成環境を整備するという目的を持った育成条例と現実との矛盾はさらに乖離することになります。
業界損失以前に、青少年保護という観点から考えた場合でも、改正の動機と規制の効果や結果が長期的に見て一致しない可能性を孕んでいる点については、私は大きな疑問を感じざるを得ません。
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