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2003.10.20
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2003年8月30日イラク、バスラ空港。
3人のイギリス兵が「死体」で国に帰還した。
( AP Photo / HO, RAF, Sac. Jon Ryder )
イラク関連では久しぶりの更新です。
前回更新から2ヶ月たちましたが、状況は内外共にさらに泥沼化しています。
戦争をはじめたジョージ・W・ブッシュとその支持者たちの責任です。
2003年8月20日、ティム・R・ブラウン・ジュニア上等兵の葬儀。
ティムさんの棺と米国陸軍儀仗兵側面の隊員。
ティムさんは2003年8月12日、イラクにて爆弾攻撃で死亡。
( AP Photo / Keith Srakocic )
戦争の大義と言われていた大量破壊兵器疑惑は、情報捏造の証拠が次々と露見し、情報捏造をしていた政権の政治基盤が弱体化しつつあります。
しかし、イラクでは新政権が作られないまま占領連合軍は侵略を続け、米英兵士が罪の無いイラク人を殺し、憎悪の対象となり、殺されています。
戦争をはじめたことが間違いだったのです。
2003年7月3日、カルフォルニア州ロサンゼルスの
死亡家族のための「称賛式典」の光景。
右はイラクで死んだPaul Nakamura陸軍兵の母、中村洋子さん。
左はイラクで死んだKent Rosacker兵の妹のサマンサさん。
( AP Photo / Ric Francis )
敵殺害のコストパフォーマンスだけで比較するなら、ブッシュ&サダムの戦争は、サダム圧勝て終ることは間違いないでしょう。
もちろん、人間の生命や人生が、経済的比較によって軽くならないことは言うまでもありません。
2003年7月8日、Trinity Epicscopal 教会。
陸軍兵クリストファー・コフィンさんの葬儀。
出棺時に泣いているのは、妻のベッツィーさん。
コフィンさんはイラクで「陸軍により目下調査中の事故」
により死亡。51歳。事故と戦死じゃ家族への補償や
政治責任が違います。死亡原因が怪しすぎる。
( AP Photo / Jacqueline Larma )
テレビの報道番組や政治番組を見ていて、人間の生命があまりにも軽く扱われすぎていると感じることが多くなったと、私には感じられます。
生存権保障という文字が一文字も無かった有事法制。テロ疑惑が情報捏造によってもたらされているにもかかわらず成立したテロ特措法。あるいは、イラク侵略を前提にしたイラク支援法。
それらの立法についての議論や報道は、抽象的な理念論ばかりが先行し、人間の生命の重みが、私にはあまり感じられませんでした。
2007年7月18日、Roger Dale Rowe曹長の葬儀。
テネシー陸軍州兵のRoweさんは、2003年7月9日に
タンカー燃料を積んだトラックを運転中に、
狙撃されて死亡。54歳。
( AP Photo / Mark Humphrey )
一人の人間の人生や生命は、一国の運命や地球よりも重い。
国は人のために存在する。
そのあたりまえの事実を、日本のマスメディア、特にテレビ局は、事実として報道しているでしょうか?
2007年7月18日、Roger Dale Rowe曹長の葬儀。
イラク人にとって彼は侵略者に見えたのだろうか。
参列した兵士人殺したちにとっても納得できる死ではない。
殺されたくなければ殺しに行くな!
( AP Photo / Mark Humphrey )
一人の人間が殺されたという事実。
その事実を、殺された肉親がどれほどの重みで受けとめなければならないのか。
それこそをありのままに伝えなければ、一人の人間の人生や生命の重みなど、人々は理解できません。
いま、日本の報道に欠けていることは、戦争によって失われる人間の生命と人生の重みです。
2007年7月18日、Roger Dale Rowe曹長の葬儀。
テネシー州Bon Aquaの葬儀場にて。
座っている女性はRoweさんの母親。
( AP Photo / Mark Humphrey )
生命や人生の重みを伝えるには、「死と喪失」の事実をありのままに伝えることがなによりも必要です。
死んだ人が何人だったかという数字では、事実をありのままに伝えることはできません。
誰が、いつ、どこで、どのように、なぜ死んだのか。死んだあと、誰がなにをどうしたのか。死んだ人はどんな歌が好きだったのか。死んだ人はどんな食事をしていたのか。死んだ人はどんな恋をしていたのか。死んだ人と家族はどんな会話をし、どんな思い出を大切にして、どんな人生を共有していたのか。そして残された遺族がその後どうなったのか。
それらのありのままの事実を、私は知りたいし、それらのありのままを知ることによってこの戦争の全体像と本質を理解したい、と私は思います。
2007年7月18日、Roger Dale Rowe曹長の葬儀。
合衆国旗を渡されたRoweさんの母親と子ども。
国旗と息子の命とどちらが大切だろうか?
子を戦場に送らず、戦死によって子を悲しませないこと。
それが子を持つ親の義務ではないのか?
( AP Photo / Mark Humphrey )
死んでいった一人一人の死にまつわる事実について、ありのままを報道しなければ、生命の重みなど伝わるはずもありません。
しかし、今の日本の報道は、一部番組を除き、それらの事実を報道しようとはしません。
死という事実があっても、そのありのままを報道しなくなっています
報道されても、概括的で、表層的で、統計的で、二項対立的な報道が多いように感じられます。
「死の常態化」こそが生命軽視の言論環境をつくっていることを、報道関係者は自覚するべきですし、反省し改善すべきではないでしょうか。
2003年10月10日、イギリス、ロンドン。
セントポール聖堂のイラク戦死者追悼会。
泣いているのはイラクで夫を失った女性。
なぜ彼女は夫を戦場に送ったのだろうか?
愛しているなら命がけで夫をひきとめるべきでは?
(AP Photo/Alastair Grant pool)
報道では、政府が提出した立法問題が注目されがちですが、「殺す側」になるかもしれない自衛官の兵役拒否についての情報がまったく報道されていません。
海外では、憲法の人権規定により一定の良心的兵役拒否権が認められていたり、兵士が理不尽な戦闘命令を拒否する権利が一部認められていたりします。
イラク戦争でも兵役を拒否した軍人はたくさんいますし、兵士の家族が「大義の無い戦争に行くべきではない」として兵士に兵役拒否を求めるケースも少なくありません。
戦争に行った兵士や兵士の家族が、その後反戦運動に参加するケースも少なくありません。
2003年7月23日、シカゴの連邦プラザビル前のイラク戦争抗議デモ。
イラク戦争の遺族、エイミーさんと息子のピーター君とマイケル君。
合衆国死傷者の写真を掲げて反戦の意思表示をしています。
( AP Photo / Aynsley Floyd )
自衛官や自衛官の家族が、「イラク戦争には参加しない」ときっぱり意思表示できるような社会的な環境は、残念ながら今の日本にはありません。
良心的兵役拒否や平和的生存権についての議論や情報が、日本には無さすぎます。
報道機関は、反戦デモや兵士帰還運動、あるいはそれらの抗議活動に参加した兵士や兵士の家族について、もっと取材し、報道すべきではないでしょうか。
2003年7月13日、イラク南部のバスラの臨時墓地。
殺された夫の冥福を祈る女性。
米軍主導のイラク戦争で死んだ100人以上の
イラク人(民間人を含む)が埋葬されている。
あまりにも悲しく貧しい墓地だ。
( REUTERS / Stefano Rellandini)
忘れてはならないことは、「侵略国」の人間の死だけが重いのではなく、どこの国の人間であっても、死という事実は重いという事実です。
米英兵士の死は愛国心の称揚運動によって注目されがちですが、イラク人の死が見捨てられるべき死であってはなりません。
生存者に差別があってはならないように、死者に差別があってはならないのです。
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