---- 北の系2005 ----
_
|<5 << 最新 一覧 link >> 5>|
_
資料/小泉内閣不信任決議案
_
2003.10.10

国会解散のイメージ
小泉再選そして国会解散へ。
考え続けることを放棄した時から
すべての闇は始まる。

国会を解散した小泉総理。

彼は総理大臣に足る人でしょうか?

私は小泉内閣不信任決議案を否決した議員や、否決すべきと考える候補者に一票を投じることは無いと思います。

───────────

小泉内閣不信任決議案(第一五六回国会、決議第四号)

小泉内閣不信任決議案(第一五六回国会、決議第四号)
本院は、小泉内閣を信任せず。
  右決議する。
     理由

 小泉内閣が発足して約二年三ヶ月。小泉総理は相も変わらぬ空虚なパフォーマンスを続ける一方で、今、イラクへの自衛隊派遣を可能にするため、いわゆる「イラク人道復興支援特別措置法案」を強引に成立させようとしている。小泉内閣が米英によるイラク攻撃を支持した最大の理由は、「フセイン政権による大量破壊兵器使用の危険性」にあった。しかし、肝心の大量破壊兵器が一向に見つからないために米英両国内でさえ戦争の大義を疑問視する声が日々増大し、戦争を主導した両国政府への批判が高まっている。ところが、小泉総理は、その問題点をこの間の国会論戦でつかれると、「今、フセイン大統領が見つからないといって、フセイン大統領が存在しなかったなどといえないでしょう。それと同じだ」などという荒唐無稽な詭弁でとりつくろう姿勢に終始している。また、小泉総理は、イラク支援にあたって自衛隊を派遣する地域は、非戦闘地域に限るとの発言を再三再四繰り返しているが、「非戦闘地域がどこなのか、一カ所でもいってほしい」と問われると、「どこが戦闘地域で、どこが非戦闘地域か、今、私に聞かれたって分かるわけがない」と唖然とする答弁を行い、公然と開き直った。自衛隊派遣に責任を持つ内閣総理大臣とは到底思えない発言である。米軍でさえ、イラク全土が現在も戦闘地域であることを明言し、新たに就任した米中央軍司令官はイラクではゲリラ戦に突入したとの認識さえ示している。そして、先日、石破防衛庁長官は参議院の外交防衛委員会での答弁で、イラクの戦争が終結していないことを認めた。実際にブッシュ大統領の戦闘終結宣言後に米英両軍に対する攻撃で死傷者が日々増加している現状では、小泉総理の主張は全くの絵空事にすぎない。小泉総理の答弁でこのことが一層明確になった。さらに言えば、自衛隊は基本的に米英両軍支援を目的に派遣されるため、自衛隊がゲリラ戦の対象になることも避けられない状況だ。このような非道が許されてよいわけはない。自衛隊の今回のイラクへの派遣は、当然わが国を守るためではなく、相手国の同意があり、国際協力という目的がはっきりしているPKO協力法に基づくものでもない。米英両国が国連の武力行使容認決議なしに始めた戦争への参加である。先に自衛隊派遣ありきで詭弁を弄する小泉内閣の責任は極めて重大である。

 小泉内閣がイラク戦争への協力推進に傾く、その影で、国民は相次ぐ負担増に泣かされている。医療費・健康保険料・雇用保険料の値上げ、失業者への給付金引き下げは国民生活を直撃した。この夏のボーナスでは手取り額が大幅に減少した。健康保険料等の引き上げが原因である。しかし、ボーナスが支給された企業はまだ良い方で、毎月の給料さえ満足に払えない企業も多い。中小・零細企業から大企業に至るまで企業の倒産件数は増えつづけている。民間の調べでは、昨年度の企業の倒産件数は一万八千九百件余りで戦後四番目の高水準。三年連続で一万八千件を超えている。当然のことながら、雇用情勢も悪化の一途をたどり、失業率は今年の五月も五・四%の高率。三月から三ヶ月連続、同率で推移している。五月の失業者数三百七十五万人は昨年五月と並んで過去最高。会社都合などによる非自発的失業者も百二十三万人の高水準だ。若年層と中高年男性を軸にした長期の失業者は相変わらず増えつづけている。就職をあきらめてしまった潜在失業者を加えると、失業率はさらにアップし、失業者数は一段と増加するとの指摘は昨年同様だ。こうした中で、暴力団がらみのヤミ金融から借金し、恐喝まがいの強引な返済を迫られて自殺者が出るケースが急増している。自殺者が増え、自殺の理由として「経済苦・生活苦」が増えていることも昨年と変わっていない。企業の倒産、失業、自殺者の急増は、わが国の根幹を揺るがす重大な社会問題となっているが、小泉内閣は発足以来、事態をただ傍観するだけでいまだに何ら有効な対応策も示していない。

 こうした中、小泉内閣は、りそな銀行救済のため、一兆九千六百億円を超える公的資金の注入を行った。これは結局税金であり、つまるところ国民に一層の負担増を強いることになる。財務省の発表によれば、今年三月末現在の国の債務残高は六百六十八兆七千六百五億円に達し、過去最高を更新している。一向に進まない道路公団改革。雇用・能力開発機構(旧雇用促進事業団)による超放漫経営とリゾート施設の投売り、それによる雇用保険保険料の莫大な損失もその端的な例だ。一方で医療費や健康保険料の値上げ等、さらには将来的な年金の引き下げ、消費税率の引き上げが言われる中で国民の生活は真に青息吐息である。小泉内閣発足時の株価は一万四千円弱。現在、平均株価は九千円台を乱高下している。今年の四月下旬には平均株価は七千六百円台まで下落し、実に一九八二年十一月以来のバブル後最安値を更新した。小泉内閣による愚策が繰り返される中で、長引く景気低迷に体力を失った日本経済と不況に喘ぐ国民生活は極めて深刻である。

 また、小泉内閣発足以来、「政治とカネ」をめぐる与党議員や閣僚の不祥事があとを絶たない。昨年の鈴木宗男議員の問題に続き、今年になってからも坂井隆憲議員、松浪健四郎議員と次々に疑惑が噴出した。そして大島前農林水産大臣の件である。いずれの場合も小泉総理の対応は口先だけで何ら具体的なものはなかった。国民の政治不信は増幅するばかりである。加えて、これに無意味な官僚答弁、暴言を繰り返す川口外務大臣や鴻池国務大臣など無責任閣僚の任命権者としての責任である。見せ掛けの党内抗争で世論を誘導し、支持率を稼いでも、いずれ国民の厳しい審判が下されるのは明白である。

 小泉総理が掲げた「改革」のスローガンはいまや完全に色あせ、日本経済は長期の低迷で崩壊の瀬戸際にある。小泉総理の根拠のない楽観論で現状維持思考が強まれば日本経済は最悪の事態を招きかねない。所詮、小泉内閣は上を見ぬ鷲。国民の痛みが全くわからない。その傲慢さは断じて容認できない。このままでは日本に未来はない。

 最早、小泉内閣に残された役割はただ一つ。一日も早く退陣して、不況に喘ぐ日本経済と国民の痛みを和らげる以外にない。よって、ここに小泉内閣の即時退陣を強く求める。

 以上が本決議案を提出する理由である。


 

第156回国会 本会議 第47号(平成15年7月25日(金曜日))

菅直人君 私は、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合を代表し、小泉内閣不信任決議案提案の趣旨弁明を行います。(拍手)

 まず、決議案を朗読します。

  本院は、小泉内閣を信任せず

   右決議する

    〔拍手〕

以上であります。

 どうか、この不信任決議案に対して、野党はもとより、与党の中でも、今の総理大臣の言動やあるいはイラク支援法に対して、テレビの場を通しても、絶対に賛成はできないと言われている方が何人もおられるわけでありますから、与野党を超えてこの不信任案に対して賛同いただきますよう、冒頭に心からお願い申し上げます。(拍手)

 今国会は、総理の、公約が守れないことなどは大したことはないという発言に始まり、イラクのどこが非戦闘地域か、わかるわけがないという、イラクに自衛隊を送る法案を出している内閣の総理大臣としては考えられないような無責任な発言で会期末を迎えてまいりました。この二つの発言こそが、小泉総理の無責任さ、そして自民・公明連立政権の無責任さのすべてを語っていると思います。

 今、私は、日本が、日本社会が崩れつつあるという大変強い危機感を覚えております。きょう、朝の新聞を見ましても、社会保障制度の根幹の一つであります国民年金の未納者が何と三七%にも達しているとあります。今や、国民年金という制度が内側から崩壊しつつあるわけであります。また、自殺者が五年間連続して三万人を超えている。中でも、倒産や失業など経済的動機による、働き盛りの五十代の自殺者が増大いたしております。

 このような危機的な状況に対して、自民・公明連立の小泉内閣は、この間、一体何をしてきたのでしょうか。崩れ行く日本を立て直すどころか、構造改革なくして景気回復なしというスローガンを叫ぶばかりで、何一つ効果的な手は打てず、日本の危機は深まるばかりではなかったですか。

 その上、大義名分を欠いたイラク戦争に対する支持や、戦争の続くイラクへ自衛隊を送るためのイラク支援法の強行など、小泉内閣は日本を誤った道に導こうといたしております。

 今回の内閣不信任案は、単に小泉総理の退陣を求めるばかりでなく、解散・総選挙を求め、政権交代によって危機的な状況から日本を救い出す、国民のための政権をつくろうという野党の一致した、そして、国民の多くの皆さんの支持を得た、私たちの小泉政権に対する挑戦状であるわけであります。(拍手)

 さて、小泉政権の誤った政策を数え上げれば切りがありませんけれども、四点についてまず申し上げてみたいと思います。

 まず第一に、小泉総理が国民と約束した構造改革が全く進んでいないという一点であります。

 改革なくして成長なしと叫び続けてきましたけれども、一体、何が改革として実行されたのでしょうか。

 私は、改革の第一歩として、むだな税金の使い方をやめることが必要だと。

 例えば、あの諫早湾の干拓事業など、減反減反で全国で四割以上の農地が既に減反の対象になっている中で、なぜ海の上に農地をつくらなければいけないのか。与党の皆さんの中で説明ができる人があったら、一人でも言ってみてください。だれもができないわけでありますけれども、その税金のむだ遣いの公共事業をやめることすらできておりません。

 川辺川ダムに関連して多くの資金を得た自民党現職議員がおられますけれども、この事業も、農民の訴訟が勝訴したにもかかわらず、これすらとめることができないわけであります。

 さらには、三位一体改革と言いながら、補助金の削減対象の中にはなぜ公共事業を盛り込んでいないのでしょうか。まさに公共事業こそ、政治家がピンはねをし、そして官僚が天下りの材料にし、そして業界が談合を行う、そのまさに手品の種、そうしたむだ遣いの税金の種であるから、これだけは地方に移譲するわけにはいかない、国政が握っておきたいというのが、この三位一体改革から公共事業をわざわざ外して聖域扱いにした、その理由以外に考えられないじゃありませんか。

 こうした形で、今や、地方分権という言葉も、自由民主党が語る限り、その中身は全くの骨抜きであり、そして、分権どころか、結局は地方に負担だけを押しつけて権限だけは国が持っておこうという地方分権逆行三位一体改革だ、このように申し上げなければなりません。(拍手)

 そして、道路公団の改革などに関しても、いまだに、天下りの象徴とも言える藤井総裁の首一つ切れないで、扇大臣の顔色をうかがっておられるのかもしれませんけれども、これだけの、かけ声だけの改革にとどまっているわけであります。

 特殊法人の廃止・民営化といった問題も、統合・独立行政法人化という看板のかけかえでごまかして、さらには、医療制度の抜本改革という、厚生大臣の時代、私の後の厚生大臣を務められた小泉厚生大臣の時代からの約束も、結局は、先送りしたまま、負担だけを国民に押しつけているのが現実ではありませんか。(拍手)

 第二には、経済の失政であります。

 デフレ不況は悪化し、失業や倒産は増加し、財政の危機的状況はさらに深刻になっております。

 先日の予算委員会でも、国債発行三十兆円以下という公約が守られなかったということを聞いたときに、それは税収見通しが五十兆円のつもりが下がったので仕方がなかったんだ、柔軟かつ大胆にやっただけなんだ、このように答弁されました。

 しかし、五十兆円という税収見積もりを行ったのは、一体、だれが行ったのですか。これまで民主党のせいにされようというのですか。政府がみずから五十兆円の税収見通しを立てて、それを実現する責任を持っていながら、五十兆円が減ったのは私のせいじゃない、三十兆円を超えたのは仕方がなかったんだ、こんな無責任な答弁がまかり通っている。これをごまかしと言わないで何と言えばいいのでしょうか。(拍手)

 五百三十万人の雇用増という第一回目の骨太方針も、それじゃ五百三十万人が今の雇用にプラスされたのか、このようにお聞きしますと、決してそういう数字にはなっておりません。現実に、二年前の就業者数全体で見ますと、この二年間で、五百三十万人ふえるどころか、百万人以上、百二十万人以上の減少というのがまさに純粋な数字の就業者数であらわれているわけであります。

 このように、五百三十万人ふえたけれども、それは多分、別のところで七百万人減ったんでしょう、そういう答弁が返ってきそうでありますけれども、この答弁もごまかしであるということは言うまでもありませんが、ここまではまだ言っておられませんので、私からかわりに御説明を申し上げておきたいと思います。(拍手)

 第三には、政治改革を後退させたということであります。

 小泉政権が誕生して二年余りの間、どれだけの事件が発覚いたしたでありましょうか。昨年の鈴木宗男議員、坂井議員、大島議員など、政治と金にまつわる疑惑や事件が頻発いたしました。政治不信と日本社会の沈滞が、税金の使い道をゆがめる自民党流の利権構造に沿ったそうした政治である、それが原因であることは明々白々の事実であります。

 しかし、総理は、こういった政治と金の問題の改革を行うべきだと言いながら、現実には、こういった面で何一つリーダーシップを発揮しようとはしてこなかったじゃありませんか。

 そして、国会の終盤になりまして自由民主党が出してきた政治資金規正法改正案は、これは一体何ですか。十年前に、政治と金の問題で透明化を高めるために公開基準を年間五万円としたものを、今度は二十四万円に引き上げる。透明度を、わざわざ墨を塗って透明でなくするような改革案というもので、まさに、これが逆行でなくして何と答えられるのでしょうか。(拍手)

 このような中で、多くの閣僚がいろいろな不適格な発言を繰り返されました。衆議院議員あるいは与党議員、そして大臣の中には、レイプ容認発言、あるいは子供たちの犯罪に絡んだ不適格な鴻池大臣の発言、さらには、多くの閣僚がそうした不適格な発言をされました。

 しかし、小泉総理は、そうした大臣を任命した任命責任者であります。そういった観点からも、総理としての責任が強く求められる、このこともあわせて申し上げておきたいと思います。

 そして、こうした中で、もう一つだけ申し上げておきますけれども、小泉総理と私は、この国会の中で、五度、予算委員会で、そして五度、党首討論で討論をいたしました。そして、小泉総理の討論の答弁は、常に、総理大臣として答弁するという姿勢が全く欠けておりました。例えば、三十兆円の枠についても、二言目には民主党が法律で縛ったのはけしからぬと、全く話をすりかえております。

 先ほど申し上げましたように、私たちは、もし二年前に民主党が政権をとっていれば、税収をそこまで減らさないような、そうした内需拡大策をやることによって税収減を防ぐことによって、三十兆円の枠の中できちんとおさめることは十分に可能であったわけであります。(拍手)

 小泉総理は、みずからこの場所で国民に向かって、三十兆円枠を守るということを約束しながら、それができなくなると、その責任はあたかも野党にでもあるかのごとく責任を転嫁する、あたかも自民党の抵抗勢力に責任があるかのごとく責任を転嫁いたしております。

 しかし、道路公団の改革など、自民党の抵抗勢力の抵抗が強い問題にしても、抵抗勢力とは一体何ですか。自由民主党の国会議員じゃないですか。自由民主党の国会議員と自由民主党の総裁が争うことが、何が本当の意味の改革推進なんでしょうか。(拍手)

 つまりは、小泉総理の五〇%前後と言われる国民の支持率のその根源がどこにあるかといえば、まさに、自民党抵抗勢力とけんかをしている、けなげにけんかをして頑張っている小泉総理というところにその根源があるわけでありますけれども、それは、言葉をかえれば、みずからの党もきちんとした形でおさめ切れていないという、指導力のない総理であるということをみずから証明していることになるのではありませんか。(拍手)

 ましてや、閣僚までもが必ずしも総理と同じ方向の改革を進めていないということを言えば、小泉内閣総理大臣は、与党もおさめられない、みずから任命した閣僚を含む内閣をもおさめられない、全く指導力のない総理大臣であるということをみずから証明しているのではありませんか。(拍手)

 どうか、国民の皆さんにもお聞きをいただきたいのですけれども、抵抗勢力対小泉総理というのは、抵抗勢力が自由民主党議員の中の抵抗勢力であることを考えれば、まさに、ベンチの中で監督と選手がけんかをしているようなもので、そのけんかは確かにスポーツ紙の中ではおもしろいかもしれないけれども、フィールドでは、国民のために戦うべきフィールドでは、倒産、失業、そして赤字の累積と、まさに大量失点を繰り返してきたのがこの小泉政権ではありませんか。(拍手)

 そういう中で、小泉総理のもう一つの特徴をこの際申し上げておきますと、大変みずからを褒めることが天才的にうまい方であります。

 郵政事業の民営化についても、これまでは一言も声も発せられなかったのが、自分が総理大臣になって言い出したからみんなが言い出したんですと。それは、十年前に小泉総理が郵政大臣のときから一つとして郵政事業民営化が前に進んでいないから、十年前の公約を、前進していないからこそ、それが進んでいないからこそ、十年間変わらない公約を言い続けられているわけでありまして、つまりは、みずからが実行できていないことの裏返しである。それもすべては私がいるからこんなに頑張ったんだ、道路公団の民営化だって、だれも言わなかったのに、私が出たから言えているんだと。

 言えているだけなら、ふろ屋の話ではありませんけれども、ユウばかりではだめなんです。総理大臣は行政の責任者でありまして、言うのなら別の立場でできます。野党の党首でも十分に務まります。しかし、実行するためには、内閣の権限を持った総理大臣でなければできないのです。その総理大臣が、権限を持ちながら、言ったからといって褒めてください、言ったからといって皆さん褒めてくださいという、みずからを褒めるのは、私が見ている限り、率直に申し上げて、恥ずかしい思いさえしてくるのが私の実感であります。(拍手)

 さて、そこで、今、参議院で議論をされているイラクの問題について触れなければなりません。

 私は、日本外交の柱は、日米関係をしっかりとすること、そして、国連というものを大事にすること、そして、アジアの国々との連携をしっかりとしていくこと、この三本の柱から成り立っている。これは、自民党、小泉総理も基本的には同じ認識だと思います。

 しかし、小泉外交のこの二年間を見ておりますと、そうした三本の柱がしっかりと成り立っているとはとても思えません。ブッシュ大統領の顔色ばかりをうかがうような対米追従の外交に終始してきたのが、この二年余りではなかったですか。

 日本とアメリカとの関係をしっかりと、その信頼関係を維持し強めるためには、ただブッシュ大統領が言ったからそれに従うというのではなくて、みずからの主体的な考え方を持った中で、言うべきことは言い、そして同調すべきことは共同してやっていくという、まさに和して同ぜずという姿勢こそが今の日本外交に求められていると私は考えますが、皆さん、いかがでしょうか。(拍手)

 今回のイラク問題での対応は、まさに、そうしたアメリカ追従型の、ブッシュ大統領追従型の日本外交の自主性のなさを露呈したばかりではなく、まさに、日本を将来に向かって危うい道に導くものと言わざるを得ません。

 開戦時に、支持する理由として、大量破壊兵器が存在する、このように総理は言われました。しかし、この間の質疑の中では、大量破壊兵器の疑惑が国連などによって指摘されたからそう言ったんだと言われました。疑惑と、存在を断定することは、明らかに質的に違います。まさに誇張以外の何物でもありません。

 先日来日されたブレア・イギリス首相は、四十五分間で生物化学兵器がミサイルに搭載できるという、そうした誇張した表現をしたことによって、そして、それを漏らしたとされる政府高官が板挟みで自殺に追い込まれたことをもって、総理大臣としてやめるべきだという世論が今や三〇%を超えるところにまで達していることは、皆さんも御承知のとおりであります。

 独裁国なら知りません。民主主義国のリーダーが、総理大臣が、国民に向かって事実をねじ曲げた、誇張した表現をして、そしてイラク戦争という極めて重大な判断を、そのねじ曲げた、誇張したその主張によって国民を説得したとすれば、これはまさに総理大臣の資格そのものが問われている、このように言わざるを得ません。(拍手)

 さきの予算委員会でも、我が党の岡田幹事長が、何万人ものイラク国民、あるいはアメリカやイギリスの兵隊が亡くなったこの戦争に対して判断をするときにそんな軽い判断でよかったんですかということを指摘してくれておりますけれども、まさに、私は与党の皆さんにもそのことを申し上げたいと思います。

 これからイラクという戦地に皆さんは自衛隊を送る法案に賛成されたわけでありますけれども、その重さがどの程度のものかを、まさに真摯に、本当に受けとめた中で議論が進んできたのか、そのことを私たちはもう一度皆さんに申し上げておかなければなりません。(拍手)

 自衛隊の任務は、まさに、祖国日本の防衛であります。そして、国連の要請によって、停戦が達成された後のあのカンボジアなどに対するPKO活動を、それに加えて私たちは認めてきているわけであります。九月十一日のテロに対して、それを抑えるためにアメリカが自衛権の発動として行動したことに対して、それの支援をすることも、テロ支援法で例外的に認めてきたところであります。

 しかし、今回のイラク支援法の内容は一体どういうことになっているのでしょうか。

 既に予算委員会あるいは党首討論でも申し上げましたけれども、非戦闘区域というものが本当にイラクの中に存在すると思っておられる皆さんがどれだけいるのでしょうか。つまりは、非戦闘区域という概念を持ち込まなければ憲法との整合性がつかないから、その整合性をつけるための架空の概念として非戦闘区域という言葉を法律に盛り込んだのではありませんか。

 そうした架空の概念に基づいて、もし、自衛隊が戦地イラクに送られ、そして大きな戦闘に巻き込まれるようなことになったときに、本当に、それに賛成した与党の皆さんはみずからの責任をとるという覚悟で賛成されたのか、総理はその覚悟で法律案を出されたのでしょうか。

 先ほどにも重なりますけれども、それでは、イラクには非戦闘地域は存在するんだ、必ずあるんだ、間違いなく調査をすればあるんだと言われたから、それならせめて一カ所でもその場所を指摘してもらえませんかと問いましたら、何と答えられたか。重なりますけれども、そんなこと私がわかるわけはない、居直りの答弁であったわけでありまして、こんな無責任な人に日本の防衛の自衛隊のその最高責任者をお願いするわけにはいかないわけでありまして、そのことを強く申し上げておきたいと思います。(拍手)

 そうした中で、今、私たちのこの日本は、本当に行き詰まりの中にあります。私は、この日本がここまで行き詰まってきた大きな原因は、一つには、日本そのものがいろいろな側面で弱くなってきている。私たちは、強い日本をつくっていきたい、このように考えております。(拍手)

 治安の面でも、そして教育の面でも、そして技術の面でも、日本はかつては、日本の治安は、まさに世界で最も安全な国と言われました。また、教育においても、しっかりした教育がある時期までは行われているという認識がありました。技術革新においても、日本が世界をリードしてきた時代もあったわけであります。

 しかし、そうした状況に対して、本当にどういう形でこの日本を立て直そうとしているのか、総理の言葉からは、抽象的なスローガンは聞こえてくるけれども、具体的な改革の中身は何一つ聞こえてまいりません。

 私たちは、次の総選挙に向けて、強い日本をつくるための基本的な政策、政権政策、マニフェストをまとめて、そして国民の前に提示いたしたい、このように考えております。

 それに加えて、税金をむだに使うお化けがそこらじゅうにいるのではないですか。ピンはねをする政治家お化け、天下り先を求めていく官僚お化け、そして、談合を繰り返す業者お化けなど、そこらじゅうに税金をむだに食い尽くしていくお化けが存在いたします。そして、残念ながら、自由民主党はそのお化けと最も仲のいいお友達ではないですか。(拍手)

 そういった意味で、このお化けを退治するためには、自由民主党あるいはそれに寄り添っている公明党の、さらにはもう一つ保守新党といった、そういう連立政権であっては、そうしたお化け退治はとてもできないことは明らかであるわけであります。

 そういった意味で、私たちは、この不信任案をぜひとも総理にも真正面から受けとめていただいて、総選挙が行われるその中で、そうした強い日本をつくる、そして税金のむだ遣いお化けを退治するという二つの基本に沿った政権政策を打ち出すことによって、まさに国民の皆さんに政権を選択していただく、そうした戦いにしていきたいということをこの場で申し上げておきたいと思います。(拍手)

 最後に、もう一度申し上げたいと思います。

 我が国は、本当に危機的な状態にあるわけであります。しかし、小泉総理の、自民党内の抵抗勢力と争うことが人気の源というような、そのあり方そのものが、本当のところでは国民の皆さんの大きな不信の種を広げているのではないでしょうか。

 議院内閣制というのは大統領制ではありません。ですから、国民が選ぶのは、直接に総理大臣を選ぶわけではありません。つまりは、国会議員を選んで、その国会議員の多数派が総理大臣を選ぶわけであります。

 しかし、その国会議員の多数派の、抵抗勢力と言われる多数派の人たちと、そして、その選ばれる総理大臣とが、全く別の考え方を持っている。二年前の参議院の選挙でも、小泉総理は、郵政事業民営化と言われました。しかし、握手をしているある候補者は、体を張っても郵政事業民営化は阻止すると言いました。

 そういう選挙をもし次のときに戦うとすれば、国民は一体何をもって判断すればいいのですか。何をもって判断すれば自分たちの考え方が通るのですか。必ず与党と総理が一致した政権政策を打ち出さない限りは、国民の前に選挙を戦うという資格そのものが問われている、このことを私は改めて申し上げておきます。(拍手)

 そして、その上で、この全野党が一致して提出いたしました内閣不信任案に対して、ぜひ、与党の皆さんの中でも、多くの場所で今の小泉総理に対してふさわしくないとする発言をされている皆さんは、国民の皆さんの前の発言をきちっとこの場で姿勢にあらわしていただきたい。

 それに加えて、最後に、小泉総理にぜひともお願いを申し上げておきたいと思います。

 小泉総理は、まさか、この野党一致した内閣不信任案を逃げてしまうようなことはないでしょう。本当に自信があるのならば、このイラク支援法がもう一度国民の前で議論されるように、そして、今までの経済政策をきちっと国民が審判できるように、この内閣不信任案が議決されようがされまいが、この国会の中で解散をし、総選挙に訴えて、そして国民の声を聞くことを強く強く求めて、私の説明を終わりにいたします。

 どうも長時間ありがとうございました。(拍手)

───────────

東門美津子君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、野党共同提出の小泉内閣不信任決議案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)
 小泉内閣が成立してから二年三カ月、この間に小泉内閣が行ったこと、小泉内閣が国民生活に与えた影響を振り返るとき、惨たんたる思いを禁じ得ません。

 小泉総理は、内閣発足以来、改革なくして成長なしと叫び続け、構造改革政策を推し進めてきました。しかし、現実には、改革の姿もなければ、成長のかけらもありません。完全失業率は五・四%と過去最悪の水準で高どまり、生活苦から自殺へと追い込まれる人の数は増加し、勤労者世帯の消費も一向に回復する兆しはありません。株価は幾分かは持ち直してはいるものの、低迷している状況に大きな変化があるわけではありません。

 このような経済状況の中で小泉内閣が選択した道は、またしても国民生活を犠牲にする予算でした

 昨年の十月から、老人医療の窓口負担がアップされましたが、四月からは、サラリーマン保険料率が引き上げられ、野党が凍結を求めたサラリーマン健保の三割負担増も強行されました。介護保険料も引き上げられ、年金給付額は逆に引き下げられました。雇用保険も、昨年十月に保険料が引き上げられ、五月からは失業給付が削減されました。こうした施策に加え、酒やたばこの増税、配偶者特別控除の廃止、消費税の特例縮小などの増税が行われます

 国民生活が困窮しているこの時期に、こうした景気回復に逆行する施策をよくぞ考えつくものだと思いますが、小泉総理の口癖は、改革には痛みが伴うであります

 小泉総理は、国債の発行額を三十兆円以下に抑えるという公約を簡単にほごにし、公約など大したことではないと暴言を吐く一方で、皮肉にも、痛みが伴うというその公約だけはしっかりと果たしています

 しかし、百歩譲って、改革には痛みが伴うものだとしても、その痛みはあらゆる人々が平等に分担すべきものであります。しかし、総理の求める痛みとは、圧倒的多数の庶民の痛みであり、不公平な痛みであると言わざるを得ません

 世論調査では、「これ以上の痛みは受け入れられない」という国民が六四%、「失業するのではないか」と不安を感じている国民は七六%にも達しているのです。この数字を見るとき、国民にこれでもか、これでもかと痛みを押しつけてくる小泉内閣に不信任案を突きつけるのは、国会に議席を有する者として当然の責務だと考えます。(拍手)

 次に指摘したいのは、小泉総理を初め、内閣を構成する各閣僚の資質の問題です

 まず、森山法務大臣ですが、森山大臣は、刑務所内で刑務官が起こした暴行死事件に関連して、受刑者は反社会的人間だと決めつける発言を行いました。森山大臣の真意はどこにあるのでしょうか。刑務所にいる受刑者には国家は何をしてもいいということなのでしょうか。人権を守らなければならない法務省のトップにある人の発言としては、余りにも軽率、余りにも人権感覚のない発言であり、閣僚としては失格です

 また、鴻池大臣は、中学一年の少年が四歳の子供を殺害した事件で、両親を市中引き回しの上、打ち首にすべきだと発言し、これが自説だとも力説いたしました。事の真意を聞かれた大臣は、親を引きずり出せということだとも語っています。この感情をむき出しにしたような発言は一体何なのでしょうか。復讐すべきだ、見せしめにしろ、私的制裁、リンチも認めるという趣旨なのか、それとも、世間の感情をあおるのが目的なのか、わかりません。また、監禁されていた四人の女の子が救出された事件でも、今は被害者なのか加害者なのかわからないと言うに至っては、青少年担当大臣の資格はありません

 さらに、福田官房長官は、男女共同参画担当大臣でありながら、だれもが驚き、怒った、自民党議員の、レイプをする人は元気があるとの暴言に関連して、被害者の女性にも責任があると、あたかもこれを擁護し、正当化する発言を展開するなど、まさに言語道断であり、官房長官としての資格はありません

 さらに、証取法違反まがいの発言を行った竹中経済財政・金融大臣、公約を守らないのは大したことではないと言う小泉総理。まさに、この総理にしてこの閣僚ありということでしょう。小泉内閣の面々の暴言、放言はもはや常識を逸しており、小泉内閣には国を運営していく資格はないと判断せざるを得ません。(拍手)

 次に、イラク戦争への対応の問題です

 本年三月、米英両国は、国連安保理の決議もなく、イラクへの攻撃を強行しました。自衛のための武力行使と安保理が行う武力行使以外は国連憲章によって禁じられており、米英のイラク攻撃は、国際法上、多くの問題が指摘されています。米英が攻撃の理由とし、小泉内閣が支持理由とした大量破壊兵器はいまだに発見されていないばかりか、むしろ、意図的な情報操作があったのではないかという疑いすら浮上しているのです

 小泉総理は、あろうことか、大量破壊兵器がいまだ発見できない状況をただす議員に対し、フセインも見つかっていないが、それはフセインがいなかったということになるのかなどという答弁を恥ずかしげもなく、自慢げに繰り返したのです。大量破壊兵器がフセイン元大統領とともにテレビに映し出されていたというならともかく、国民をレトリックでごまかし、愚弄するかのような態度は、断じて許されません

 小泉総理は、この大義なき侵略戦争を十分に検証することなく支持し、今また、これに加担するために自衛隊をイラクへ派遣しようとさえしています。これは、不当な占領に加担し、自衛隊員の命を危険にさらすというだけでなく、長年にわたって良好な関係を築いてきた中東諸国と日本との関係を破壊し、我が国の国益を大きく損なうものだと断ぜざるを得ないのです

 川口外務大臣は、このようなときにこそ小泉総理をいさめ、日本の国益を守る立場にありながら、みずからの責任を放棄し、あいまいな官僚答弁を繰り返し、日々、我が国外交の権威を失墜させています。一体、川口大臣の答弁のどこに、外交官として最も求められている徳目である誠実さがあるのでしょうか。私は、これでよく一国の外務大臣が務まるものだと、逆に感心せずにはいられません

 さらに、小泉内閣は、有事法制を成立させ、軍事優先、米国追従の道をひた走っています。私は、既成事実の積み重ねによって平和国家日本のあり方をなし崩しにしようとしている小泉内閣の手法を、断じて認めるわけにはいきません

 また、米国の顔色をうかがう余り、日米安保条約からの不公平な痛みを沖縄県民のみに押しつけ、県民はもちろん、国民の九〇%以上が要求している日米地位協定の改定に手をつけることさえもできません

 県土の約一一%、沖縄本島の約二〇%を占める、異常ともいえるほどの広大な米軍基地を沖縄県民に押しつけ続け、さらなる自然破壊をもたらす新たな基地を県内に移設するだけでなく、県民の生活を脅かし、レイプなど人権を侵害する米軍人軍属による事件にも何ら有効な手だてを講ずることができない小泉内閣は、即刻、退陣すべきです

 以上、小泉内閣不信任決議案に賛成する理由を申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)


 

───────────

第154回国会 本会議 第51号(2002/07/30)
鳩山由紀夫君 民主党の鳩山由紀夫です。

 私は、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合、そして民主党・無所属クラブを代表し、小泉内閣不信任決議案の提案の趣旨を説明いたします。(拍手)

 まず、決議案の案文を朗読いたします。

  本院は、小泉内閣を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕

以上であります。

 次に、我々四会派が国民を代表して本不信任案を提案するに至った理由を説明いたします。

 構造改革を掲げて登場した小泉内閣が誕生してから、一年三カ月になります。しかし、一向に改革は進まず、経済は相変わらず低迷するばかりであります。

 小泉内閣がなしたことは何か。それは、失業率の増大であり、自殺者の増加であり、何と、企業倒産件数は戦後二番目というありさまであります。その結果、サラリーマンの収入もますます減るばかりで、この五年間で月額四万三千円もの減少となっております。

 その上、雇用保険負担増を画策し、健康保険については大幅な負担増が強行されました。このため、小泉内閣が生まれた一年前と比べて暮らし向きが悪くなったと感じる人は、バブル崩壊後最悪の四割を超え、年金、収入、教育など、生活に不安を感じる人は、国民の八割に達しているのであります。

 小泉内閣が公約どおりのことをなし遂げたのは、国民の痛みを実現したということだけではありませんか。痛みの先にさらに痛みが待ち受けていると感じているのが、現在の国民の実感であります。

 その一方で、株価は低迷し、七月二十六日には、終値で九千五百円台に沈むという最悪の事態を招いています。財政赤字は相変わらず悪化の一途をたどり、本内閣の最優先の仕事であったはずの不良債権処理に至っては、全く進んでいないどころか、ますます悪くなるばかりで、国際的なひんしゅくを買っています。とんでもない状況であります。

 痛みは明確である一方、景気の先行きは不透明というのでは、まさに踏んだりけったりではありませんか。

 一体、こうした状況がだらだらと続いている原因は何でありましょうか。勇ましい言葉だけが躍って、実質的な改革政策をしっかりと行っていくことができない小泉内閣の無能力、さらには、それを認めようとしない無責任ぶりが、このような結果をもたらしていると指摘せざるを得ません。(拍手)

 第一に、我々が何度も指摘した不良債権処理の抜本改革を真剣に受けとめることなく、マスコミ受けするパフォーマンスを優先して、問題解決を先送りし続けたことです。経済は正直なものです。改革のできない政府のもとでは、活気が戻ることはあり得ません。

 第二は、構造改革は進まず、景気の見通しもない中で、国民の負担増だけが先行しているという点であります。こうしたことが国民に強い生活不安をもたらし、消費を冷え込ませ、それがまた景気の足を引っ張るという悪循環を生んでいるのです。

 第三は、財政赤字を解消し、国民の将来不安を取り除くという国家の大事を忘れていることであります。

 就任早々、国債発行枠三十兆円を提示して、果敢に財政健全化に向け挑戦するかに見えた小泉内閣だったにもかかわらず、無節操な財政出動を求める族議員に妥協して、補正予算を組み、今また、その枠すら取り払おうとしています。どうして、このような政府を国民は信頼できるでありましょうか。

 結局のところ、自民党をぶち壊すとまで豪語して見せた小泉総理が、次々と族議員と妥協を重ねては抜本改革を先送りし、マスコミ受けするパフォーマンスを優先させたことの罪は、極めて重いと言わざるを得ません。

 この通常国会終盤を迎えて、今改めて感じることは、小泉総理は、国民の期待とは裏腹に、しょせんは、政官業の癒着のシステムの上に立つ自民党の枠の中だけの総理でしかなかったということであります。

 今日の日本社会全体の沈滞は、突き詰めていけば、鈴木宗男問題に見られる利益誘導政治、帝京大学問題での自民党流の口きき手法、全く進まない不良債権処理に象徴される政官業甘えの構造から抜け出せない経済など、長年の間蓄積され、今日も依然として継続している自民党利権構造にあることは、明々白々であります。

 にもかかわらず、一連の政治と金にまつわる不祥事について、あなたは、一度としてリーダーシップを発揮することなく、これを見過ごし、周囲が解決に乗り出すまで放置してきたではありませんか。国民は、こうした総理の人ごと姿勢に責任感の欠如を感じ取ったばかりか、この内閣に自民党的体質を改革する行動力はもちろん、その気概すら欠けていることを知ったのであります。

 本気で改革する気概が少しでもあるのなら、総理自身が一たんは口にした、公共事業受注企業からの政治献金を禁止するという、国民にも最もわかりやすい、だれもが納得する改革をなぜやらないのですか。この程度のことも小泉内閣はいつの間にか投げ出し、物事に真剣に立ち向かう姿勢はどこかに消えてしまいました。この内閣はうさん臭くて信用できないと国民が感じ取ったのも当然であります。

 このような無気力は、中国・瀋陽総領事館事件にも端的にあらわれています。政府として、難民問題初め国際的課題にどう責任を果たしていくのか、この政権にはその方向すら見えません。リスクを冒してでも何をしなくてはならないのか、それが全く見えません。小泉内閣の外交姿勢に見えるのは、ただひたすらアメリカの顔色をうかがい、それに追従することだけであります。ここに一体、政府としての毅然とした姿勢を求めることがどうしてできるのでしょうか。

 目に余る政治と金の問題や、BSE問題、外務省疑惑問題、防衛庁の情報公開請求者リスト問題、そして、内容が余りにも乏しい有事法制の議論に象徴されるように、この内閣に決定的に欠如しているのは、政府としての責任ある統治能力であります。思いつきの勇ましい言葉を発することはできても、国益や国民の利益を基礎に、決然として、悪いものは悪いとして解決する能力がこの内閣には見えません。

 その一方で、小泉内閣が強行しようとしたことは何であったでしょうか。

 例えば、小泉内閣が用意した個人情報保護法案は、個人情報保護の看板とは裏腹に、お上の介入を許し、メディアを規制して、表現の自由を脅かす、平成の悪法と言われているものであります。主務大臣の権限が強大であり、取材・報道活動の萎縮を招いて、表現の自由を侵害するおそれがあると多くの専門家が警告を発しているにもかかわらず、そうした国民の声を無視し、内閣の法案として今国会に提出し、世間を騒がせた責任は極めて重いと指摘せざるを得ません。とうとう、与党の中からも先送りの声が出る始末なのであり、まことに無責任きわまりない政府の法案提出であって、まさに、反国民的な小泉内閣の姿を露呈させたのであります。

 この法案については、審議もほとんど進んでおらず、今国会での成立は不可能となっていることは明らかです。にもかかわらず、政府は、個人情報保護法制が全く整わないまま、本年八月五日に、住民基本台帳ネットワークの導入を強行しようとしています。

 そもそも、住基ネットの導入は、個人情報保護法制の整備が前提条件であったはずです。当時の小渕首相は、個人情報保護のきっちりとした処置をとらないまま実施することはないと言っており、与党の有力議員も、延期論の方が筋が通っている、住基ネットも国民に理解されていないとしているほどであります。

 そもそも、我々は、住基ネットシステムそのものに大きな疑念を抱いています。一つでもセキュリティーの低い自治体があると、その自治体から全国の個人情報が流出するおそれがある上、技術的にもネットワーク化したものへの侵入を防ぐことは事実上不可能とも言われているからであります。そんな代物をあえて強行する理由は一体何なのか、国民にはさっぱり理解できないのであります。

 小泉内閣はどこに顔を向けている政権であるのですか。なぜ、国民一人一人に十一けたの番号をつけて管理したいのか。その反国民的姿勢に、私たちは、大きな疑問と不安を抱いています。(拍手)

 ところで、一九九七年の健保法改正時、政府は、二〇〇〇年までに抜本改革を行うことを公約し、サラリーマンの窓口負担の一割から二割への負担増を実施しました。しかし、改革はすべて先送りされ、二〇〇〇年の抜本改革の公約はほごにされたままであります。当時の厚生大臣であった小泉首相としても、一体なぜ、九七年以来抜本改革の必要性が指摘されながら今日までできなかったのか、国民に説明する義務があります。

 そんなことには一切誠意を示すことなく、総理は、今度は、三割にしないと抜本改革ができない、改革がおくれると言い張っています。これは国民をだまし、愚弄する行為以外の何物でもありません。むだな医療費を削減することには手をつけず、医療業界におもねっては国民に負担増を押しつけるやり方こそ、歴代の自民党政府がとり続けてきた姿勢そのものじゃありませんか。

 小泉内閣は、有事三法案、個人情報保護法案、人権擁護法案など、広範な国民の強い懸念と野党四党の反対にもかかわらず、今なお、その成立を意図しています。しかし、私たちは、これらの法案の廃案を強く求めるものであります。

 もう国民は、小泉内閣のだまし絵に踊らされてはなりません。政治の基本は、結果責任であります。不良債権処理をやると言ったのなら、それをやり遂げることが政治の責任であります。構造改革なくして景気回復なしと口にしたのであれば、景気回復に結びつく大胆な改革に着手する、そのために、自民党の抵抗体質が障害だというなら、それと正面から対決するのが政治というものじゃありませんか。

 結局、小泉内閣は、どれも手をつけず、逃げ回り、その場その場を飾りつけた言葉で取り繕っただけであります。

 しかし、新しい世紀を迎えた日本には、解決しなければならない課題が山積しています。この解決に向けた行動力と統治能力を有した、たくましい政府が生まれない限り、この国の未来に希望を持つことはかないません。この課題の大きさを考えるとき、小泉内閣の現状は、百害あって一利なしと呼ばなければなりません。(拍手)

 以上が、無責任、人ごと主義、その場主義、そしてパフォーマンスだけで、改革を実現していく統治能力、政治力を全く持たない小泉内閣を信任せずの理由であることを申し上げ、私の趣旨説明といたします。(拍手)


 

忠犬純一郎、一歩前へ
忠犬純一郎、一歩前へ。
(あくまでもイメージです)

───────────

参考として、自殺率と検挙率の推移状況を示しておきます。

自殺率の推移
過去25年間の自殺率の推移
“スバラシイ”自民党政権の実績(苦笑)

検挙率の推移
検挙率の年度推移
検挙率は劇的に低下し続けている

  _
(キタノ)
ki@tree.odn.ne.jp
http://zirr.infoseek.ne.jp/
*
---- 北の系2005 ----