From: ki@tree.odn.ne.jp
To: shonen-k@npa.go.jp
Subject: 施行規則試案に対する意見
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警察庁生活安全局少年課 御中
意見募集担当者 様
2003年9月3日
「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則試案」に対する意見
氏名:北野 桂 (カウンター管理統制掲示板運営人)
連絡先:kita@sings.jp
「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則試案」に対する意見の募集がありましたので、インターネットユーザー各層の意見・議論をふまえ、個人の資格で意見を上申致します。
意見をご検討いただき、施行規則案の修正を求めます。
意見
「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則試案」(以下「試案」という。)については、以下のとおり、疑問があり同意できない。
従って、「試案」についてはこれを撤回した上で、必要かつ適切な加筆修正をされたい。
■ 総論
いわゆる「出会い系サイト」と呼ばれるサービスの定義解釈について、警察庁は、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律における「インターネット異性紹介事業」の定義について」の意見質問募集(平成15年7月 警察庁生活安全局)に対する国民各層からの諸意見質問に対し、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律における『インターネット異性紹介事業』の定義について」に対する意見の募集結果について」(平成15年8月警察庁生活安全局)において「警察庁の考え方」(以下「警察庁の考え方」という。)を示した。
しかし、当方が送付した意見・質問を含め、一般に理解され国民が納得し得る明快な回答はなされなかったと考える。
また、いわゆる「出会い系サイト」なるサービスの定義解釈において、電子掲示板の管理人、公告代理店、出版社など、関係人の見解と「警察庁の考え方」が一致しない可能性がある程度に、いわゆる「出会い系サイト」なるサービスの定義及び定義解釈は抽象的であることから、いわゆる「出会い系サイト」なるサービスではないと国民によって認められる活動が、いわゆる「出会い系サイト」なるサービスであると警察庁によって「解釈」され、法の適用を受けるおそれがある。
係る法適用における規範性の欠如状態は、「本法」第7条第1項に基づく公告規制を名目にした恣意的な出版規制、不当な情報流通規制を招くおそれがある。
だとすれば、そのような行政執行は、日本国憲法第11条、第13条、第21条、第99条に違反する可能性があり、現在及び将来の国民生活・民主主義社会に悪影響を与えるおそれがある。
前述のような法解釈の齟齬を発生させ、或いは憲法違反となりかねない状態を、「本法」によって予め排除され得なかったことは遺憾なことであるが、であれば尚更、係る問題を招くことが無い様、「本法」所管機関は、「本法」施行規則によって法運用の厳格な執行を求める内容の規範を示すべきであると考える。
以上の観点から、「試案」の白紙撤回・及び抜本的見直しが必要であると考える。
さて、当方は、2003年7月24日、警察庁に対し、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律における『インターネット異性紹介事業』の定義についての意見及び警察庁の見解についての“質問” 」を送付し、『インターネット異性紹介事業』の定義についての疑問と当方が求める定義解釈意見を示し、警察庁の見解を問うた。
以下、別紙1の通り、当該の文書の質問部分を列挙する。
[別紙1]-------------------------------
質問1 青少年の利用を想定したサイト開設者が「面識がある人だけ」を対象に投稿を制限していても、面識が無い人が面識があるフリをして投稿する場合は、サイト開設者は対処しようが無いのではないか? そのような処罰は理不尽なのではないか?
面識が無いフリをしている投稿と真に面識が無い投稿とを峻別する表現の基準を具体的に示していただきたい。
質問2 青少年の利用を想定したサイト開設者が「性的な感情に基づかない交際」を対象に投稿を制限していても、「性的な感情に基づかない交際」をしているフリをして投稿する場合は、サイト開設者は対処しようが無いのではないか? そのような処罰は理不尽なのではないか?
「性的な感情に基づかない交際」をしているフリをした投稿と真に「性的な感情に基づかない交際」とを峻別する表現の基準を具体的に示していただきたい。
質問3 青少年の利用を想定したサイト開設者が「性的な感情に基づかない交際」を対象に投稿を制限していても、「性的な感情に基づかない交際」ではじめた交際がサイト解説者の知らぬうちに「性的な感情」に発展する場合は、サイト開設者は対処しようが無いのではないか? そのような処罰は理不尽なのではないか?
「将来の異性交際希望者に発展する表現」とそうではない表現を峻別する判断基準を具体的に示していただきたい。
質問4 青少年の利用を想定したサイト開設者が「異性交際希望者」以外の者を対象に投稿を制限していても、「異性交際希望者」ではないフリをして掲示板等に投稿する場合は、サイト開設者は対処しようが無いのではないか? そのような処罰は理不尽なのではないか?
異性交際希望者ではないフリをしている表現と真に異性交際希望者ではない表現を峻別する基準を具体的に示していただきたい。
質問5 青少年の健全な利用を想定したサイト開設者が「不特定多数の異性の注目を集めるため記載」を制限すると、健全な投稿を削除しなければならなくなるのではないか? 不特定多数の異性の注目を集めない記載とは、具体的にどのような記載か?
「異性の注目」を集め得る表現と「異性の注目」を集め得ない基準表現とを峻別する基準を具体的に示していただきたい。
質問6 「多数」とは何人以上が「多数」なのか?
質問7 「不特定」を対象にした掲示板と「特定」した掲示板とを峻別する基準とは、具体的に何か?
質問8 真に青少年以外の者による投稿と青少年のフリをした者による投稿とを峻別する基準とは具体的に何か示していただきたい。
質問9 特定の二名のみクローズドな仮想空間で会話をする、いわゆるツーショットチャットは「インターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達」する「役務」に該当するのか?
質問10 多数のクライアントがゲーム空間を享有しつつ、特定少数のゲーム参加者がオープンまたはクローズドな仮想空間で会話をする、いわゆるネットゲームにおけるダイレクトチャットは「インターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達」する「役務」に該当するのか?
質問11 「インターネット上」とは具体的に何か?
質問12 LANは「インターネット上」に含まれるのか?
質問13 IP電話は「インターネット上」に含まれるのか?
質問14 ケーブルテレビ等のネットワークは「インターネット上」に含まれるのか?
質問15 いわゆる全二重パリティ無しのパソコン通信は「インターネット上」に含まれるのか?
質問16 インターネットとオンラインで接続されているパソコン通信ネットワークは「インターネット上」に含まれるのか?
また、物理的に接続されていてもオフライ ンになっている場合は「インターネット上」に含まれるのか?
質問17 FAXネットワークは「インターネット上」に含まれるのか?
質問18 電子掲示板ではなく、街角に不特定多数が利用できる伝言板を設置して、その伝言板をカメラで常時撮影してインターネット上でリアルタイムに映像放送する場合は「インターネット上」に含まれるのか?
質問19 インターネットとそうではないネットワークとを峻別する基準を具体的に示していただきたい。
質問20 公然性のあるチャットと公然性の無いチャットは峻別可能か? 可能だとすればその基準を具体的に示していただきたい。
質問21 公然性のあるチャットにおいて非公然性を作ろうとしているクライアントと非公然性を作ろうとしていないクライアントを峻別する基準を具体的に示していただきたい。
質問22 営利目的ではない健全な出会い系サイトを罰するべきだという世論が存在しているのか? そのような世論があるという証拠を具体的にお示しいただきたい。
質問23 他人や児童になりすまし児童誘引告知を書き込むことによってサイトつぶしをしようという悪意を持っている利用者による悪意の書込みまで想定して、サイト開設者に責任を問う法解釈は理不尽では無いか?
他人や児童になりすまし児童誘引告知を書き込むことによってサイトつぶしをしようという悪意を持っている利用者と悪意を持っていない利用者とを客観的に峻別するための基準を具体的にお示しいただきたい。
質問24 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の制定により、健全な掲示板開設者は、悪意の参加者による掲示板つぶしのために児童誘引文が書き込まれ、通報・逮捕・処罰される不安を持ち、健全な掲示板の閉鎖を考えなければならないと考える健全な開設者は少なくない。
他人や児童になりすまし児童誘引告知を書き込むことによってサイトつぶしをしようという悪意の参加者だけを排除し、悪意を持たない健全な参加者だけを、利用させるための方法を具体的にお示しいただきたい。
-------------------------------[別紙1]
別紙1の「質問」に対し、警察庁は、「「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律における『インターネット異性紹介事業』の定義について」に対する意見の募集結果について」 (平成15年8月警察庁生活安全局)の「警察庁の考え方」において、別紙2の通り見解を示し、あるいは示さなかった。
[別紙2]---------------------------
質問1について
どのような交際が「面識のない異性との交際」に該当するものであるかは、社会通念により判断することとなります。社会通念に照らして、通常、男女の性に着目した交際の相手方を求める目的とは考えられない試案の例示のようなものは、該当しません。
なお、インターネット異性紹介事業に該当するか否かは、そのサイトの個々の書込みによりこれを判別するのではなく、そのサイトが客観的にどのようなサービスを提供しているかに着目して判断されるものです。また、インターネット異性紹介事業に該当しないサイトを利用したことをきっかけとして、その利用者が「異性交際」を行うに至ったとしても当該サイトがインターネット異性紹介事業に該当することとはなりません。
質問2について
回答及び見解無し。
質問3について
回答及び見解無し。
質問4について
回答及び見解無し。
質問5について
面識のない異性との交際を希望する者がインターネット異性紹介事業の電子掲示板に記載する情報としては、試案に示したような、自己又は他の異性交際希望者に関する情報、交際を希望する相手の条件に関する情報、交際の方法に関する情報等がありますが、これらの情報は「不特定多数の異性の注目を集めるために記載する」ものと考えられるので、法律上の「その異性交際に関する情報」の説明として、そのように記載したものです。
質問6について
不特定多数とは、不特定又は多数という意味です。「多数」かどうかについては、社会通念により判断することとなります。
質問7について
回答及び見解無し。
質問8について
回答及び見解無し。
質問9について
回答及び見解無し。
質問10について
いわゆる2ショット・チャットやいわゆるネットゲームにおけるダイレクトチャットを呼ばれるものであっても、不特定又は多数の者がインターネットを利用してそのチャットの書込みを閲覧できるようにするサービスであれば、該当します。
質問11について
回答及び見解無し。
質問12について
回答及び見解無し。
質問13について
回答及び見解無し。
質問14について
回答及び見解無し。
質問15について
回答及び見解無し。
質問16について
回答及び見解無し。
質問17について
回答及び見解無し。
質問18について
回答及び見解無し。
質問19について
インターネットとは、インターネット・プロトコル(IP)と呼ばれる共通のルールに基づいて接続されたネットワークの総称であり、文字、音声、画像、動画といったさまざまな形式の情報が、IPと呼ばれる同じ形式で取り扱われることにより単一のネットワーク上で統括して利用できるようになっているものです。このようなインターネットを利用して閲覧できるようにするサービスが「インターネット上の電子掲示板」に該当します。
質問20について
「公然性を有するもの」とは、異性交際に関する情報を載せた異性交際希望者とこれを見た者との相互の連絡の内容を第三者が閲覧することができるものです。
質問21について
回答及び見解無し。
質問22について
回答及び見解無し。
質問23について
回答及び見解無し。
質問24について
インターネット異性紹介事業に該当するか否かは、そのサイトの個々の書込みによりこれを判別するのではなく、そのサイトが客観的にどのようなサービスを提供しているかに着目して判断されるものです。よって、客観的に異性交際希望者の求めに応じている実態があれば、インターネット異性紹介事業に該当します。
------------------------------[別紙2]
以上、別紙2で示される通り、「警察庁の考え方」は諸疑問の多数に対し、国民が納得できる回答・見解を示し得ておらず、いわゆる「出会い系サイト」が何であるかの定義解釈に不安を感じざるを得ない。
警察庁から回答があった部分についても、国民が納得できる満足な説明がなされたとは認め難く、施行規則において国民が疑問を払拭し納得できるような定義解釈運用について、具体的に記述すべきであると考える。 以下、警察庁から回答があった部分についての疑問を指摘する。
1 「面識のない異性との交際」の判断基準について
「どのような交際が『面識のない異性との交際』に該当するものであるかは、社会通念により判断する」という「警察庁の考え方」は、法令の用語の定義解釈を、抽象的、主観的、非原則的な「社会通念」に依存させるものであり、規範性に欠ける。
「社会通念」なる抽象的・主観的な判断基準を、法令解釈の前提と置くことは、憲法第13条、第21条に違反し得るような法解釈の齟齬を招き、社会的混乱を生むおそれがある。
2 インターネット異性紹介事業の該当性判定基準について
「警察庁の考え方」によれば、インターネット異性紹介事業の該当性判定基準について、「そのサイトの個々の書込みによりこれを判別するのではない」と書いているものの、「サイトが客観的にどのようなサービスを提供しているかに着目して判断される」としている。
しかし、この「警察庁の考え方」は矛盾しており、解釈者によってどうとでも解釈できる無意味な説明である。
> なぜなら、「サイトが客観的にどのようなサービスを提供しているかに着目して判断される」客観的な状況は、サイト管理者だけによって作られるものではなく利用者によっても作られ得るものである。
たとえば、掲示板開設者がテーマを設けず利用者の任意にまかせている掲示板では、利用者がテーマの無い掲示板でインターネット異性紹介事業を当該掲示板ではじめれば、その掲示板は開設者はインターネット異性紹介事業として開設運営したつもりではなくても、第三者にはインターネット異性紹介事業と認識される。
この場合、掲示板開設者をインターネット異性紹介事業者とすることは、インターネット異性紹介事業の実態からかけはなれているし、インターネット異性紹介事業としてはじめたわけではない掲示板開設者にとって理不尽な扱いである。
たとえば、趣味のサイトにおいて、趣味に関心のあることを装って掲示板利用者が掲示板開設者の意に反してインターネット異性紹介事業を始めるということはある得ることだが、こうした場合に掲示板開設者がインターネット異性紹介事業者とみなされることは、掲示板開設者にとって理不尽である。
係る理不尽な扱いについての不安を払拭するためには、警察庁が任意で変更し得る「参考事例」の公開という形ではなく、施行規則によって具体的に明示すべきであると考える。
3 「異性交際に関する情報」について
「本法」の「その異性交際に関する情報」について「警察庁の考え方」は、「不特定多数の異性の注目を集めるため記載」であるとしているが、これはあまりにも「本法」の解釈を拡大しすぎているし、抽象的であり、具体性・規範性に欠けている。
「異性の注目を集めるため」という内心の動機は、多様な心の感情であり、外部の者には伺い知る事が出来ない。したがって、これを基準となすことは、サイト開設者に心を読めと言っているのと同義である。
現実問題として、掲載されている情報が「不特定多数の異性の注目を集めるため記載」されているのかどうかを、掲示板開設者が、調査し、客観的に検証し、いわゆる「出会い系サイト」と判断されないよう掲示板開設者が「不特定多数の異性の注目を集めるため記載」だけを事前に排除することは物理的に困難
である。
インターネット異性紹介事業者ではない善意の掲示板開設者にとって物理的に困難なことを求めるような定義解釈は、不条理であり、理不尽である。
そもそも、「異性にモテる基準」は多様であり、客観的・科学的に証明可能な「異性にモテるための行為基準や方法」というものは存在しない。
異性の好意条件や性交条件の基準は、個人が多様であるように、多様であり、明確な基準は無いのであるから、「不特定多数の異性の注目を集めるため記載」を載せていない掲示板は、ほとんど存在しないと言っても良く、つまり結局は、立法者が規制を想定していない一般の掲示板の投稿が「不特定多数の異
性の注目を集めるため記載」と認定され、いわゆる「出会い系サイト」として規制を受けるおそれを排除しきれない。
また、「異性にモテたい」「性的、肉体的に合一したい」という感情や欲求は、児童であるなしに関わらずすべての人間が持っている本能的な、あるいは自然な精神状態であり、感情を持っている当人でさえ制御困難なものである。そのような感情を持っていない人間がいるとしたら、その者こそ人間として医学的に疾患がある状態だということは、医学的な疾病定義からも明かであるから、健康な者が処罰され、不健康な者が処罰されないという異常な社会がつくられ得る。
とすれば、誰もが処罰の対象となり得るから、「不特定多数の異性の注目を集めるため記載」を基準に該当性を判断することは、罪刑法定主義が求める規範性・特定性を満たし得ず、不適法と言わねばならない。
4 「公衆が閲覧することができる状態」について
「本法」の「公衆が閲覧することができる状態」について、「警察庁の考え方」は「不特定多数」と解釈し、「多数とは社会通念により判断する」としている。
だが、このような抽象的・非数値的な定義解釈をした場合、「多数の閲覧」とならないよう閲覧者を制限しようとしている善意のサイト開設者も、いわゆる「出会い系サイト」の事業者として認定を受けかねない。
なぜなら、サイト開設者が社会通念上多数と認められる閲覧者の上限を100人と判断して閲覧制限を施したことに対し、警察庁が社会通念上多数と認められる閲覧者の上限を90人だと判断するなど、「社会通念」の判断の差が生まれ得るからである。
係る問題を解決するには、「異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態」を避けようとしているサイト管理者が、サイト閲覧人数を制限する判断基準、すなわち「多数」と判断される人数を「数」で示すことが絶対に必要である。
当方が複数のサイト管理者と協議した中では、一日100人以上が「社会通念上の多数」として、サイト利用者を100人未満の「特定少数」に限定すれば法律上も児童犯罪防止上も問題無いと判断するが、もし警察庁の「社会通念上の多数」の認識が一日100人以上ではないならば、法的解釈としてその人数を明確にしていただかなければ、善意・善良なサイト管理者は、サービスを継続しながら「異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態」を避けることができない。
5 ネットゲームについて
「警察庁の考え方」は、「ネットゲームにおけるダイレクトチャットを呼ばれるものであっても、不特定又は多数の者がインターネットを利用してそのチャットの書込みを閲覧できるようにするサービスであれば、(「本法」上「公衆が閲覧することができる状態」に)該当します」としているが、児童を含め、ゲームを楽しんでいる者同士がゲームの話題で会話を楽しみ、親睦を深めることは通常、常識的に当然のこととして受けとめられていることである。
また、仮に、ゲーム空間において「出会った」青少年が息投合して現実空間において性交を含む恋愛関係を持つ可能性があったとしても、性交に対価を与えるのではなくネットゲームのサービスに対する対価なのであるから、児童にとって好ましくない環境を提供しているとは社会通念上認め難い。
もし、係る活動もいわゆる「出会い系サイト」として認定され、ネットゲームのチャットシステムを停止または制限しなければならないとすれば、ネットゲームプログラムの表現の自由、あるいはネットゲーム参加者の評論活動などの言論の自由を不当に制限することになる。
また、平成14年8月の「コンテンツ産業の現状と課題」(経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課)によれば、2001年国内市場規模はソフト3,685億円であり輸出額は2,532億円となっており、日本経済に大きな位置を占めており、具体的施策として活力ある市場環境の整備が必要だとしている。
しかし、年観5000億円(10年で5兆円)を上回る経済産業に対する萎縮をもたらしかねない警察庁の考え方は、コンテンツ産業政策と不当に矛盾・背反し、政策の整合性に欠けている。(政策整合性について警察庁が経済産業省の了解を得たという報告は承知していない)
したがって、ネットゲームにおけるコミュニケーション環境をインターネット異性紹介事業と同一視し得る解釈は、法解釈の不当な濫用であり、社会的、経済的、常識的に見て問題がある。
6 「インターネット」の定義について
「インターネット」の定義解釈について、「警察庁の考え方」は、「文字、音声、画像、動画といったさまざまな形式の情報が、IPと呼ばれる同じ形式で取り扱われることにより単一のネットワーク上で統括して利用できるようになっているもの」としている。
この警察庁の定義解釈では、既に100万を超えるユーザーを持ついわゆるIP電話も「インターネット」に含まれ得る。
だが、インターネット異性紹介事業ではない善意のIP電話会社によるIP電話サービスを使って、IP電話利用者があたかもIP電話サービス会社がインターネット異性紹介活動をしているようにインターネット異性紹介活動をなすことは技術的に可能であると承知している。
もし、IP電話利用者活動が、結果的に、インターネット異性紹介事業ではない善意のIP電話会社を「インターネット異性紹介事業」とみなされる状況をつくることになるとすれば、善意のIP電話会社は、インターネット異性紹介事業と判断されることを回避するために、IP電話利用者による通話内容を個別に監視し、インター青少年に対して異性紹介をしている場合にIP回線を切るなどの措置をとらなければならない可能性がある。
しかし、そのような措置は、日本国憲法第21条、及び電気通信事業法第3条及び第4条違反となるおそれがある。
つまり、インターネット異性紹介事業ではない善意のIP電話会社は、「通信の秘密」を定める憲法及び電気通信事業法と児童に対するインターネット異性紹介を禁ずる「本法」との板ばさみにあい、どちらの法に従っても、どちらかの法に違反することになる。かかる事態は、理不尽であり、施行規則において回避すべき問題であると考える。
*
上記の総論の問題および未解決のいわゆる「出会い系サイト」の定義解釈に対する疑問を総合的に勘案し、法目的を逸脱しない範囲で国民の懸念を払拭するためには、別紙3の内容を施行規則に盛り込むなど、施行規則において必要な措置を講ずるべきであると考える。
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[別紙3]
1 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の定義解釈については、違法・不当な解釈を排し、適切・厳格な執行を図るため、以下の規範に従うものとする。
2 「異性交際(面識のない異性との交際をいう。)を希望する者」とは、「インターネット異性紹介事業」をきっかけとして知り合うまで、お互いに全く関係のなかった、見ず知らずの関係であることを、当該サイトの利用前に、サイト管理者に自己申告し、サイト管理者がその申告が事実であることを確認している状態を指す。
3 「異性との交際」とは、男女の性交のことであって、かつ、当該サイトの利用前に「男女の性交を目的としている」旨をサイト管理者に通告し、サイト管理者がその通告が事実であることを確認している状態を指し、性交目的ではない交際や性交目的である事実を確認できない交際を含まない。
4 「求めに応じ」とは、「サイト開設者がサイトの運営方針として異性交際希望者の希望に応じることを明示し、且つ、異性交際希望者を対象として提供しているサービスを指し、サイト開設者がサイトの運営方針として「異性交際希望者の希望を満たすことが目的ではない」ということが明示していない場合は「求めに応じ」たものとは解釈されない。
5 「その異性交際に関する情報」とは「異性交際希望者」が不特定多数の異性の注目を集めるため記載する、自己又は他の異性交際希望者に関する情報、交際を希望する相手の条件に関する情報、交際の方法に関する情報等であり、かつそのような情報であることをサイト解説者に自己申告し、サイト解説者
がその自己申告が事実であることを理解している情報を指す。
6 「インターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達」する「役務」とは、インターネット上の電子掲示板に異性交際希望者の異性交際に関する情報を“掲示板開設者の許諾を得て”掲載し、一日あたり100人以上の青少年が自己申告により利用し閲覧していると確認できるサービスを指し、掲示板開設者によって会話の内容を知り得ない「ツーショットチャット」や、ネットゲームのホスト上で機能するチャットやIP電話は、「インターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達」する「役務」とは解釈されない。
7 「相互に連絡することができる」とは、サイト開設者が、異性交際に関する情報を載せた異性交際希望者とこれを見た者との間での一対一の連絡ができるようにしていることであり、かつ、サイト開設者が異性交際に関する情報を載せた異性交際希望者とこれを見た者との間での一対一の連絡ができるようになっている状態であることを事前に確認でき、かつ、異性交際に関する情報を載せた異性交際希望者とこれを見た者との間での一対一の通信が行われることを自己申告している場合において、サイト開設者が事前に確認して排除措置がとり得るにもかかわらずことをそのような状態を事前に排除していない状態のことを指す。
8 「事業」とは、反復継続的に遂行される同種の行為であって、かつ、営利目的を持ち、かつ、利用者から料金を徴収しているものを指す。
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■ 各論
以下、別紙 「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則試案」で示される個々の条文につき、各個に意見を述べ、提案する。
1-(1) について
「本法」第7条第1項で定められている「児童がそのインターネット異性紹介事業を利用してはならない旨を明らか」にする方法として、施行規則案1-(1)は「雑誌に広告を掲載したり、インターネット上でバナーにより広告を行うときなど(電子メールで行う場合は除きます。)は、児童が利用してはならない旨の文言を見やすいように表示」するものとしている。
だが、この条文では、誰が公告宣伝を行う場合なのかが明らかではなく、報道機関による報道や学術研究者による評価、あるいは善意の一般国民による通信など、第三者による正当または善意の第三者による通信活動を阻害するおそれがある。
また、公告を掲載する雑誌や地権者が「インターネット異性紹介事業者」として認定されることも考えられ、いわゆる「出会い系サイト」の公告とは無関係な雑誌掲載記事をつぶすため、雑誌出版者の責任を問わせるようとして出会い系サイトの公告を出稿するなと、法の悪用の可能性もゼロとは言えない。
係る問題を解決するため、施行規則案1-(1)に、「インターネット異性紹介事業者は」と加筆し、公告主体を明確に限定する必要があると考える。
1-(2)について
「本法」第7条第1項で定められている「児童がそのインターネット異性紹介事業を利用してはならない旨を明らか」にする方法として、施行規則案1-(2)は「広告又は宣伝を電子メールで行う場合は、電子メールの表題部に「18禁」と表示されるようにしなければならない」としている。
だが、この条文も、1-(1)と同様、公告主体が明確ではなく、責任主体が不明確であり、問題がある。
係る問題を解決するため、施行規則案1-(2)に、「インターネット異性紹介事業者は」と加筆し、公告主体を明確に限定する必要があると考える。
1-(3)について
「本法」第7条第1項で定められている「児童がそのインターネット異性紹介事業を利用してはならない旨を明らか」にする方法として、施行規則案1-(3)は「広告又は宣伝を音声で行う場合は、児童が利用してはならない旨をわかりやすいように音声により告げなければならない」としている。
だが、この条文も、1-(1)と同様、公告主体が明確ではなく、責任主体が不明確であり、問題がある。
係る問題を解決するため、施行規則案1-(3) に、「インターネット異性紹介事業者は」と加筆し、公告主体を明確に限定する必要があると考える。
2について
意見無し。
3-(1)イについて
施行規則案は、児童でないことの確認をする方法のひとつとして、「プロフィール入力画面や年齢確認専用画面に年齢欄を設けるなどして年齢又は生年月日の入力を求める場合には、その都度、入力された年齢又は生年月日により確認すること」としている。
しかし、「本法」では「児童でないことの確認をする方法」であって、「生年月日を確認する方法」ではないから、3-(1)ロで示される方法で足りる。
また、生年月日は、「個人情報の保護に関する法律」第2条で定義される「個人情報」であり、同法第4条において個人情報の収集は「目的の達成に必要な範囲内」に限られており、3-(1)ロで示される方法を採ることにより「本法」の目的は達せられているから、3-(1)イの方法は「個人情報の保護に関する法律」と矛盾・抵触する。
よって、3-(1)イは削除すべきものと考える。
尚、お誕生日プレゼントの実施など「サービスを実施する目的」で出会い系サイト事業者が任意で生年月日を求め、利用者が任意で応じた場合は、3-(1)ロに準じた「児童でないことの確認をする方法」として「認定」されるべきであるが、その方法を本法上の目的において施行規則で求める合理性は無いものと考える。
3-(1)ロについて
意見無し。
3-(2)について
意見無し。
3-(3)イについて
3-(3)イは、パスワード業務の第三者委託業務の要件として、「公益法人、特定非営利活動法人又は事業協同組合等であること」としている。
しかし、パスワード業務の第三者委託業務をさせるにあたって、「公益法人、特定非営利活動法人又は事業協同組合等」でなければならない合理的理由は無く、理由があったとしてもあえて施行規則で求める程度の理由ではない。
また、ネットワーク業務は、パスワード業務を行う業として行う営利法人や個人の営利活動によって大幅なコストの削減を実現されているケースがあり、そのようなIT技術を持った事業者の事業活動を保護育成する観点から、3-(3)イの要件は削除するべきであると考える。
3-(3)ロ(イ)、(ロ)について
意見無し。
3-(3)ロ(ハ)について
3-(3)ロ(ハ)は、パスワード業務の第三者委託業務者の要件として「本法第10条の命令を受けた日から起算して5年を経過しない者」とあるが、5年間の営業制限は企業団体活動としては「是正」しても意味が無いほど致命的であり、一回の是正命令の法律的効果は事実上の営業停止処分と考えられる。
行政的不利益処分として見た場合、司法における刑罰と比較して、3-(3)ロ(ハ)は量刑バランスに欠けており、このような規則をつくることによって社会の倫理的秩序に混乱をもたらすおそれがある。
よって、3-(3)ロ(ハ)は「本法第10条の命令を受けた日から起算して1年を経過しない者」とし、営業制限期間を短縮すべきである。
3-(3)ロ(ニ)について
意見無し。
3-(3)ハ、ニについて
意見無し。
4-(1)について
インターネット異性紹介事業者は、いわゆる書込みをする異性交際希望者が「本人であることを特定する事項の確認」をすることとしており、4-(1)はその方法として「転免許証等の提示を受け、住所、氏名、年齢を確認することにより行う」としている。
年齢については「本法」上の確認措置が必要なため合理性があると認められる。
しかし、「本法」が「本人を特定する事項の確認」することを求めている理由は、インターネット異性紹介事業者が「異性交際希望者が児童でないこと」を確認し、同姓同名の児童の利用を制限するためであるから、「異性交際希望者が児童でないこと」が確認できれば、「本法」が求める目的は足りると思われる。
また、「住所、氏名」は、3-(1)イの指摘と同様、「個人情報の保護に関する法律」第2条で定義される「個人情報」であり、同法第4条において個人情報の収集は「目的の達成に必要な範囲内」に限られている。本人を特定できる任意の情報を得られるにもかかわらず、あえて「住所、氏名」の個人情報の収集を求める当該「試案」は、「個人情報の保護に関する法律」と矛盾する。
したがって、4-(1)の「住所、氏名」情報の収集は削除し、「その他本人を特定できる任意の情報」と修正すべきである。
5について
意見無し。
以上が施行規則案に対する意見であるが、施行規則案では法の施行において、他の法律との衝突を起す可能性があるため、係る問題を解決するため、以下の内容ほ施行規則に盛り込むべきと考える。
1 「本法」第四条(保護者の責務)について
こどもの養育の責任は、最終的には親権者の責任であり、権利である。児童である子の異性交際をの態様に関する養育方針は、宗教上、民族上、思想信条上多様であり、一概に決定できない事柄である。
したがって、「本法」第四条は民法の親権者の親権を不当に制限し得るものと解釈されてはならない旨、施行規則において明記すべきである。
2 「本法」第五条(国及び地方公共団体の責務)について
地方自治体における青少年の育成の行政権は、日本国憲法第92条の地方自治の本旨に基づいて行われるものであり、地方自治の多様性を確保する観点から、地方における青少年政策を「本法」施行によって不当に制限し、地方財政を不当に圧迫し得る施行は除外すべきである。
したがって、「本法」第五条は地方自治体の自治権または地方自治体における青少年政策または地方財政の自立を不当に制限し得るものと解釈されてはならない旨、施行規則において明記すべきである。
3 「本法」第六条(児童に係る誘引の規制)について
「本法」第六条は、定義解釈の抽象性により、児童ではない者に対する誘引、あるいは児童の自己決定権としてなされる健全な恋愛、交際、性交を不当に制限し、児童の自己決定権を侵害する可能性がある。
したがって、「本法」第六条は、児童でない者に対する誘引または児童の自己決定権を侵害し得るものと解釈されてはならない旨、施行規則において明記すべきである。
4 「本法」第十条(是正命令)について
「本法」第十条は、定義解釈の抽象性により、インターネット異性紹介を望まない善意の電子掲示板開設者がインターネット異性紹介事業者とみなされ、サービス利用者の言論表現通信活動に不当な影響を及ぼす可能性がある。
したがって、「本法」第十条はインターネット異性紹介事業の利用者の言論表現通信活動を不当に制限し得るものと解釈されてはならない旨、施行規則において明記すべきである。
5 経過措置について
「警察庁の考え方」によれば、「施行後に本試案に記載している要件を満たしている場合には、インターネット異性紹介事業に該当」するとしているため、施行前の児童に対するインターネット異性紹介に該当する表現が施行後も閲覧できる場合には、当該サイト開設者は何らかの措置をとる必要があると考えられる。
この「警察庁の考え方」を受けて、一部の掲示板開設者は、いわゆる掲示板過去の記録(過去ログ)を一件ずつ精査して、児童に対するインターネット異性紹介事業に該当する表現があるかを自己検閲し、該当するものがあれば閲覧できないような措置をおこなっていると承知しているが、過去ログが数万、数十万、数百万という単位で残っている掲示板サイトでは、迅速な精査が困難である。
すべてのインターネット上の掲示板開設者が、すべての過去ログを完全に精査するためには、精査を開始してから最低1年間は必要であると承知している。
したがって、「本法」上、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することになっているが、過去ログが大量に残存している善意の電子掲示板開設者が過去ログ精査中に不当な扱いを受けることが無いよう、施行に際し柔軟かつ機動的に対応しなければならない旨、施行規則において明記すべきであると考える。
以上。
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