|
「お父さんのためのわかりやすい戦時管制報道用語講座」
(副題:限りなく不透明に近いネイビーブルー)
───────────
戦況会見においては皮肉なことに
「死体」と「殺害」という言葉は最大のタブーである
───────────
「早期決着を望む」
↓
「敵の早期殺害を望む」
「バクダット空爆」
↓
「バクダット空襲」
「爆撃した」
↓
「無差別に殺した」
「精密誘導弾により攻撃した」
↓
「目標を外れた爆弾もあったが目標に正確に到達した爆弾もあった」
「戦局は優位に進んでいる」
↓
「優位かどうかはわからないが、優位に立っていると敵と味方に思わせたい」
「敵は劣勢だと思われる」
↓
「敵が劣勢かどうかわからないが、敵は劣勢に立たされていると敵と味方に思わせたい」
「事態を慎重に見守っている」
↓
「事態がのみこめていないが、事態がのみこめていないことを敵と味方に知られたくない」
「前進した」
↓
「殺した」
「進撃した」
↓
「殺した」
「前進しつづけなければならない」
↓
「殺しつづけなければならない」
「順調に推移している」
↓
「順調に敵を殺している」
「作戦行動が順調に進んでいる」
↓
「敵を順調に殺している」
「少人数で抵抗しているが排除しつつある」
↓
「大多数の敵を殺したが、まだ生きている敵がいるので息の根を止めたい」
「成功した」
↓
「予定通り殺した」
「大成功だった」
↓
「予想以上に殺すことができた」
「制圧した」
↓
「全員殺した」
「ほぼ制圧した」
↓
「ほぼ全員殺した」
「抵抗が無くなった」
↓
「抵抗した者は全員殺した」
「一部を除いて抵抗が無くなった」
↓
「抵抗した者は全員殺したが、それでも戦いつづけている兵士がいる」
「戦闘の進展に満足している」
↓
「敵の死体が増えてとても嬉しい」
「敵は大きな打撃を受けた」
↓
「敵は大勢死んだ」
「攻撃の効果はまだわからない」
↓
「抵抗されて苦戦しているが、抵抗されて苦戦していることを敵と味方に知られたくない」
「事実はつかんでいない」
↓
「苦戦しているが、苦戦の事実は敵と味方に知られたくない」
「すべて順調だ」
↓
「精神に異常をきたして戦闘に支障が出ている兵士が出ているが、そういう事実を兵士が知ると急速に伝播するので知らせたくない」
「予想範囲内だ」
↓
「予想は外れたが、予想が外れたことは敵と味方に知られたくない」
「死亡した可能性がある」
↓
「事実はなにも把握していないが、死んだかもしれないと敵と味方に思わせたい」
「逃亡したか、米英軍の空爆で死亡した可能性も浮上している」
↓
「事実はなにも把握していないが、事実を把握しているかのように思わせたい」
「我々の行動は適切だった」
↓
「人殺しが適切であるはずが無いが、そんなことを議論していたら戦争はできない。組織的殺人が軍人の仕事だ」
「残念に思う」
↓
「軍はその結果についていかなる責任もとらない」
「遺憾に思う」
↓
「軍の行動によってもたらされた虐殺だということは認めるが、政府はいかなる責任も負わない」
「非常に遺憾に思う」
↓
「軍の行動によってもたらされた虐殺だということは認めるし、軍人の誰かが責任をとるかもしれないが、政府として責任をとることは無い」
「フセイン政権は崩壊に近づいた」
↓
「フセイン政権は健在だが、停戦を求めることは決してなく、何人殺してでも目的を達成したい」
「フセイン政権は崩壊に大きく近づいた」
↓
「フセイン政権は健在だが、停戦を求めることは決してなく、何人殺してでも目的を達成したい」
「フセイン政権の崩壊は間近となった」
↓
「フセイン政権は健在だが、停戦を求めることは決してなく、何人殺してでも目的を達成したい」
「フセイン政権の崩壊は秒読みの情勢となってきた」
↓
「フセイン政権は健在だが、停戦を求めることは決してなく、何人殺してでも目的を達成したい」
「我々は勝利するだろう」
↓
「我々は敵を殺すだろう」
「我々は勝利した」
↓
「殺すべき敵がいなくなった」
|