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---- 北の系2005 ----
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イラク戦争報道管制問題(その5)
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2003.4.2

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2003年3月31日 バクダッドで取材していたピーターアーネット記者
非国民的発言?を批判されテレビで謝罪させられた。
異論や反論を許さない空気が今のアメリカにはある。

イラクの戦場から情報を伝え続けてきたP・アーネット記者が「米英軍の作戦は失敗した」というような発言をしたところ、猛烈なバッシングを受けて謝罪させられクビになったという“事件”が起っています。

参考リンク
米記者「作戦は失敗」と発言、米NBCが契約解除 4月1日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030331-00000513-yom-int
<イラク戦争>アーネット記者を解雇 国営テレビ出演で米NBC 4月1日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030401-00002140-mai-int
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030401-00000140-mai-int
アーネット氏を事実上解雇 米英軍批判不適当とNBC 3月31日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030331-00000202-kyodo-int
米英の戦略が頓挫と発言 イラクTVで元CNN記者 3月31日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030331-00000091-kyodo-int
ピュリツァー賞受賞のP・アーネット記者、バグダッドから報道 3月27日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030327-00000184-reu-ent

現場にいる記者の見解は弾劾され、戦地から遠く離れた戦争支持者たちの見解がクローズアップされるという、ある意味異常な言論状況が、いまのアメリカにはあるようです。(日本でもありますが)

アメリカの言論の“空気”について、2003年3月19日、日本総合研究所の寺島実郎氏へのインタービューがアメリカの状況を、テレビ朝日のニュースステーションで伝えていました。
 

寺島「恐ろしいまでの戦争に向っていく空気の作られ方を非常に印象深く思っているのですが、私は20年ぐらい前からワシントンの中東関係の専門家とのつきあいがあるのですけれど、人が変ったような、目のすわったような雰囲気と言いますか、心の中にはいろんな多様な意見があるのですが、反対できない雰囲気で満ち溢れていると言いますか。

どうしてかというと、やはり9月11日のテロの衝撃。「不安と恐怖の国」に変りつつあると言いますか、猜疑心のようなものが非常に強くなっていて、開かれた国としてのアメリカの魅力がどんどん無くなってきている。不安と恐怖というのがまず潜在意識にあります。

そこへもってきて「悪と戦って何が悪い」という非常に単純で無邪気な傲慢さと言いますか、これはアメリカ流の「西部劇の心理」ですね。悪漢を懲らしめる保安官のような意識に燃えあがっていると言いますか。

しかもそれにメディアによるドラマ化と言いますか。例えば、子どもを戦場に送っているお母さんが出てきて心をうつようなドラマ化したストーリーが紹介されると。さらには地域ごとのクウェートから戦線に出ているような動向がレポートされていて、そういうウエットな感情が戦争に向う気持ちを更に盛上げていくといいますか。こういう雰囲気がいま、アメリカという国が戦争に向っている空気としてかもし出しているという状況だろうと思います。」

資料/寺島実郎氏へのインタービュー(全文)

かつて、大日本帝国がアメリカと戦争をしていた時代にも、戦争のドラマ化は行われていました。

出兵の時に、兵士や臣民の前で、兵隊の母親が兵隊に「お国のために一生懸命戦って死になさい」と言わせたり、子どもに「私も戦えるようになったらみなさんのもとに行きます」と言わせたりして、国民全体が戦争を支持しているかのような空気を作り出していました。

ドラマ化による戦争プロパガンダは、どこの国でも行われます。

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2003年4月2日 NHKの定時ニュース
隣国から電話で話しを聞いているだけのNHK出川展恒記者の“取材”
こんな報道は「現地取材」などではない!

「国策報道」という言葉があります。その国の政府にとって都合の良い情報だけを流す報道だけが戦時に政府から歓迎される状況は、イラクに限らず、どこの国にもあります。

大事なことは、国策報道が行われているからといって情報の自立をあきらめてしまうのではなく、メディアが民衆による統治に必要な事実を伝える民衆の奉仕者となるよう、不断の努力を続ける必要があるということです。


2003年3月22日 NHKが流した映像
この映像はアーネット記者を追放した米国テレビネットから
仕入れた映像だった。日本のテレビ局は映像情報の
“仕入れ先”を秘密にするケースが多い

小泉総理みたいに「世論は間違うことがある」と考える輩が、メディアの中にも少なからずいます。

記者だけではなく、民衆自身も、国策報道から自立する必要があります。

しかし、なにが国策報道かを自分で見ぬけなければ、国策報道から自立することはできません。


2003年3月23日 NHKが流さなかった映像
独立系記者が撮影したイラク南部の検問の光景

喜ぶイラク人はおらず、みな一様に緊張しこわばっている

どの情報が国策報道なのかを見ぬき、国策情報から自立するためには、国策から自立した情報源を民衆自身が手に入れ、あるいは作り出す必要があります。

たとえば「人間の盾」に参加した人の現地報告や、「市民戦争監視グループ」によるインターネットでの戦況報道は、既成メディアによって垂れ流される国策情報から自立する有益なツールとなることでしょう。

民衆の国策報道からの自立を抑圧するために、政府や政府を支持する人たちは、様々な法制度を準備しています。

日本では、戦地などから発信される情報の遮断をプロバイダーに義務付ける情報流通統制制度が提案される可能性が高くなっています。

健全育成をタテマエに作られる有害情報の排除制度や出会い系サイト規制、あるいはポルノ排斥をタテマエにして作らる条約の国内法整備などの立法は、戦況情報の国家統制として作られる「有事法制」にとって欠かせない法制度的な「礎石」となるでしょう。

情報統制の立法動向にも、わたしたちは注意を払う必要があります


2003年4月2日 NHKが流したアルジャジーラテレビの映像。
「人間の盾」を「人質の増援」として印象づけるよう
NHKはアルジャジーラテレビの映像を編集し直して紹介した。

余談ですが、「人間の盾」についての誤ったイメージが、戦前戦中を通じてテレビやニュースで多く流布されていることに、閉口させられます。

パレスチナ自治区にイスラエルが武力侵略し、アラファト議長のいた事務所をイスラエル兵が攻撃しようとした時、イスラエルの侵略を監視するためにパレスチナ自治区に来ていた海外の市民が、攻撃されようとしていた建物に集まりイスラエル軍を退却させたことが、「人間の盾」のルーツです。

「人間の盾」を“人質の増援”としてのみ理解したり紹介する人やメディアがいますが、そのような報道や理解は正しくありません。

「人間の盾」は、正しくは「戦争を監視し記録する人間のカメラ」です。

攻撃する側が監視を意識して撤退した場合にだけ「盾」として機能しますが、撤退せず攻撃したからといって「人間の盾」の本来の目的が失われるわけではありません。

2003年4月2日、NHKは、アルジャジーラテレビの「人間の盾」の映像を編集し直し、「人間の盾」が“人質の増援”であるかのようなイメージを与えるような映像を放送しました。

アルジャジーラテレビのオリジナル番組を衛星中継やインターネットで見ている人は気づいていると思いますが、人間の盾の活動が“人質の増援”だけが目的ではなく“戦争の監視”にあったことを示唆していました。NHKは情報を操作したのです。

偏向したイメージをくり返し流し、間違ったイメージを人々に与えるから、下記のような勘違いした人が出てくるのです。(このような人は一部の人だけだとは思いますが)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030324-00000019-kyodo-soci

「何のためにいるのか」 人間の盾、揺れる心境

 「何のためにここにいるのか分からなくなってきた」。戦争を止めようと、日本からイラクに向かった「人間の盾」。しかし現実に戦争は始まり、米英軍の攻撃は衰える様子もない。共同通信の電話取材に対し、メンバーの1人が23日、揺れる心境を語った。
(共同)


繰り返しますが、「人間の盾」の本来の目的は、戦争を監視し、記録し、告発する「人間の監視カメラ」です。「人質の増援」ではないですし、戦争を止めるための手段でもありません。だからこそ、軍当局や戦争支持者たちは、「人間の盾」を警戒し、なんとかしてミスリードを誘おうと必死なのです。

たとえば、アメリカ軍当局は、<イラク戦争>イラクは子供を「人間の盾」にしているなどと訴え、「人間の盾」が人質増援活動であるかのようなミスリードを誘っています。

「自国民を人質にしている」と言うべきところを「人間の盾」とミスリードを誘っている理由は、軍当局や戦争指導者にとって、政治権力や軍活動を監視する本来の「人間の盾」の活動それ自体を否定したいためです。

匿名掲示板で見かける「人間の盾に参加する奴はアホ」とか「政府に人間の盾の邦人保護義務は無い」などというミスリードにミスリードを重ねるバカらしい言論も、「人間の盾」の本来の目的を打ち消そうとする軍当局に同調しているだけと考えて良いでしょう。

「戦争監視カメラ」としての「人間の盾」の存在そのものを否定したい軍当局の思惑に、NHKをはじめとするマスメディアの多くが加担している状況を、私たちは理解し、ミスリードにのせられないよう自覚しながらニュースを読む必要があります。

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(キタノ)
ki@tree.odn.ne.jp
http://zirr.infoseek.ne.jp/
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---- 北の系2005 ----

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