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イラク戦争報道管制問題(その1)
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2003.3.24

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わからないことには「わからない」と言うことが、もっとも正確な事実の報道です。

「わからない」という認識から、すべての知は出発するのです。

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2003年3月22日、NHKによって流された映像

軍当局によって提供された情報が、大量に「報道」されています。

しかし、軍当局によって提供された情報の真実性が"メディアによって現場でどれだけ検証されているか"について、私には疑問があります。

たとえば、上の映像。

大英帝国軍統合参謀本部マイケル・ボイス議長が言う「すばらしい戦果」とは何でしょう?


2003年3月22日、NHKによって流されなかった映像
イラク南部Al-Fawにて英国軍人によって殺害されたイラク兵

この写真に映っていイラク兵二人は、塹壕の中で白旗を持っていたそうです。

しかし、塹壕の中で英国軍人によって殺されました。


2003年3月22日、NHKによって流されなかった映像
イラク南部Al-Fawにて英国軍人によって殺害されたイラク兵
死んだ兵士のつぶれた頭の近くに白旗がある!

白旗を持って降伏している兵隊めがけて攻撃して殺す。

それは「すばらしい戦果」ですか?

「すばらしい戦果」と表現した軍当局者の頭の方がスバラしすぎて涙が出ますよ!!


2003年3月22日、NHKによって流された映像

「イラクに入った米英軍を歓迎し喜ぶイラク人」と紹介された映像です。

でも、心から喜んでいるのでしょうか? クウェートやアメリカが雇った広告会社による演出はまったく無いのでしょうか?

彼らの目の前で捕虜を銃殺し、「こうなりたくなかったらカメラの前で喜べ」と命令して喜ばせている可能性は無いのでしょうか?


2003年3月22日、NHKによって流されなかった映像
イラク南部Al-Fawにて英国軍人によって殺害されたイラク兵

この殺された兵士の名前を私は知りません。

NHKや民放各局の記者は、この兵士の名前や人生について、調べたことがありますか?

調べてください、いますぐに!


2003年3月22日、NHKによって流されなかった映像
イラク南部Al-Fawにて英国軍人によって殺害されたイラク兵

この殺されたイラク兵士が、このあとどうなったのか、私は知りません。

兵士が死んだことを、殺された兵士の家族が知っているのか、家族は死体と対面したのか、対面した時どんな表情をしたのか、その家族がその後どんな人生を歩むのか、私は知りません。

英国軍は殺された兵士の身元は確認しているのでしょうか? 家族に連絡して送り届けたのでしょうか? 家族に賠償を支払ったのでしょうか? 殺した英国軍兵士と指揮官は戦争犯罪に問われないのでしょうか?

いま、私はなにも知りません。知りたくてもイラクには行けません。

この映像が、なぜ日本のメディアで流れていないのでしょうか?

なぜ現地で取材している日本の大手メディアの記者がひとりもいないのでしょう?

なぜクウェートや、ヨルダンや、空母キティーホークなど「攻撃する側の拠点」ばかりに日本の記者はいるのでしょうか?

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1991年の湾岸戦争の後、テレビ局の戦争報道に多くの批判がありました。

そのひとつは、軍発表情報にばかり依存し、その発表が事実かどうかを現地で検証しなかったという点です。

湾岸戦争の時、日本の大手メディアは、視聴者に極秘、かつ同意を得ずに、「現場取材撤退のための報道協定」を結びました。

湾岸戦争の前日、1991年1月15日に、日本新聞協会に加盟する新聞、放送局、通信社の外信部長は会合を持ち、特派員と記者の全員をイラクの首都バグダッドから隣国のヨルダンに退避させることを決め、16日にはイラクから報道協定を結んだ記者、特派員はひとりもいなくなりました。

日本の大手メディアは、アメリカのメディアと専用回線契約を結んでいました。NHKはABCと、日本テレビ(NTV)はNBCと、東京放送(TBS)はCBSと、フジテレビ(CX)はABCと、テレビ朝日(ANB)はCNNと契約を結び、アメリカ経由の映像がコピーされ、延々と流されました。

これが湾岸戦争の時にできた“アメリカ大本営発表体制”です。

今回のイラク侵略戦争の報道も、湾岸戦争の時と同じことが起っているのではありませんか?

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このような取材放棄は、ベトナム戦争にはあり得なかったことですし、海外では考えられないことです。

ベトナム戦争の時には、どこの社でも危険な戦場の現場へ足を運び「実際に目で見、耳で聞いたこと」が伝えられました。

産経新聞はいまでこそ右翼公報新聞の代名詞あるいはアホ呼ばわりされていますが、ベトナム戦争の時には近藤紘一(故人)というジャーナリストが現場から報道していました。当時はそういうジャーナリストと呼べる人がどこの新聞社、放送局にもいました。

本多勝一、藤木高嶺、石川文洋、開高健、それから忘れてはいけない銃弾に受けて殺された沢田教一といったジャーナリストたちが、現場で取材し、報道を続けました。

湾岸戦争の時、戦争主導国のアメリカでさえ、ジャーナリストたちは、自分の意思で現場に残りました。

アメリカのABC局、CBS局、CNN局、イギリスのBBC局、イタリアのRAI局。みんな記者はクウェートとイラクの現場に残って取材を続けました。

日本だけです、報道協定で取材放棄を決め、本社命令で記者を帰国させ、記者自身も取材を放棄して“大本営発表”を伝えているのは。

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もちろん、前回の戦争の時も、今回のイラク侵略戦争でも、数少ないフリージャーナリストがイラク現地に残って取材を続けていることは知っています。

また、そのような勇気あるジャーナリストの情報が、テレビ朝日のニュースステーションやTBSのニュース23で紹介されていることも、私は知っています。

しかし、残念ながら、そうした本来あるべき健全なテレビジャーナリズムは、圧倒的な"大本営発表情報"の前で相対的に、また量的に小さい情報となっていることは否めません。

現地ジャーナリストの情報をまったく紹介していないテレビ局、戦況報道番組も多数あります。

現地取材ができないのならなぜできないのか、どのようにできないのか、報道管制がどうなっているのか、どんな報道協定を結んでいるのか。

もっと詳しく視聴者に説明する責任と義務が、報道機関にはあるのではないでしょうか?

小泉総理の説明責任を問う局ならばなおさらのこと、自分のしている報道について、説明責任が報道機関にはあるはずです。

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日本のメディアには、日本政府をはじめ、様々な圧力がかかっています。

湾岸戦争の当時、NHKで解説をしていた山川暁夫大阪経済法科大学教授が「米軍は広島に弾薬を準備した気配がある」とNHKの番組で解説したところ、「金輪際、山川を出演させるな」と政府側からNHKに圧力がかかり、その後、「政治討論番組に私を呼んだ職員は責任を問われた」と山川暁夫氏は言っています。
(「噂の眞相」誌1998年2月特集6「約14年ぶりに真相が明らかになった墜落された大韓航空機事件の謀略」山川氏の発言参照)

“報道の信頼性”が高いとされるNHKも、ふたを開ければこのザマです。

このような圧力が、報道の"自粛"が、今回のイラク戦況報道でまったく無いと断言できるでしょうか?

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日本のテレビニュースはおかしい。

この戦争が起きていること自体がおかしい。

そう思いませんか?

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(キタノ)
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