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都情報公開審、猥褻取締要綱の非開示を決定
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2003.3.1

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AMI-MLより転載

Date: Wed, 26 Feb 2003 23:08:43 +0900
From: kitano
Subject: [ami-ml 2437] 都情報公開審、猥褻取締要綱の非開示を決定

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 北野です。

 警視庁が「わいせつ事犯取締要綱」に対する情報公開請求をほぼ非開示とした処分事件で、東京都情報公開審査会で異議申立が審議され、また、AMI有志が事実上の非開示処分を撤回する意見書の送付等の要請行動を行うことは、既に[ami-ml 2135]でお知らせした通りです。

 遅くなりましたが、この件に関するその後の動きを報告します。(報告が遅れたことをお詫びします。)

 1月20日、東京都情報公開審査会は、遺憾ながら異義申立人の異義申立と私たち有志の見解を退け、警視庁の見解をほぼ全面的に支持する「答申」を決定しました。異義申立人の実質敗訴です。

 都情報公開審査会がほぼ非開示を決定した理由は、東京都情報公開条例7条4号の「犯罪の予防・捜査を対象とした情報を非開示とする」との規定に警視庁の処分が該当する、とのことです。

 東京都情報公開審査会は、条例第九条の非開示文書の特例開示対象について

“公益上特に必要があると認められる情報”とは、開示することにつき、非開示情報の規定により保護される利益に優先する公益上の理由があると認められる情報をいう

との認識を示したうえで、

非開示情報において保護される利益(=捜査ノウハウを知られることによる取締りの影響)より優越的な公益上の理由があるとは認められない

と判断しました。

 東京都情報公開審査会の「公益上特に必要があるとは認められない」との判断は、警察を聖域化させないための最後の“歯止め”として設けられた条例第九条の「公益上の理由による裁量的開示規定」を、事実上、適用不能・無力化するものであり、条例立法者の意に反した“警察行政の絶対不可侵・聖域化”が都情報公開審査会によっ正当化されたと判断せざるを得ません。

 都情報公開審査会は「優越的な公益上の理由が無い」と判断しましたが、わたしたちの仲間がわいせつ罪の適用を受け逮捕され、罰せられようとしている現在、文書関連当時者である私たちが情報公開の必要性を東京都に訴えてもなお、「優越的な公益上の理由が無い」との判断を下したことは、不当であり、遺憾です。

 わいせつ罪の適用は、その法運用如何によっては言論・表現の自由等の基本的人権に影響をもたらし得る危険を有する警察行政活動であることは、わたしたちはもちろん、政府自身も認めることです。

 「わいせつ事犯取締要綱」の情報公開請求は、基本的人権に影響を及ぼし得る公権力活動を監視し、住民として警察行政政策の前提情報を得ることが目的ですから、かかる活動は民主主義社会にとって“最も優先するべき”公益上の理由とみなされるべき権利行使です 捜査ノウハウの保護を住民自治、民主主義、基本的人権よりも上位に置くべきとする東京都情報公開審査会の「答申」は、到底受け入れられる結論ではありません。

 情報公開請求運動それ自体は今後も有益且つ必要ですし、意義は失われていないと思います。

 しかし、今回の「答申」により、情報公開請求活動だけでは、わたしたちにとって本当に必要な情報は当面得られないという現実も、現実として受けとめなければならないでしょう。

 したがって、情報公開以外の活動によって、わたしたちが警察行政をコントロール仕組みを創っていく必要性があると思われます。

 異義申立て人が訴訟を提起するかどうかは、現在のところ不明ですが、訴訟に踏み切るというのであれば私たちとしても有形無形の支援は有意義なことだと思います。(4月20日までに公訴を提起しなければ処分は確定します。現時点では公訴を提起したとの情報は得ていません)

 もし、異義申立人が「答申」をこのままを受け入れる場合は、あるいは公訴しても勝訴の見込みがない場合は、「わいせつ事犯取締要綱」は現在の制度では得られないという前提で、わいせつ罪の“恣意的適用”に対抗する新たな運動を創らざるを得ないと思います。

 尚、情報公開支援運動の件で、賛意や支援を申し出た方には、この場を借りてお礼申し上げ、引き続きご理解とご支援をお願いしたいと思います。

■東京都
・東京都情報公開審査会の答申(第212号)について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2003/01/40d1k200.htm

 1 諮問の概要
 (1)諮問件名…「わいせつ事犯取締要綱の制定について」の一部開示決定に対する審査請求
 (2)非開示理由…東京都情報公開条例7条4号(犯罪の予防・捜査等情報)に該当するため。
 2 答申の骨子(結論)
  「わいせつ事犯取締要綱の制定について」において、一部開示決定により非開示とされた記載部分のうち、「取締要点」、「取締りの重点」、「取締対象」等犯罪の取締り、予防及び捜査等に支障を及ぼすおそれがあると認められる情報に係る部分については非開示が妥当であるが、様式の部分で報告先等、定型として記載されている部分については開示すべきである。


関連リンク
・東京都情報公開条例
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/01soumu/bunshoka/reiki_int/honbun/g1010214001.html

(公益上の理由による裁量的開示)
 第九条 実施機関は、開示請求に係る公文書に非開示情報(第七条第一号に 該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該公文書を開示することができる。


 余談ですが、インターネットの有害情報規制や出会い系サイト規制の政策を作っている複数の関係者が、かつて警察情報を聖域化する情報公開制度の策定にも関わっていた事実は、情報公開の無力化につながる政治的な動きが情報統制や漫画表現規制の動向とリンクしていることを示していると思われます。

(転載自由)
北野 桂
kita@sings.jp
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/
「選び得るだけでは自由ではない。選ばれるものを創り得ることが自由なのだ」


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(キタノ)
ki@tree.odn.ne.jp
http://zirr.infoseek.ne.jp/
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