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資料/国会/児童ポルノ単純所持規制について
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2003.2.11

児童買春・ポルノ処罰法の見直し年限を迎え、単純所持処罰が一部グループで検討されていますが、単純所持処罰については、制定時に国会で様々な議論がなされています。

たとえば、枝野議員は、三年経てばよいというものではなく単純所持そのものが悪であるとの国民認知が前提、との見解を示しています。

法提案者の大森議員も、「自己の性的好奇心を満たす目的」という所持者の内心にまで入り込む文言を前提にして禁止規定を設けるべきではない、との認識を示し、さらに、極めて違法性の強い禁制品という社会通念が今の日本社会にない現時点では刑罰を科すということは重大な問題、との認識も示しています。

また、法提案者の林議員も、国民全体に単純規制の必要性の認識が浸透し国民全体の理解があることが検討の前提だとの認識を示しています。

単純所持規制を盛り込んだ自社さ案を社民党議員として関わった保坂議員も、単純所持そのものを多角的にいろいろ見解を重ねていった結果だと思ってそれを十分に受けとめたい、との認識を示しています。

森山議員だけは、単純規制は必要との認識を示していますが、一方で「いろいろな配慮からいろいろな問題を考え、児ポ法から単純規制を削ることに私も納得している」とも言っています。

以上のように、森山議員を除いては、三年後に無条件で単純規制を導入しなければならないなどと主張している議員はおらず、温度差はあるものの、規制賛成派議員を含め、どの議員も規制を加えるには一定の前提条件を満たすことが必要との認識があります。

巷では、無条件で単純規制に向け改正が可能との議論が一部にありますが、こうした議論は自社さ案から単純所持規制が削除された議論や経緯を無視した極論と言えます。

私個人の意見としては、児童虐待を処罰することは当然だとは思いますが、販売目的所持ではない所持理由、たとえば芸術鑑賞目的所持を含めて規制する場合のように、多様な価値観の保持や内心の自由を不当に制限する形で単純所持の禁止規定乃至は処罰規定を設ける提案には、賛成できません。不道徳を処罰するのではなく、人権を剥奪する虐待行為を処罰するべき、との観点が必要です。

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第145回国会 衆議院法務委員会 第11号(1999/05/12)

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枝野委員 勉強会でいろいろな議論があったわけですし、今も繰り返し私が申し上げているしお答えにもあるとおり、もちろんケース・バイ・ケースで、ここがこうだからこうとは、全部言えるケースはあり得ないと思うのですが、若干危惧されているところがあるとすれば、今の、少なくとも、日本のいわゆる全国ネットをしているようなテレビとか、あるいは一般の書店でという言い方をしていいのかどうかわからないのですけれども、普通に売られている、普通の流通ルートに乗っているような部分というのは自己規制がある程度されていて、例えば十八歳未満は週刊何とかのグラビアなんかでも少なくとも胸を出したりとかしていなかったりしていますし、テレビなんかはかなり自己規制している。

 こういうところでたまたま、温泉場で映っているとか、まさにアイドルの男の子が上半身裸だったとかというようなケースは、つまり、従来普通に行われているケースはこれで処罰の対象になるということは、一般的には、普通にはあり得ないという理解で大丈夫だろうなと私自身は理解をして、それだったら、本当にそれ以外のおかしなところは処罰しなければならないということでやるべきだという結論になったわけです。これは、お答えまたややこしいと思いますので、そういう理解であるということでお話をさせていただいたということで、議事録にとどめていただくということでいいかなというふうにとめておこうと思います。

 それから、ちょっと細かいところになりますが、七条で、児童ポルノの頒布等というのが処罰の対象になっております。頒布、販売、業として貸与または公然陳列。確認になりますが、個人的な複製というものは犯罪として処罰する対象にはなっていないという理解でよろしゅうございますでしょうか。

大森参議院議員 七条では、児童ポルノを頒布、販売し、業として貸与し、または公然と陳列する目的のある場合を除いて、製造、所持、運搬または輸出入等は処罰されなくなっております。このような目的がない個人的な複製行為については、頒布等の目的での製造には該当しないというふうに考えます。目的によると思います。

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枝野委員 最後に、これは御質問というよりも、ここで議論を始めると、最後まで勉強会のところでもめた案件でありますので、こういった考え方も大事にしていただかないとということで申し上げるにとどめて、議事録にとどめておくということにした方がいいかなというふうに思っているのですが、検討条項が附則の中に入っております。

 先ほど私がこの質疑の中でも申し上げました、成績を上げるから性交に応じろとかいうケースをどうしたらいいのだろう。実際にこれを法規制しようと思ったら相当難しいというふうに直感的にも思っています。

 それから、実は、今答弁をいただいた、無償の場合の淫行行為を各自治体で規制している話というのをどう考えたらいいのか。この手の制度というのは、この法律もそうですけれども、全国一律で国が責任を持って本来やらなければならないものでありますし、何県だったらオーケーで、隣の県境を越えたらだめだとかということのあるケースというのは本来僕は違うと思いますので、そういったところも実はこれから考えていかなければならない。

 あるいは、対象年齢のところも考えていかなければならないというようなことで、まさにここに、法律で挙げておりますとおり、検討条項をしっかりつけておきまして、三年目途でしっかりとさらに見直しをしていくことが、つくるのにかかわってきた人間の責任でもあろうかなというふうに思っております。

 ただ、実は参議院の御答弁の中で、単純所持の禁止の議論というものがこの中に入っている。もちろん議論することを否定するつもりは全然ありませんけれども、余りこのことだけが強調されますと、単純所持がいい悪いという話ではなくて、実は従来まで少なくとも単純所持については否定をされてこなかった、法律上禁止をされてこなかった。つまり、違法でなかった。違法でなく入手をしてきて所持をしている人間が世の中たくさんいるわけです。

 所持していることによって新たな法益侵害が生じていないという中で、これからは新しく持ってはいけないですよ、新しく手に入れてはいけないですよということが、この法律が通ったら施行されるとしても、それから持っていた人たちに、三年間で持っていたものを全部探し出して捨てなさいということを国家として強要できるのかといえば、やはりそこはちょっと違うのではないかというようなことを今回の単純所持の議論の中で私は申し上げたつもりでおります。

 そういったことを考えると、三年ということが単純所持についての見直しをするのに果たしてふさわしい期間かどうかということになる。この法律がある程度行き渡っていって、こういったものをつくったり買ったりしちゃいけないんだなということが、この法律で初めてなるわけですから、ポルノについて。それが認知をされた段階であるならば、それはあり得ることは否定をしないつもりでおるのですけれども、それが三年というので余り早急にやった場合には、まさに国家が、持っているだけで新たな法益侵害を生じないことについて、無理やり捨てなさいということを強要することになるというのはちょっと無理があるのじゃないのかなというようなことについての危惧を最後に申し上げまして、重ねて、本当にいろいろ細かいことを聞いて、また答えにくいということは十分わかった上でお尋ねをさせていただきましたので、大変御答弁に御苦労されたということについても、おわびといいますかお礼を申し上げまして、時間が切れましたので終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

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第145回国会 衆議院法務委員会 第12号(1999/05/14)
池坊委員 次に、児童ポルノの単純所持についてお伺いしたいと思います。

 先進国、イギリス、オランダ、ドイツ、カナダなどでは、これを処罰するところが多くなっております。スウェーデンもことしから単純所持を処罰対象にするといたしております。つまり、児童ポルノの存在自体が子供の人権侵害だという考え方なんだと思います。日本では、プライバシーの介入といった意見が強く、この法案では外されていると思います。そのことについて、いろいろな議論がなされた結果だと思いますので、どのような経過を経たかを簡潔にお答えいただきたいと思います。

大森参議院議員 まず、この法律は、児童ポルノの頒布や頒布等目的での所持等の行為が、児童ポルノに描写された児童の心身に有害な影響を与えるのみならず、このような行為が社会に広がるときは、児童を性欲の対象としてとらえる風潮を助長することになるとともに、身体的及び精神的に未熟である児童一般の心身の成長に重大な影響を与えるものであり、また、児童ポルノに係る行為については国際的な対応が強く求められていることから、かかる行為を処罰するものであります。

 この趣旨から考えて、いわゆる単純所持というものを処罰するかどうか、非常に大きな問題となりました。自社さ案の方には出ておりました。

 それで、ほかの諸外国の例がございますけれども、ただ諸外国で、みんな同じ形で処罰しているところもあるし、処罰していないところもある。また、処罰しているところも、特に違法性の強いものに限って処罰するもの、あるいはその所持する主体が親とか監護者でないものとか、こういう違いがございます。それから、スウェーデンの場合も、たしか既にこの児童ポルノ禁止法案というのがありまして、その議論から続いて単純所持に至ったというふうに聞いております。

 今回、自社さ案では明文がございました。「何人も、自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持してはならない。」という規定がございました。刑罰法令でございますから、禁止行為というもの、特に違法性を問題として処罰するのであるならば、罰則を設けるだろう。そして、罰則を設けないのであれば、いたずらにこういう規定、特に「自己の性的好奇心を満たす目的」という、その所持している者の内心にまで入り込む文言がございますので、処罰しないのであれば規定を設けるべきではないだろう、こういうことになりました。

 それで、いろいろ議論しまして、まだこの段階では、例えば、それがいいか悪いかは別としまして、銃器とか薬物とか、こういうのは所持自体禁じておりますけれども、これと同じような禁制品、極めて違法性の強いものという社会通念が今の日本社会に出ているかどうかということが問題になりまして、やはり刑罰を科すということは重大な問題ですので、もう少し様子を見て、三年後の見直しのときに検討しよう。

 私たちが望むことは、この法案の成立、施行によりまして、児童ポルノは非常に違法なものなのだということを広く啓発して、また皆さんにこういう意識を持っていただいて、そして国民一般の皆様が、こういうものは個人であっても所持させるべきではないという社会的合意といいますか、これができましたときには処罰すべきであろう。その場合には、目的を余り記入しないで、何人も所持してはならない、こういう形になるのではないかというふうに考えております。

池坊委員 私も、そういう意味では、まず意識変革というのが必要と思います。

 先ほど申し上げたように、児童ポルノの存在自体が子供の人権侵害だという考え方は、日本人の中には全然ないと言ってもいいと思うのですね。ですから、まずそれを浸透させることが必要なのではないか。法律というのは、いろいろな段階を経なければ日常生活の中で機能をしてまいりませんから、今大森発議者がおっしゃったように、三年後に見直すことの一つに入れていただけたらなというふうにも思っております。

 それから、国際的には、コンピューター合成の疑似ポルノというのも規制の対象になりつつございます。日本では、コミックは、実在の児童が被害者でなければ対象外になっていると思うのです。

 インターネットなどで、頭部は実在の児童で、裸の体の部分をコンピューターグラフィックスでつくり、合成したものなどが流れておりますけれども、このような行為は、この法案ではどのように処理されていくのでしょうか。

大森参議院議員 ちょっと整理させていただきます。

 まず、コンピューターグラフィックスなどの合成写真ということですね。これは、児童の姿態そのものは存在するという前提でございましょうか。

池坊委員 つまり、顔はその少女である。つまり、全体が写された場合には、これは当然に対象になりますよね。ただ、それが合成されていて、顔は少女の顔だけれども、体がちょっとグラフィックになっている、だからそのものではないということ。あるいはその逆で、顔はちょっとぼけていて、体が全部その少女の体。いろいろな合成がこれからできると思うのですけれども、そういう場合には、この処罰の対象というのになるのでしょうか。これから巧妙にいろいろな策を弄してくると思いますので、それについてちょっと御説明いただきたい。

大森参議院議員 児童ポルノとは、実在の児童の姿態を描写したものであります。したがって、絵の場合にもなり得る場合もあるというのは、それが実在する児童の姿態を描写したものであり、性欲を刺激もしくは興奮せしむ、これに当たる場合に、「その他の物」に入り得ると理解しております。

 それから、今おっしゃったように合成写真等とかですが、実在の児童の姿態が頭部のみである場合には、その頭部の部分のみでは、第二条第三項各号の児童の姿態に当たると認められない限り、児童ポルノには当たらないというふうに考えております。

 それから、この問題につきまして、前回、実は木島委員の方から質問をいただきまして、合成写真を利用したいわゆる疑似ポルノについては児童ポルノには当たらないというふうなお答えをいたしました。それで、一部正確でありませんでしたので、改めて述べさせていただきます。

 この法案では、児童ポルノとは児童の一定の「姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」をいうとされておりまして、ここに言う児童とは、十八歳に満たない者、すなわち実在する児童を意味します。

 今回の法案の中では、外国の立法例にあるような、疑似ポルノについて明文の規定は置いておりません。したがって、写真等が実在する児童の姿態を描写したものであると認められない限り、児童ポルノには該当しないことになります。

 ただ、合成写真等を利用しました疑似ポルノの中には、実在する児童の姿態を描写したものであると認定できるものもあると考えられ、このようなものについては、今回の法案の児童ポルノに当たり得ると考えます。

 ですから、先ほどの御質問ですと、顔が少女で、体が何か全然違うもの、これは各号に当たりにくいと思います。

 それから、体がまさに実在する児童の姿態でありまして、多少手が加えられている部分があるかもしれませんが、その描写物が実在する児童の姿態と認められる場合には、このポルノに当たり得る場合もあるというふうに考えます。

 それから、どういう場合がというのは、具体的な事案における証拠に基づく事実認定の問題となりますが、実在する児童について、その身体の大部分が描写されている写真等を想定いたしますと、そこに描写された児童の姿態は実在する児童の姿態に該当いたします。その写真に描写されていない部分に他人の姿態をつけ加えて合成したとしても、ある児童の身体の大部分を描写した部分が実在する児童の姿態でなくなるわけではない。当たる場合もあり得る。

 非常に複雑な説明になりましたが、こういうことです。

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佐々木(秀)委員 一応そのように伺っておきます。

 それから、先ほど来他の委員からも御指摘がありましたように、これが刑法との関係で、特に児童に対する性的な犯罪、処罰も重くなっているというようなこと、あるいは犯罪類型としても構成要件的にぴたっといくのかどうかなというようなことから、これが濫用されるおそれはないんだろうかというようなことがありますね。

 例えば、児童ポルノの販売目的の所持だとか製造だとか運搬、これが禁止をされ、違反をすると処罰をされるということになるわけですが、そういうことが、例えば憲法二十一条二項の検閲の禁止に触れないか。つまり、原稿の作成だとか印刷段階だとかあるいは映画だとかビデオの撮影段階がこの販売目的の所持、製造、運搬禁止ということに触れないとは限らないのではないか。そうすると、今言ったような後者の段階でも強制捜査の機会が生じるのではないかというようなおそれが指摘をされたりするわけですね。そういうことから、第三条では「国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。」こう書いてあるわけですね。

 そこで、これはむしろ法務省にお聞きをした方がいいのかと思いますけれども、私が今挙げたような例のほかに、ここで心配されている国民の権利の不当な侵害のおそれというのはどんなような事例が考えられるのか、そして、それに対する歯どめとして、この法律で賄えるのかどうか。先ほど、第九条関係では、過失の立証責任は捜査官の方にあるだろう、検察側にあるだろうというお話もあったんだけれども、私が述べたようなことからして、果たして立証可能なのかどうか、そんなことも含めて刑事局長にお尋ねをしたいと思います。

松尾政府委員 まず、憲法の問題といいますか、重要な問題である検閲になるのかどうかという、ここのところからお答えしたいと思います。

 最高裁の判例で、昭和五十九年十二月十二日に、検閲についての判例がございます。その判決での文言でございますが、検閲というのは何かということでございます。これは「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す」、これが検閲だ、こう判示しているわけでございます。

 この法案の第七条では、確かに頒布等の目的で児童ポルノの製造、所持、運搬等をした者について処罰するという規定になっております。これは「対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査」するというものでないことは、この法案の文言からも明らかでございます。判決に言う検閲の概念には該当しないということがまず言えるかと思います。

 それから二番目に、この法案が成立した際の運用等で、例えばその濫用のおそれとか、あるいは概念の混同等が生じて混乱することがないのかという御趣旨かと思いますが、例えば、本法案では、既存の刑法あるいは児童福祉法その他の用いている文言と同じ文言がございます。同じ文言は、当然のことでございますが、従来の解釈あるいは判例によってその内容が逐次明らかにされてきている部分につきましては、その判例の流れといいますかそういうことが実務に定着しておりますので、その趣旨を体して、あるいはその趣旨を尊重しながら運用するということに当然なろうかと思います。

 ただ、この法案では、若干のところにつきまして従来よりも処罰範囲を広げたことがございます。この法文上の文言あるいはその趣旨につきましては発議者の方から何回かにわたっていろいろな観点からの御説明がございました。我々捜査当局といたしましては、国会におけるそうした法文についての御論議、あるいは参議院も通じてでございますが、委員会でいろいろ交わされましたことについて、その趣旨にのっとりまして慎重に適用してまいりたいと思っているところでございます。

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森山委員 私どもが昨年提案いたしましたいわゆる自社さ案には、児童ポルノの単純所持というのが、罰則はないのですけれども禁止されておりました。しかし、今回はこれを削除したわけでございます。いろいろな配慮からいろいろな問題を考えまして、とりあえずこの案からは削ろうということになりまして、私もそれを納得しているわけでございますけれども、ただ、私個人といたしましては、結局、最終的に、所持をするということがいけないとされなければ根絶はできないのではないかという思いが残るわけでございます。発議者のお気持ちはどのようなものでございましょうか。お聞きしたいと思います。

林(芳)参議院議員 お答え申し上げます。

 森山先生御指摘のとおり、また森山先生御自身が一番よくおわかりだと思いますけれども、いろいろな議論の結果、こういう結果になったわけでございますが、午前中の質疑でもありましたように、この処罰規定を設けないでおくことに対してのいろいろな議論があったことは、御承知のとおりでございます。

 そこで、せっかくの御質問でございますから、午前中の質疑でもありましたように、これは所持自体がいけないことであるという認識がもっと広範に広まることによりまして、将来的にはこういうことも検討に上がっていかなければならないのであろうというふうに我々も考えておりますし、またそういうことに対する教育啓発を行っていくことが必要であろう、こういうふうに思いますし、また、一部では、指摘されておりますように、民間の団体等が自発的にこういうものを回収していっていただける、こういうようなことも大変に有意義であるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、この法律案が成立し、実際に運用され、児童ポルノに係る犯罪の摘発が進んでいくことによりまして、国民の意識を高める有効な方途になっていくのではないかというふうに期待をしておるところでございます。

森山委員 発議者のお気持ちを伺いまして少し安心いたしましたが、やはりこういうものを持つこと自体がいいことではないのだ、好ましくはないのだということを徹底したいものだと思います。ですから、この法律は、法律が成立しさえすればそれでいいというわけではございませんで、むしろ今まではいわば当たり前と思われていたものをいけないということで厳しく罰するということになるわけですので、一つの大きな意識革命の手段だというふうにさえ思うわけでございます。ですから、この機会に社会のその問題に対する認識を深めて理解を進めるという、幅広い、強力な啓発活動が一層重要であろうと思います。

 そして、さらに考えますと、既につくられて多く出回っております児童ポルノを持つことによりまして、それを放置しますと、その被写体となって、法のできる前に被害者となっていた子供の人権はずっとこれからも侵害され続けるということになるのではないか。そこまで考えますと、やはりこれは相当ゆゆしい問題である。この法律の趣旨からいいましても、そのようなものが一刻も早く皆様の、国民全体の意識として、好ましくないというふうにみんなが思うような、そういう社会にしていかなければいけない、そういうことを強く申し上げたいと思うのです。

 このようなことについて、発議者の皆さんも御賛成いただけるかと存じますが、念のためもう一度伺いたいと思います。

林(芳)参議院議員 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおりでございまして、先ほども御答弁申し上げましたけれども、この法律が成立していくことによりまして、委員御指摘のような、国民全体に認識が浸透してまいって、国民全体の御理解の中でそういう規定を検討できる状況が来ることを我々も望んでいることを改めて申し上げたいと思います。

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木島委員 そういう立場で運用されることには全く私は御異議ありませんし、そういう立場で運用していただきたいと思います。

 次の質問に移ります。日本人の国外犯を罰するというのは非常に大事な勘どころだということで、一点だけ確認のための質問であります。

 法案第七条第二項、第三項、児童ポルノ頒布等の罪でありますが、第二項は、前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノの製造、所持、運搬、本邦輸入、本邦輸出罪であります。第三項は、第一項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、また外国から輸出した日本国民も同罪だという規定であります。前項あるいは第一項という規定は基本条文でありますが、児童ポルノを頒布、販売、業として貸与または公然陳列罪でございます。

 そこで、確認ですが、七条二項、三項で言う「前項に掲げる行為の目的」あるいは「第一項に掲げる行為の目的」というものの解釈ですが、第一項だけ読んでいると、これは国内犯で、国内での行為なんですが、国外犯の適用もこの法の中に書いてありますので、外国での児童ポルノの頒布、販売、業としての貸与、公然陳列の目的も入る、七条二項、三項の目的の中には外国でのこれらの行為も入ると解釈してよろしいでしょうか。確認です。

大森参議院議員 第七条第二項、第三項は、国内で頒布等の行為をする目的のみならず、国外で頒布等の行為をする目的の場合も含むと解しております。第七条一項は、頒布等の行為について、それが国内で行われた場合に限定するものではありません。それから、第七条第二項の「前項に掲げる行為の目的」、または第七条第三項の「第一項に掲げる行為の目的」には、国外で頒布等の行為をする場合も含まれると解しております。

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吉川(春)参議院議員
 同時に、先ほど来、木島議員の御意見ですけれども、児童の虐待、そういうことを許さないという強い意思を示すためということであれば、例えばポルノグラフィーの所持そのものを処罰した方がいいんじゃないかとか、そういうのもあったのですけれども、それも自社さ案からは削ったという議論がありましたけれども、ともかくこの法案をスタートしてみて、そして不都合があれば見直すということで、第一歩という形でそういう立場をとったということを御理解いただきたいと思います。

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保坂委員 この法案では、児童ポルノの単純所持ということについてはこれを削除するということで合意が成立をした。その背景には、やはり単純所持そのものをめぐる、多角的にいろいろ見解を重ねていった結果だと思って、それを十分に受けとめたいと思います。

 法務省に一点だけ伺いたいのですけれども、そこを踏まえた上で、児童ポルノが持っている特徴として、例えば製造者を処罰しても、そのポルノが市場に流通をしている、あるいは大量に出てしまっているということ、まあ全面的に回収廃棄というのが理想的なんですけれども、これらに対する対応の知恵といいますか、その辺はどう考えられているでしょうか。

松尾政府委員 確かに、単純所持は今度の法案には盛り込まれておらないわけですが、そのほか、製造、その後の頒布、つまりそういう児童ポルノが流布する過程のいろいろな段階についての処罰規定が設けられているわけでございますから、そうした本法案の趣旨を十分に尊重しながら、積極的に対応していきたいと思っております。


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単純規制や絵画規制を外す必要性や自社さ案から削除されたう理由については、宮台真司参考人質疑の議事録を読めばわかります。下記関連記事の情報を参照してください。

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資料/国会/宮台真司参考人質疑

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(キタノ)
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