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国連安保理・パウエル君の紙芝居
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2003.2.11

国連安保理
「大義」をめぐる戦場と化した国際連合安全保障理事会。
出席したパウエル君の紙芝居に国際社会が注目?

軍事超大国アメリカがイラクに軍事的に勝利することは誰の目にも明らかですが、アメリカ政府にとって課題は「政治的勝利」を達成できるかどうかということなのでしょう。

「政治的勝利」とは、喩えるなら、強盗殺人しても処罰も非難もされない「大義」を得ることです。

そんなムシのいい「大義」を認めさせるために、パウエル君は国連安保理で紙芝居を演じています。

衛星写真
ノゾキ写真

田代まさし君もびっくりのアメリカの盗撮写真。

この工場にも査察は行われたそうですが、証拠は出てません。

なぜ証拠が出てこないんでしょう?

パウエル
「これが証拠だ!」とパウエル君

「イラクが隠しているから見つからないんだ! それが証拠だ!」とパウエル君。

「疑わしきは罰す」ですか?

盗聴記録
通信傍受記録

盗聴の成果って奴でしょうか。

「おまえの携帯電話は盗聴されている。おまえは犯罪の証拠を隠している」と言われたら、たぶんほとんどの人はびっくりして、盗聴なんかやめろと言うでしょうね。

パウエル
「おまえを監視しているぞ!」とパウエル君

軍事専用回線も民間電話回線も、有線だけ使っているわけではなくて、山間部なんかではマイクロ波を使って中継しているから、軍事通信傍受衛星を使えば世界中の通話を監視できるというわけです。たいしたもんだ。(皮肉)

日本政府はアメリカ政府の盗聴行為と無関係ではありません。日本がアメリカに提供している三沢基地に傍受施設があるという報告が欧州議会に提出されています。

アメリカが強盗団のボスだとしたら、日本は見張り役ぐらいの役割でしょうか。日本は強盗団から抜けだすべきだと思いますが。

参考記事:JCA/エシュロン欧州議会報告を評価する

化学兵器移動研究施設
こんな移動研究施設がある。たぶんある。
あるはず。あったらいいな。ないと困る。

化学兵器の移動秘密基地の想像図

想像図を出して決定的な写真はあえて出さないパウエル君。

パウエル君が歌うイマジン。「イメージしてごらん、そうすれば戦争も現実になるさ」。ジョン・レノンもびっくりです。「イメージしてごらん、そうすればイラクの石油はアメリカのものになるさ」

パウエル
「イラクは隠している!」とパウエル君

「見つかっていないがあるはずだ」「隠しているから見つからないんだ」「隠している事が証拠だ」と訴えるパウエル君。

ガタガタ言ってないで、アメリカが決定的証拠とやらをを出せばいいだけなんですけどね。

決定的証拠をわざと出さないところがミソです。

パウエル
「アメリカがイラクに渡した炭疽菌培地が足りねーぞ!」

「炭疽菌培地を隠している」とパウエル君。またかよ、アメリカの自作自演。炭疽菌培地って、どこかに隠していても施設以外の場所で何年か放っておけば使えなくなるそうですね。培養施設が稼働していない現在、培地はもう無効化されているかもしれません。

そんなに炭疽菌をつかってほしくないなら、イラクに炭疽菌培地を渡さなければ良かったんですよ、アメリカは。イラクに軍事援助したレーガン政権の関係者を査察したほうが良いのでは? たしかブッシュパパもいましたよね、レーガン政権に。

アメリカで起きた炭疽菌事件の被害者は、民主党の大物議員とリベラル的だった三大ネットワークのジャーナリスト。炭疽菌を同定する「株」は米軍関係が出所ということもわかってます。アメリカ国内で炭疽菌が製造されている可能性が高いことは明白でしょう。イラクよりアメリカ国内を国連査察した方が論理的ではないですか。

パウエル
みんなで殺せば恐くない?

「さあ一緒に戦おう! みんな戦費を負担してくれ! 戦争にYESと言ってくれたら分け前をやるよ」。

フランスは戦争突入に慎重と言われてますが、分け前ほしさに「やっぱり俺も戦うよ」と言うかもしれないですね。

もし「大義」がなければ、石油・軍需目当ての強盗殺人です。

国連安保理
暴力の連鎖の環をつなげるのか、断ち切るのか。

イラク大量破壊兵器開発の決定的証拠は出ずじまい。出せなかったというより、出さなかったのでしょう。

アメリカが決定的な証拠を出しアメリカ主導で開戦したくさん殺せば、この戦争はアメリカの戦争だということになり、戦争への批判はアメリカに向けられることになります。イラクを占領統治し民主化すれば、民主化されたイラクと周辺イスラム国との間に冷戦が生まれ、イスラム世界の批判の矛先はアメリカに向けられることにもなるでしょう。

それは避けたい、と米政府は考えている。だから、国際世論の批判が直接アメリカに向けられることのないよう、国連査察の結果に基づいて戦争を始めるという「大義」を手に入れるため、国連が決定的な証拠があると認めるのをジッと待っているのでしょう、アメリカ政府は。

パウエル
グラサンバージョンのパウエル君

決定的証拠はアメリカではなく国連が出す。戦争の大義はアメリカによってではなく国際社会の合意でつくられる。でも武力制圧と戦後統治=戦争利益の分配はアメリカが仕切り、世界を統治する。前世紀にアメリカの繁栄を築いた冷戦は中東で再現され、アメリカの繁栄は維持される。そういう政治的勝利のための戦略があるから、あんな紙芝居をやってるんでしょう、パウエル君は。ご苦労なことです。(皮肉)

もし、イラクが滅亡してアメリカ統治のもとで民主主義政府が樹立されたら、日本はどうなるんでしょうね。アメリカの分け前をもらえるといっても、アメリカに頭があがらなくなって戦費や民主化経費を何兆円も負担しなければならないでしょうし、石油輸入の七割を占める中東諸国からは裏切り者扱いされて孤立し、石油価格は上がるでしょう。新イラクと周辺イスラム国との冷戦で中東政情はさらに不安定になり、石油価格はあがるは対日本テロは増えるはで、日本の庶民は踏んだり蹴ったり。

生命の価値を金で量ることはできませんが、国益の観点から考えても、イラク戦争には利点が無いのではないでしょうか。

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(キタノ)
ki@tree.odn.ne.jp
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