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---- 北の系2005 ----
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資料/法制審議会刑事法部会第4回議事録
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2003.1.17

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法制審議会刑事法部会議事録の目次

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 法制審議会刑事法(国連国際組織犯罪条約関係)部会 第4回会議 議事録

第1 日時  平成14年11月21日(木)
                        自 午後1時33分
                        至 午後4時35分

第2 場所  法曹会館「高砂の間」

第3 議題
   いわゆる国連国際組織犯罪条約の締結に伴う罰則等の整備について

第4 議事 (次のとおり)

議事

● お待たせいたしました。ただいまから,法制審議会刑事法(国連国際組織犯罪条約関係)部会の第4回会議を開催いたします。

● 御多忙のところ,多数御参会くださいまして誠にありがとうございます。

 前回に引き続きまして要綱(骨子)の全体を対象として二巡目の議論をしたいと思います。

 前回お願いをいたしましたところ,複数の委員から検討事項を事務当局の方に申し出ていただいているということでございますので,本日はまず最初に,事務当局から検討事項の内容と論点等を整理したところを御紹介いただき,その事項について議論をしたいと思います。その後,残り時間との関連もありますが,今提出されました「討議の素材として」という資料,○○委員と○○幹事のお二人の名前のものがありますので,これを含めまして議論すべきその他の事項があればそれを御提示いただいて,その点についても同様の観点から議論を尽くし,二巡目の議論を終わらせたいと考えております。

 本日は,検討事項に関して修正の要否,修正すべきである場合にはその概要や方向性について,委員・幹事の方々の御意見をできるだけ集約することを念頭に置いて議論を進めてまいりたいと考えております。どうぞよろしく御協力のほど,お願いいたします。

 ただいま申し上げた議論の進め方につきまして,私の申したようなことでよろしゅうございますでしょうか。もし別段の御異議がなければ,そのような順序で審議を進めていきたいと存じます。

 それでは,事務当局から御説明をお願いいたします。

● 前回の部会の終了後,検討事項の案として,複数の委員の方々から,共謀罪の法定刑の問題があるという申出がございましたので,その点につきまして事務当局として論点等を整理し,作成した資料を本日席上に配布してございます。

 あと,○○委員,○○幹事の方からも,検討されておるというふうに伺っておったのですが,本日,直接資料等が御配布になりましたところでありますので,検討の順序といたしましては,事前に申し出ていただいた方から先に進めさせていただければと思います。

 法定刑についての検討が必要だという申出の内容といたしましては,「何とかなりませんか」というやんわりした申出と,あと,要するに現行組織犯処罰法6条が規定する営利目的誘拐の予備罪の法定刑が2年であるのに対して,原案ではその共謀罪が5年になるということで,余りに不均衡ではないか,そこの修正ができないかという御指摘があったところでございます。

 それで,まずこの共謀罪の法定刑の関係につきまして,これまで部会で意見的に述べられた事柄を,順不同でございますが,その概要を列記してみますと,「意見等」という欄に掲げた四点でございます。

 第一点は,今申し上げました組織的営利誘拐の予備の法定刑との不均衡の問題でございますが,この点につきましては,従前,要するに一見不均衡ではあるけれども,まず今回の共謀罪の法定刑を定めてから考えるべきであり,運用上さほど不都合はないだろうというお答えをしていたところでございます。

 第二点の法定刑が重過ぎないかということにつきましては,本日,その区分の修正等の議論の中で改めて検討すべきものと思います。

 三点目の,実行に着手されて刑が減軽された場合の法定刑の不均衡問題につきましては,これは法定刑と処断刑の違いがございますので,決定的な問題ではないだろうと,しかし留意しておくべき事柄かなというふうに理解しております。

 四番目のところは,事務当局からこれまで説明しておった中での重要なポイントとなるところでございます。

 初めに現在の要綱(骨子)における共謀罪の法定刑の定め方の基本的なところを確認させていただきますが,条約上の重大な犯罪に当たるものを特に重大な犯罪のグループとそれ以外のものに区分して,それぞれ5年と3年という法定刑を割り振ったわけでございますが,その区分の基準は,死刑,無期又は短期1年以上というもので,いわゆる原則的な法定合議事件といいますか,権利保釈の例外事由といいますか,そのようなメルクマールを用いたところでございます。その当てはめの結果といたしまして,御指摘のように組織的営利誘拐の予備罪との法定刑の不均衡が出たところでございますが,その他,極めて例外的な事態ではございますが,今日お配りいたしました資料の中にもございますが,配布した資料が二点ございまして,見出しの下のところに「有期の懲役又は禁錮が定められている罪」という二枚物と,「短期1年以上長期10年以下の懲役若しくは禁錮が定められている罪」という二枚物がありますが,その後者の方の表の「公職選挙法」という欄を御覧いただきますと,短期1年で長期が5年とか6年とかという珍しい法定刑の定めがあります。大変例外的な事態ではございますが,長期がそのように低いものにつきまして,原案の法定刑でいかがかという御指摘もあり得るかなと思ったところでございます。

 そこで,その法定刑に対応する罪のグループ分けの再検討でございますが,まずそもそも論として,法定刑の決め方として,外国法でいきますとイギリスやカナダのように本犯の刑と完全に連動させてしまうというやり方が論理的にありまして,法益侵害論との関係でいけば一番すっきりする面があると思うところでございます。この場合,日本風にそれを味付けし直すと,例えば未遂の刑を超えないとか,あるいは二回減軽できるとか,そのようなことが考えられるとは思いますが,いずれにいたしましても死刑とか無期とかの定めがある犯罪について見ると,かなり高い刑が言い渡せることになる,原案よりもかなり重くなる部分が生ずるという点が一つ問題かなと思うところでございます。

 もう一つは,現行法上,予備罪,陰謀罪等の幾つかの規定がございますが,それらの法定刑の定め方を見ますと,必ずしも本犯の刑との連動性が合理的に説明できるような状況にはないということもございます。

 そこで,共謀罪の対象となる重大な犯罪を幾つかのグループに分けて,一定の法定刑を割り振った方が適当かなということに戻ってきますが,その場合,新しい考え方として,本犯の刑の長期の方を基準にして二つとか三つに区分し直すということが考えられるだろうということでございまして,「想定可能な区分と法定刑の例」ということでA案・B案二つ掲げてみました。

 A案というのは二分した案でありまして,死刑,無期と有期15年のところまでを一つのグループ,つまり,10年を超えると表現しますと,結局は上限なしの有期が今の刑の定めでございますので,15年と同じ意味になりますが,このような重い罪のグループと,4年以上で10年以下の軽い方のグループ,この二つに分けたらどうか,法定刑につきましては,今の案に合わせればそれぞれ5年と3年に割り振るということになるかなという案が考えられます。

 もう一つ,三つに分けてみるという考え方もあり得るだろうと。その場合には,死刑,無期のグループと,10年以上の有期のグループと,「10年以下」というのは間違いで「10年未満」と御修正願いますが,そのグループという三区分というのもあり得ると思います。

 いずれにいたしましても,それぞれのグループに入るのがどのような罪か,境界線上の犯罪がどのような性質・内容の罪で,あるいはそれらの罪にどのような予備罪などが現行法上既に設けられているか,それらとの均衡がどうかというようなことの検討が必要であります。もとより,既存の予備罪との均衡というのはあくまで目安でございますが,法制上の整合性という観点からはそれなりに重視すべき事柄であるということもまた否定できないところでございます。

 そこで,それを検討するに当たりまして,現行法上の共謀罪とか予備罪にはどのような法定刑が定められているかということを概観いたしますと,これは1回目の部会でお配りいたしました資料の6番に書いてありますが,ごく概要だけを申し上げますと,まず共謀罪と陰謀罪のグループがありまして,これは競馬法とかギャンブル系のものがある程度ございます。それらは共謀罪が2年以下になっていますが,これは本犯が3年以下という比較的軽い犯罪で2年以下がつけられております。

 それから,自衛隊法などで争議行為の禁止とか上官の命令に逆らうとか,そういう服務違反関係の共謀がありまして,それらの刑は本犯と同じで,3年,5年,7年となっています。

 あと,秘密探知とか秘密漏示のグループがございまして,これらは本犯が5年の場合には3年,本犯が10年の場合には5年などという一段階ないし二段階下げた法定刑が定められておるという状況でございます。

 それに対して,予備罪,準備罪の系統は,本犯の方は死刑,無期のような重いものもございますが,結論としては5年か3年か2年の刑が割り振られているのがほとんどであります。軽い方を見ますとサリンの製造予備などは本犯が7年で予備が3年。麻薬特例法の犯罪収益隠匿予備などは,本犯が5年で予備が2年です。この辺が比較的軽い罪につけられた予備罪かと思われます。

 あと,刑法上の予備罪は御承知のように2年以下のものがあるわけでございますが,これまた御承知のように改正刑法草案では,予備罪は,全体的に5年とか3年に引上げが図られております。

 次の問題として,そもそも予備と共謀はどちらが重いのかという議論が一つあると思うのですが,これは犯罪行為の自然的な発展形態を考えますと,単独犯であれば決意があって予備があって実行の着手に至るということでございますが,共謀の場合には,そのように共謀がなされてから予備があって,着手に至るというのがやはり一般的な形ではあろうかと思いますが,共犯の性質上,まずそれぞれ単独で予備が行われた後で共謀が行われて着手に至るということも十分にあり得ることでございまして,そういう意味で論理的な関係として共謀が予備の前とはなかなか言い難いと思うところでございます。

 それから,予備罪の場合は,実行の着手に向けて幾つか複数の予備行為が積み重ねられていくということがありまして,それぞれが予備罪に当たるという理解で,全体を包括一罪と評価するのかなと思うのですが,共謀罪の場合,どのようにそれをとらえていくかというのは余り論じられてきていないような感じがいたします。試論的に申し上げますと,継続犯的に考える考え方と,状態犯がだんだん進行して終了しない段階のような,窃盗で次々といろいろなものを一つの場所から盗んできて,一連の犯罪行為が終わらない状態といいますか,共謀した犯罪が実行に至るまでの間,どんどん共謀が発展し積み重なっていくような形を考えるとか,いろいろな考え方があると思いますが,いずれにいたしましても予備罪も共謀罪も実行着手の直前までの行為をカバーできる犯罪類型だろうと思われます。もしそのように考えることができれば,類型的に共謀と予備は軽重がつけ難くて,同程度の法定刑を割り振るというのが一つの帰結になるのかなと考えられるところでございます。

 もう一つの考慮要素は組織犯要件でございまして,これは現行組織犯処罰法にございますが,要するに,単純な予備行為,共謀行為と比べますと,組織要件がかかっている方が違法性が明らかに高いということでございますので,そちらが重いと考えるべきであると思います。

 以上を前提に,A案・B案あたりのところの法定刑としてどのようなものが考え得るかということを更に検討いたしますと,まず重い方の類型は5年のままにするのがどうかという点でございますが,これは組織的殺人の予備罪でありますとか,サリン等発散の予備罪等が5年以下になっていることなど総合考慮いたしまして,この5年は維持させていただきたいと事務当局としては思っているところでございます。

 そうすると,次に検討すべきは長期が有期になっている,15年ですね,有期になっている罪,これを上のランクにするか下のランクにするか,真ん中といいますかね。A案とB案との相違は,要するに長期が15年のものをどこに取り扱うかの違いが出てくるわけでございまして,それを検討するための参考資料が最初の方の別表でございます。

 もう一つのジャンルは,原案とA案との相違に係るものでありまして,短期1年以上で長期10年以下の罪,これをどこに当てはめるかということでございます。

 それで,まず重い方からいきますと,長期が有期である,15年である,これはどのような犯罪が含まれておるかといいますと,代表的な犯罪で申し上げますと刑法犯では強姦罪とか強盗罪,国外移送目的の誘拐罪などがあります。特別法では,化学兵器の製造,覚せい剤や麻薬の輸入,けん銃の輸入,このようなものが上限が有期の罪になっております。このうち,けん銃や規制薬物,覚せい剤,麻薬の輸入の罪には,5年以下の予備罪がつけられております。

 そのようなことを考えますと,長期が有期というものは相当に重い犯罪であるということが言えると思います。そして,これを一番上のランクか二番目にするかということで,二番目にするといたしますと,例えば3年ということにいたしますと,これは主要な規制薬物やけん銃の輸入について考えますと,それの予備罪は単独で行っても5年であるのに対して,組織的に共謀罪を犯しても3年にとどまるということで,これまた逆に若干不均衡が目立つのかなと,特にそのような犯罪の組織犯対策上の重要性にかんがみても,ちょっと目立つのかなという気がいたしまして,それが不適当であると考えれば三区分の案は,B案は適当ではないということになると思われます。

 次に,短期1年以上で長期10年以下の罪,どのようなものがあるかといいますと,刑法犯では代表的なものは公文書偽造行使でありますとか,問題となっておりました営利誘拐などがありまして,特別法では児童買春目的の人身売買でありますとか,けん銃の所持,譲渡,それから営利目的集団密航・収受とか,一部の麻薬の輸入,そのような罪がございます。この中で,例えば営利目的集団密航・収受などの罪には,2年以下の予備罪が定められていますが,他方,一定の麻薬の輸入には5年以下の予備罪がつけられているものもあるというような状況でございます。

 このような,短期1年,長期10年という犯罪類型を見ますと,そこに並べられている犯罪を見ますと,長期が有期懲役になっている,15年になっているものに比べると,やはり一段階軽い犯罪だなと思われるものが少なくない。例えば,麻薬の輸入関係でいきますと,単純輸入と営利目的の有無で10年と15年と区別されているというような典型的な事例もございますが,一段階明らかに低いものになっておるだろうと,そういうことが言えるかと思います。

 そういたしますと,そのグループにつきましては3年以下ということでいいかということになりますと,この場合には,相変わらず組織的営利誘拐の予備罪とは1年ずれが残っておるわけでございます。これをどう考えるべきかということにつきましてですが,考え方は三通りあると思います。一つは共謀罪の刑を2年に下げるというのがあります。もう一つは,組織的営利誘拐の予備の刑を3年に上げるというのがあります。もう一つは,1年のずれをのみ込みまして,将来的な予備罪の刑の水準の改訂が行われるような機会があれば,そのときに直せばいいだろうと,当面の運用上特段の不都合もないだろうと,今回の法改正の趣旨が条約の実施に伴うものというものをなるべく狭く解していけば,予備罪の刑を仮に引き上げるのが相当と考えても,それは将来の課題として残すという考え方はあり得るだろうと思うところでございます。

 私どもの方で論点として整理したのは,大体以上のような点でございますので,先生方の率直な御意見をお聞かせいただければと思います。

● ただいまの御説明について,補足的なお話を賜ることができるならばそういうお話をいただき,そのようなことがないとすれば,ただいまの御説明についての御質問,あるいは御意見の開陳をお願いしたいと思います。どうぞ,どなたからでも結構ですので,御遠慮なく御発言ください。

● 質問です。

 今は,どちらかというと組織的営利誘拐の予備との不均衡から考えていったような形の御説明の中で,短期1年以上で,かつ,長期10年以下の罪の説明があった中,薬物関係,特にあへんと,あと麻薬及び向精神薬取締法の罪のところに予備罪が5年になっているという話があったわけですが,A案ないしB案ということになってきた場合には,今度はこちらの方の予備罪は,組織的犯罪でなくても5年以下であるのに対して,組織的な共謀罪は3年以下になってしまうという不均衡が生じるという形になるという理解でよろしいのでしょうか。そしてまた,その部分についてはどのようなお考えなんでしょうか。

● 今問題になっておりますのは,例えば麻薬及び向精神薬取締法でいきますと,ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の輸出入,例えばそういうものでございます。これは,麻薬・向精神薬取締法が対象にしております規制薬物は,ジアセチルモルヒネ等とそれ以外の麻薬と向精神薬の3種類がありまして,今申し上げた順に強いものから弱いものに並んでいるわけでありまして,ジアセチルモルヒネ等につきましてはただいまのものより一段階上の法定刑が定まっておるわけでございますが,それと,それ以外の麻薬とあわせまして予備罪5年以下にまとめて規定されておるという状況になっています。つまり,ジアセチルモルヒネ等の輸入は1年以上有期,営利目的だったら3年以上無期であり,それ以外の麻薬の輸入は1年以上10年,営利目的なら1年以上有期なのですが,それらを全部ひっくるめて5年以下の予備罪が定められております。したがいまして,今問題になっているものは,5年以下と定められている予備罪の中では,どちらかといえば下の方に位置づけられてしかるべき性格のものという理解もできるのだろう,そういたしますと,法定刑の枠としては多めにとってありますけれども,実質的には上の方をねらっていないと考えれば,それほど不均衡は目立たないのかなと考えるところでございます。

 いずれにいたしましても不均衡問題は,あくまで目安でございまして,と申しますのも,例えば予備罪が定められていない罪についても共謀罪を全部作るわけでありますから,既に定められている予備罪を一つの目安として大体の均衡を考えていこうという,そのような考え方をとるしかないのだろうと思っております。

● 全くの直感的で恐縮ですけれども,この区分けはB案でいえば5年と3年と2年とある。確かに,実際には余りないのですが,4という数字というのは余り好ましくないのですかね。5年,4年,3年なんていうことも考えられないではないと思うのですけれども,そこら辺のところの感覚というのは我々分からないものだから,ちょっと伺いたいと思います。

● 4年というのは,本条約が採用しておる基準でございますが,現行法上も地方自治法とか幾つかの法律にその例はございます。4年の例があるかないかといったら,現行法上もあるわけでございますが,極めて例外的であるというのは御承知のとおりかと思います。

 それはそれといたしまして,この法定刑の5を4にするのか,3を4にするのかというのは,また別の問題かなと思いますが。

● いかがでございましょうか。直感的な議論でも結構ですし,将来注釈書を書くときに平仄が合わないと困るなどということがあるかもしれませんけれども。

● この論点ペーパーにも,外国法制との均衡をどのように考えるべきかというのもございまして,法定刑の話の中では,国際的に殺人の関係では何か御説明を前にいただいて,ある程度平仄も合っているような御説明もあったかと思うのですけれども,いわば組織的犯罪の−−非常にいろいろな罪種があるので言い難い部分が多いとは思いながら,国際的にも典型的な組織犯罪というような分類で見たときに,共謀の刑として不均衡なのかどうなのかみたいな観点から見るということはできないのかなということをちょっと思ったのですが。

 先ほど,短期の世界の中で,組織犯罪という観点で見るとけん銃の所持が当初5年という案から,こちらの案でいくと落ちてしまうあたりが,非常にけん銃捜査など組織犯罪として私ども取り組んでいる部分なので,ちょっとそういう印象を持ってしまったようなところがあるのですが,そういう物の見方としてはどんなことが考えられるのかなというような質問なのですけれども。

● けん銃とか薬物とか,組織犯罪に典型的なものに留意して法定刑も考えていくべきであるということはそのとおりだろうと思うわけでございますが,片や罪の長期は10年以下になっているという点では,やはり有期のものと比べれば一格違うという理解もまたできるのであろうということと,具体的にそれに当てはめられている法定刑が5年であるか3年であるかということで違いがあるのはもちろんでございますけれども,耐え難いほどの相違になるのかどうかというと,非常に多くの罪をどこかで切るという作業の中で,若干不満が残る部分も少しは出るかもしれないと思っております。

● もう一点申し上げますと,この組織的営利誘拐の予備というのは,これを御議論なさいました当時の国際情勢等,国際的な議論を踏まえたもの,それが背景にありながら,国内的な観点からなされたものというふうに理解できようかとも思われますが,今御指摘になりましたような薬物関係でございますとか,あるいは銃器とか,それ以外の犯罪もございましょうけれども,外国法制とのバランスをも考えますと,原案というのはその辺をかなり考慮した案であることは間違いなかろうと思われます。

 ただ,組対法にございます組織的営利誘拐予備の法定刑,これに着目して考えてみると,今回のA案とかB案というふうな考え方もあり得るのかということではなかろうかと思いますが。

● ○○幹事が御説明になったことは一応理解しましたけれども,やはり現行法上,組織的営利誘拐目的の予備が2年以下で,結局B案によっても共謀は3年以下という,これは動かないわけでございますね。それはやはり一国の法制度として,目に見える形でそういう齟齬のようなものを残しておいていいかどうか,やはり大いに疑問とするところでありますので,○○幹事も可能性として示唆されましたけれども,組織犯罪処罰法の6条1項2号の法定刑を3年に上げるという方向をもし考えるのであるとすれば,むしろ刑法の225条の2の身代金目的の誘拐の組織的な予備と合わせて,組対法の6条1項2号の組織的な誘拐の予備として法定刑3年というのも,整合性をとるために一つの考え方ではないかという気がいたします。

● 私も,最初の案を見たときは確かにちょっと不均衡,アンバランス,特に組織的営利目的誘拐の場合とアンバランスを感じて,そんなこともちょっと申し上げたりしたのですけれども,今改めて○○幹事のお話を聞いて考えたときに,組織犯罪の特殊性みたいなものも他方で考えられるのかなと思います。よく共謀というのは原動力になるというようなことを言ったり,昔何かの中で読んだことがあるのですけれども,要するに一番大本のところで原動力になるものを作ったということになれば,それに基づいて予備をした予備行為と,評価が違ってくるというのは十分可能なのではないかと,例えば,この組織的な営利目的誘拐の場合だとしても,仮に二人の人がいて,一人の人は予備行為だけに関与した,もう一人の人は共謀に関与しているというときに,当然予備行為をやった人の方が重いのだというふうに直ちに言えるかというと,むしろ原動力を作った共謀に関与した人間の方が重いのじゃないかという価値判断は十分可能なのじゃないかというふうに思うのですね。

 他方で,さっき○○幹事がおっしゃったけれども,営利目的略取誘拐の罪のこの規定は,刑がたしか2年になっていますけれども,これ以外の一般の場合はいわば刑がゼロなわけですよね。とすると,不均衡というのはもっと一般的に言えるので,共謀だけ処罰してその先に進んで予備は処罰しないのはおかしいじゃないかということになって,全部予備は処罰すべきだということになってこないかという,不均衡と言っていくと結局全部処罰,要するに共謀も処罰するのだったらそこより先に進んだ予備はますます処罰すべきだという議論になってこざるを得ないので,不均衡論というのはもう一回考え直したらよろしいのじゃないかという感じがいたしました。

● 今日が最後ではないわけですし,三巡目の議論ということもあるわけなので,お知恵を出していただいて,それを参考にしながらよりよいものを考えていこうというおつもりで,御遠慮なく御発言ください。

● 私も,刑の不均衡という議論というのは非常に難しいと思うのです。というのは,共謀という罪そのものが日本の刑法は余り原則的には考えていない建前のところに,国際条約で作れと言われて作るというふうになって,その作り方も一つ一つの犯罪を見ながら共謀をどう評価していくかという議論ではなくて,4年以上のものについては共謀罪一律に作れという条約上の要請があって,そこで何とか現行の法体系の刑罰とうまく合わせようと。それがA,B,Cの三つなのか四つなのか,二つなのかという議論はあり得るとしても,そういうふうにしてみても,刑法そのものの予備罪そのものも全部に一律つけているわけではなくて,それぞれの罪に着目して刑を決めていると思いますので,ですからそれ自体が重いものには重い予備とかいうふうに単純になっていないという御説明のとおりだと思うので,これは刑の軽重だとかいろいろ不均衡だとかいうことだけを議論してみても,名案は出てこないだろうと。もしやるなら,一つ一つ見ていって,これは何年にするというふうにせざるを得なくなるし,またそれが適当なのかどうかという議論にもなると思いますので,この辺はどういうふうに考えるかというのはなかなか難しいなというふうに思いますね。

 そういう中で,よりいろいろ工夫するとすれば,いろいろ問題はあるけれども少し区分を増やして,なるべく矛盾が少なくなるようにしていくというのも一つの考えだと思うのですね。罪ごとに決めるというのはとても難しいだろうと思うので,ある程度犯罪の重さを細かく細分化して決めていくというのも,一つの考えかなとは思います。

● 私も,今の○○委員の意見と全く同じであります。刑の均衡を考える上で,先ほどどなたか委員の方からありましたけれども,営利目的の略取誘拐の予備について3年以下にするとか,あるいは身代金目的略取誘拐等についてやはり3年にするという形というのは,今回の条約に基づく国内法化の議論をしているときに,現行法をいじるというのはやはり刑の均衡を考える上でもちょっとおかしいのではないかなと思います。やはり,条約の国内法化の中で議論をしていくのが筋であって,もしこれで今言ったような規定をいじりますと,先ほど○○幹事がおっしゃったように,ほかにない予備の部分との関係がかなり不均衡が生じてくると思いますので,やはりこの中で完結すべき議論ではないかと思います。

● 私も,今の御意見に賛成でございます。これは,もともと条約において重罪と軽罪という形で一般的な観点から法制化が要求されているものであると考えられます。そうしますと,罪質のとらえ方につきましてはそれぞれ国によっても違いますし,更に先ほど御指摘がありましたように,行為態様に応じて予備についても考慮されている犯罪類型も結構ございますので,ここでは一律に重罪か軽罪かという観点からの区分で乗り切る以外に方法はないのではないかと思います。

● 法制局的にはどうなのですか。前に,監獄法の審議のときに,これとこれの平仄がという問題で悩まされたことがあるのですけれども,このように国際条約の関係で対応するために犯罪類型,新しい構成要件を作るということで始まった議論だとすると,法制局ではどのように考えるのでしょうか。

● 全く個人的な意見でございますが,今,何名かの委員の方から出ましたように,条約の担保法だということを強調すれば,できるだけほかの,既存の法定刑はいじらない方がいいということになろうかと思うのですけれども,あくまで個人的な意見とすれば,その立法化に当たって,やはり整合性を保てる最小限の合理的な修正ができれば,それにこしたことはないのではないかという気もいたしまして,私は個人的には○○委員の意見に賛成なのでありますが。

● ○○幹事,何か良い知恵はないですか。

● 私は,もし予備が重いという感覚で何か整合性をとろうとすると,いずれにしても中途半端なおかしなものになると思うのですね。ですから,やはり共謀の重みというのを前提に考えるのだということでいえば,私は要綱(骨子)のような簡明なといいますか,ものに戻ってぽんとやる方が,むしろ首尾一貫しているのではないかというふうな意見です。

● ○○関係官,どうですか。昔我々も苦労したことがあったので,ふと思い出しました。○○関係官の方が多くの御経験をお持ちと思うのですけれども。

● 私は,できましたらちょっと○○委員のお考えを伺いたいと思います。

 ○○幹事から組織的営利誘拐ですか,これはたまたま予備罪が決められているのではないか,一般的に言えば今回の共謀罪の対象になる犯罪はたくさんあるので,そのほとんどについて予備罪の規定はないという御指摘があったと思うのですが,その点についていかがですか。

● 現行法上は,身代金目的誘拐の予備については刑法228条の2で2年以下の懲役という予備罪が定められておりますので,それは当然組織的に犯されれば組織的犯罪処罰法で本犯の方は加重されるという関係にある。予備罪について,225条の営利目的誘拐については予備が刑法上ございませんので,組織犯罪処罰法の方で組織的な予備について新たに処罰範囲を広げたという関係にあるわけなので,しかし組織的にやられることによって違法性が重くなるのだとすれば,それは身代金目的誘拐の予備も同じだろうと,それでもし営利目的誘拐の予備の組織的な遂行を3年に上げるのであれば,身代金目的の方も上げておかないと,これは説明がつかないだろうと。ですから,両方を入れて組織的犯罪処罰法の6条1項2号の方の罪を3年以下にすれば,その共謀と予備とが同じ3年以下ということで整合性があるし,そもそも営利目的誘拐の組織的な遂行というものが,組織犯罪処罰法の中に取り込まれたそもそもの理由からいって,一つの説明がつくのではないかというふうに考えた次第であります。

● 誘拐罪の範囲で考えますと,確かにお話のとおりだと思いますけれども,いわばマクロに見て,予備罪の処罰というのは全体としては例外的なので,今回の共謀罪の対象領域の方がはるかに広いということに着目しますと,一つ一つ予備罪とのバランスということを考えるのは,少しミクロスコーピッシュじゃないかと……。

● 私の言っているのは,全くのびほう策でありまして,しかしぱっと見たときに,同じ法律の中で,何条で予備は2年以下,次に共謀になるとなぜか3年以下というのは,いかにしても何か……。

 六法の違うところにあるのならまだしも,同じ法律の順次出てくる条文の中でそれだけの不均衡があるというのは,何となく放置し難いものがあるという,全くのびほう策でございますので,いつでも取り下げさせていただきます。

● それで,本日,お示しの修正案でありますが,長期を標準にして一貫しているという点で整合性が高いのではないか,原案の方は,@とAとの間で,一方は短期を基準にし,まだ一方は長期を基準にするというずれがあるような気がいたします。私は今日の修正案,A案・B案二通りございますけれども,どちらにしてもよく考えられた案ではなかろうかと思う次第です。

● 私も,法定刑の関係,いろいろと質問させていただいたものなので,その観点からしますと,今回お示しいただいた案はいずれも非常に建設的に検討されたものと受けとめることができるのじゃないかと思っております。

 それで,組織的営利目的略取誘拐予備との関係,なお3年と2年の不均衡がある,表面的には少なくともあるという形が残るということをどう考えるかは結構難しい問題だろうと思いまして,前にも申しましたように,実際に法廷でそれを理由に量刑不当とか主張されるとやはり気になるところではあるのですけれども,他方2年と5年という形に比べれば,それはそれなりの説明が事案によってつけることができる余地は大きくなるだろうと,そういう意味ではかなり改善されているのだろうと思います。ですから,そこでなお組織的営利目的略取誘拐予備の方をいじるかどうかというのは,これはかなり政策判断的要素が強いのかなという印象は持っておる次第です。

 むしろ,このA案とB案,どちらを選択するのか,これもかなり政策的要素で,どちらでなければいけないという話ではないと思うのですけれども,先ほど○○幹事もおっしゃられましたように,有期の懲役刑というのが上限になっている罪,これをどう見るかというのはかなり見る人によって評価が分かれる問題なのではないかなと,このあたりをやはり3年では軽過ぎると考えるのかどうかというのは,かなり議論の余地があり得ると。これを軽過ぎると考えるということであれば,B案は相当でないという意見になるのだろうと思うのですけれども,他方で,前回も申し上げましたように,処断刑であって法定刑ではないといっても,実行に着手になったときに減軽された場合ということを考えると,それをもし考慮に入れた場合にはB案ではその点は解消されているという面はございます。ですから,やはりA案・B案ともそれぞれ一長一短はあって,このあたりは政策判断,あるいはそれぞれの評価によっていろいろな意見があり得るところなのかなという印象を受けております。

● どれがいいかという最後の判断をしなければならなくなるのでしょう。そういう意味では御意見を聞かせていただくと,整理する方としても大変都合がいいわけです。実務家は実務家なりに,理論家はコンメンタールを書くときの知識を整理するという意味でも,いろいろ立場が違うと思いますが……。

● 私も,長期を統一した基準とする点で,修正案の方が妥当だというふうに考えます。

 A案・B案につきましては,先ほど有期の犯罪をどう考えるかという御意見があったわけですけれども,従来処罰されてこなかった犯罪について,条約を担保するために規定するものであるということを考えますと,私はB案の方が妥当であると考えております。

● 実務的な感覚から申し上げさせていただきますと,通常未遂減軽するというような場合には,長期の二分の一を減ずるという,そういう感覚なんですね。そうすると,そういう意味からすると,やはり今もお話にも出たように,長期を基準にして,これは減軽というわけではありませんが,感覚的に減軽の思想がそういう意味では一貫しているのかなということで,A案・B案は別としても,考え方は修正されたこちらの方が一貫しているかなという感じはいたします。

● 非常に大事な問題で,いろいろなお立場からの御意見も更に伺いたいと思いますが,少し頭を別の方向に切り換えるという意味で,○○委員と○○幹事から今日お出しいただいた案の御紹介といいますか,御説明を伺って,また先ほどの議論に戻るということはもちろんあり得るということでどうでしょうか。

● 皆さんのお手元に,今日配布ということで誠に申し訳ないのですが,いろいろ検討してきたのですが,なかなか難しくて,修正案という形で出すよりも討議の素材という形で出させていただいて,いろいろ御議論していただく方がよろしいのではないかと思って,私と○○幹事の二人の名前で出しました。

 第一からお話ししたいのですが,第一の一のいわゆる「組織的な犯罪の共謀」のところですが,これは今までの御議論がいろいろあって,条約の第5条の「金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のために」ということと,それから今までも少し委員の中からも議論が出ておりましたが,いわゆる合意にプラスして,「その参加者の一人による当該合意を促進する行為を伴い」と,こういうものを何とか法文の中に組み込めないかという問題意識を持って考えたものであります。

 「合意」という言葉を使おうかということでいろいろ検討もしてみたのですが,アグリーメントというのは,日本語としては犯罪の合意という概念は少し,悪いことをするのに合意する,「合意」という言葉はやはりちょっと感覚的に合わない,中性的な言葉だなという感じがあるものですから,どういう言葉を使うかということで,私どもの検討素材として出されている要綱では,「共謀」という言葉に変えているわけですけれども,共謀についてはコンスピラシーという言葉が別の条文には出てきていながら,この条にはそういう言葉が出てないということもあって,これがどういう意味なのか私どもは理解がなかなかできないのですが,そういうことも踏まえていることと,もう一つ,検討するに当たってこの条約とともに「共謀」という言葉が「共謀共同正犯」という言葉とともに実際は動いているというふうに私どもは理解しております。これは,弁護士的感覚なんですが,共謀共同正犯という場合の「共謀」は,理論的にはいろいろ,この前○○幹事の方からも御説明がありましたように,具体的な犯罪の計画ですとか打合せですとか,そういうものというふうに言われているのですが,実務で私どもの感覚では,弁護人としてついた場合に,「共謀」というのはかなり緩くとらえられているというふうに実感としてあるのです。その共謀共同正犯の「共謀」と同じだという言い方ではちょっとまずいのではないか,なんとか「共謀」という言葉でない言葉を使いたいという,これも一つの問題意識としてありました。

 そういうことで考えたのが,本日,御提案したもので,ほとんど同じなのですが,つけ加えているものは2行目の「不正な利益を図る目的で」という言葉を入れております。これは,この言葉が適当かどうかというのはなかなか難しいのですが,条約の単なる金銭的,経済的利益ではないということも含めたものではあるけれども,「物質的利益を図ることを直接又は間接に」という言葉を生かすものとしてこんなものを入れてみたらどうかと。

 それと,議論したのは「共謀」ではなくて共同して謀議する,「共同謀議」という言葉の方が,共謀共同正犯の「共謀」とちょっとニュアンスが違う感じになっていいのではないかと。講談社から最近出された類語辞典というのを見ますと,「謀議」というのと「共謀」というのとちょっと違ったように書いてあるということもありまして,一般社会では共同して謀議するという方が何か悪いことをしているというのですか,そういうようなニュアンスもあるということで,今までのと少し違うのだよということを含めた形にしてみたらどうかということで,第一の一については考えております。

 第一の二については,これは組織犯罪対策法のときの法制審議会の刑事法部会でも議論になったことだと思うのですが,この第一の二の方は組対法の方でも組織犯罪ではないのですね。組織を利する犯罪。ですから,個人的にも行えるというふうに言われていたものだと思いまして,これを議論をしたときのことも含めて,これは組織犯罪対策法の議論のときに,暴力団等が「シマ」ですとかいう言葉で言われる自分たちの権益の範囲といいますか,利益の範囲といいますか,そういうものを守るという,そういうことを含めたことに利する行為を処罰するのだというふうに言われていたと思うので,そういう観点からすると第一の二というのは条約が要求しているものではないのではないかというふうに私どもは考えたのです。そういう立場からすると,共謀という犯罪をなるべく日本の法原則と合っていないので,減縮して考えるという,日本政府が条約の審議過程で態度表明した,そういう立場を貫くということを考えると,第一の二というものは削除するという形でしてみたらどうかというのが,この第一に関する私どもの一つの提案でございます。

 第二については,この証人等買収について,条約の用語をそのまま使ったらどうかというのが私どもの提案です。「全文を次のように改める」というふうに書いてありますが,これは条約上の文言から暴行ですとかそういうものを除いたもので定義をするという形にしてあります。ですから,要綱に書かれている証拠隠滅とか偽造・変造,偽変造の証拠使用という形ではなくて,証拠の提出を妨害するという形で司法妨害というような形の罪というような形で決めた方がいいのではないかというのが第二の一の提案であります。

 それから,第二の二は,先ほどの第一の二のところで言ったことに関連しておりまして,条約でこのようなことが要求されていないというふうに考えておりますので,条約では第二の一があれば条約の要求を満たすのではないかというふうに思いまして,第二の二はあえて今回規定しないという立場でいったらどうかということであります。

 その次の一覧表は,配布いただきました資料そのものですが,第三の「犯罪収益規制等」で私どもとしては別表方式を条約が否定していないということですので,別表方式をとってみたらどうかということで,この別表方式をとるに当たっては以前に組対法の議論をするときに別表方式にするに当たって四つのメルクマールをとったというふうに○○幹事の方からも御報告がありましたが,この四つのメルクマールをやはり維持しながら,今回,条約で組織犯罪との関連性をなるべく広く拾おうという趣旨だというお話がありましたので,そういう観点を一つ五番目に加えて検討するという形で検討してみました。

 皆さんにお配りした罰則一覧の右側に−−左側に丸がついたりいろいろしていますが,これは検討過程でつけたりしたものですから,御覧いただかない方がよろしいのですが,右の方の「前提犯罪等(注1)」という欄のところにバツが書いてあるのは,別表方式をとる場合にこれは不要ではないかと,何も印がついていないものは,今回私どもとして別表に加えたらどうかというふうに考えているというものです。

 それで,三角のものがありまして,三枚目の裏あたりから三角がかなり出てくるのですが,前回抜かれている企業関係の汚職関係のものが一つ三角になっている。それから,もう一つは税法関係ですね。前回抜かれているのですが,税法関係のものを三角にしているということです。これは,入れるか入れないか少し議論をした方がよろしいのではないかというふうに考えておりまして,私どもも少しいろいろ日弁連の中でも議論してみたのですが,税法関係は組織犯罪にとって脱税等非常に重要なので入れるべきだという意見と,それは除いておいた方がいいのではないかという意見がありまして,かなり議論があったものですから,その点で税法関係は三角にしてあると。

 それから,そのほかの,例えば6ページの鉱業法の鉱業権によらない鉱物の掘採等というもの等については三角にしてありますが,このあたりは組織犯罪がどれだけかかわるかということがありますが,そういうことにしたと。

 あとは7ページで,公職選挙法等関係,それからほかのページにもありますが政党法の関係とか,そういうものを除いてあります。この辺は,私どもは除いた方がいいのではないかというふうに思ったのですが,公選法なんかを前提犯罪に入れるということであれば,またそれは一つの議論になると思いますが,そこまで条約の要求があるのかということで,別表方式で抜いても問題ないのではないかと。

 それと,自衛隊法関係,それから安全保障条約の関連のものについても除いてあります。こういうものの犯罪によるいろいろ出てきたものについて,前提犯罪としてマネロンの対象にするということは余り適切ではないのではないかということで,除いてあります。

 大体そういう観点で一連のものを規定してみたというのが,私どもの一つの素材として御提案したいというものであります。

● ○○幹事,プラスすることはないですか。

● 特にございません。

● それでは,今の御説明に対して何か御質問,御意見があればどうぞ。

● 常に文言解釈が気になってしようがないものですからお尋ねしますけれども,共同して謀議というのは,共謀とあえて少しニュアンスを変えてということは分かったのですけれども,そういたしますと具体的に共同して謀議をしたという言葉の定義はどのようなものになるのでしょうか。

● その辺が非常に難しいのですが,どういう言葉を使うかということで考えてみたのですが,一つはやはり条約の第5条の(a)の(@)にあります犯罪の合意プラス「その参加者の一人による当該合意を促進する行為」を伴ったものという気持ちなんですね。この共同して謀議というのがそういう言葉をうまくあらわすかというようなことは,我々の中でもいろいろ議論が出まして,そうも言えないのではないかという意見もあつたのですが,この際,あえてこういう新しい概念を作って,それがそういうものだということで規定してみるというのも一つの行き方ではないかということで,そのニュアンスということで入れてみたのです。

● そうしますと,多分私が危ぐしているところとは少し違ってくるのかなとは思うのですけれども,結局「謀議」という言葉を使ったときには,むしろ現在の共謀の解釈において,共謀のために謀議行為が必要であるかという議論がございまして,現在の判例の解釈上は共謀の成立のために謀議行為は必要はないと,要するに犯罪を遂行するお互いの合意が,相互の合意が認定できればいいのだという解釈になっておるわけですけれども,「共同して謀議をした」という言葉を使った場合には,むしろ個々の謀議行為を犯罪の構成要件として規定したという,そういう解釈を招く可能性が高いのではないかなと思います。ちょっと印象的ではあるのですけれども。そうしますと,今,御提案のあった趣旨とは少し違ってくるのかなという印象は受けます。

● ちょっと御趣旨をお伺いしたいということでございますけれども。

 「共同して謀議し」とございますのが,この言葉から申しますと共同謀議という一般用語,法令用語にはございませんでしょうけれども,それに触発されたということでおっしゃった点からしますと,結局のところ事前共謀に限るような趣旨かなと。

 一方で,オーバート・アクト,この条約で制限を付してもいいと言っておりますオーバート・アクトを含めているとしますと,この表現ではちょっと読みづらいかなという点と,結局のところオーバート・アクトについての定義づけはできないままになるのではないかというふうにも思われますが。日本法にない概念であるということから。

 それと,一つ手前にさかのぼりまして,「不正な利益を図る目的で」という要件がございますけれども,これは財産上でもないということではございますね。そうなりますと,一体どういう利益が含まれるというふうにここはお考えになるのでしょうか。

● 一つは,組対法の中にも「権益」という言葉が出てくるので,そういうものも含むという意味合い。ですから,経済的利益だけでなくて,そういう組織集団としての一つの利得−−と言うとまた経済的な方に走ってしまうので,組織として有利になるような,そういう類の利益といいますか,そういったものも含めていくということも射程に入れたいということでこういう言葉を考えてみたのですけれどもね。

● これは,そうしますと不正な権益の維持拡大というものを含んでおるということの御説明でございますけれども,そうしますと条約で想定しております直接・間接の物質的利益というよりは,かなりある面狭いような感じもいたしますけれども,その辺はどういう御理解を……。

● 条約の理解が余り我々はそんなにきちんとできているわけではないので……。

● 今,○○委員のおっしゃった趣旨,必ずしも限定的な意味ではないと思うので,条約が「金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的」と,こううたっていることを,国内法,つまり条約の受け皿を作るという意味ではそこの目的をむしろはっきりする形で入れてみてはどうかという,そういうことではないかというふうに思うわけでして,そこには経済的な金銭的な利益に限らず,条約の解釈の中に出てくるのかもしれませんが物質的利益の直接,間接の目的,つまり目的を明記することによってより一層条約に近づく国内法の受け皿ができるのではないか,そういう考え方ではないかというふうに思うのでありますけれども。

● そうだとしますと,ここで言う「団体の活動として」というのは,組対法の「団体の活動として」と同意義であるとすると,明らかに条約に言っておりますところの組織要件を超えていると言わざるを得ないと思われますが,その点はどのようにお考えでございますか。条約にできるだけ忠実ということであるとすると,ということですが。

● それは,逆に言うと,事務当局の苦心のところも我々としては大いに賛意を示して取り入れるという立場でありまして,今度の条約について,日本の立場としては条約にかかわるときに,日本の国内の法原則とは必ずしも両立しないのだということの立場からかなりいろいろな努力をされた,しかしこういう条約ができたという状況の中で,どういう立法を国内でするか,できる限り条約に忠実でありながら,そういう日本政府が今まで表明してきた立場をもある程度条約と相反しない限りでうまく取り入れるというのが,私は当然立法する場合の一つの在り方だというふうに思うのです。そういうふうに考えると,条約で目的を定めたり,この前から議論になっていますように第5条の1の(a)の(@)の「当該合意を促進する行為を伴い」という用語と,「組織的な犯罪集団」の間に「又は」というのがあるのは,「又は」というのは「及び」でもいいということだということもありましたので,そういうことも含めて,今回立法するに当たっては共謀という全く−−幾つかないとは言いませんが,これだけの罪に共謀罪をつけていくというのは,ある意味では新しい方向性でもあるわけですから,そういうときに日本の法原則とどううまくかみ合わせるかということだと,一つは事務当局が考えられましたようなそういう組織性というものを少しうまく入れていくという要素と,条約で言っている先ほど言いました目的行為とか,そういうものをうまく入れて,全体として条約を実行しているという形にしていく,これが私はとるべき態度ではないかというふうに考えております。

● そうしますと条約の要件で言っております組織性をある意味超えております日本の「団体の活動として」という要件をかぶせ,なおかつ可能な限りオーバート・アクトの要件をかぶせ,また不正な利益を図る目的という,これが間接の財産上の云々といっておりますところとは必ずしも文面上読めないというようにも思われますけれども,そういった制限を付すというお考えだというふうに承りましたけれども,そうしますとこの目的のない,報復等で組織的に多数の人を,例えばということで殺害する計画を,組織的な殺人ということで計画された場合には,国内法としてはそのようなものは放置してよろしいという,そういう考え方をとるべきだというのが提案された方のお考えでしょうか。

● 逆にお聞きしたいのですが,条約で言っている第5条の「この目的のために」というときに,純粋な報復でやった場合は入るのですか。

 今の議論は,どうも報復でといった場合でも,報復といっても例えば組織犯罪集団同士が相手の親分を殺すとか何とかいうような合意があったとすれば,それは純粋報復というよりも,やはり組織の利益を図っていくという何らかのものが立証できる可能性は十分あるわけで,そうなれば共同謀議として犯罪化するということは可能性が出てくるので,純粋なものがあるかと言われると非常に難しいなと思うのですが。

 組織犯罪同士が,そういう純粋なという場合に,そんな純粋なものを条約がわざわざ罰するということを決めてはいないのじゃないか,やはり条約もそこは射程に入れているのじゃないかと私は思うのです。

● 恐らく,もともと条約はそういう漠たる利益目的だろうと思われるのでありますが,今申し上げましたのは,発想と言いますか,日本の国内法であるということを考えましたときに,一体このような形でできることについて,実際日本国内で起きたときにどのように一般国民は考えるのかなという,その辺についてどのようにお考えなのかということなのでございますが。

 それから,必要的自首減免は,これは削除するという御趣旨でしょうか。

● いや,それはそういう趣旨ではありません。当該のところだけを直しております。

● もう一点。先の点で第二の一でございますけれども,ここに「証拠の提出を妨害する」というふうにございますけれども,これは証拠を偽造する,変造する,そのための買収というのはどのようにお考えなんでしょうか。この用語に含まれておるという御趣旨でございますか。具体的な中身でございますが。

● これは,先ほど言いました条約23条を原典にしておりまして,そこで「証拠の提出を妨害するため」という用語をそのまま引用したものであります。ですから,もちろん立法の在り方として偽変造の証拠を作るだとか,あるいは作らせるとか,あるいはそれを使用するというのはある種の立法の在り方としては考えられると思うのですが,今回,条約の国内法化といった場合については,証拠の提出といった場合にはその部分は入らない,証拠を出させないという行為というふうな理解をしているのですが。条約の読み方として違っていれば,これはしようがないのですけれども。

● ここは条約の解釈としては,虚偽の証言をさせるということとの関係もありまして,当然証拠を偽造させるための買収というものも禁止の対象になっていると考えるべきだろうと思っております。

 あともう一つは,証拠の提出を妨害するとだけ言いますと,要するに任意の提出を求められて,ただ単に出さないでねというのも全部入ってしまうということで,現在の要綱(骨子)の案よりは大分処罰範囲を拡大するだろうなという気がいたします。

● それは,「金銭その他の不正の利益を約束し」というところにつながりますので,そういうものがない場合については処罰はできないですね。

● ですから,買収するわけですね,金銭その他不正な利益の約束,申出,供与と。この証拠は任意には出さないでねと頼んでお金をあげるというやつが,この案では入ってくるわけでございますね。

● 今の案でございますと隠滅という形でとらえておりますけれども,任意提出しないようにという依頼をいたしまして買収することも入るという意味で,その意味では原案よりも実質的には広がるということになってまいろうかと思われますが。

● 不正な利益の目的のところでございますけれども,これは条約の解釈としては児童ポルノの例が挙げられておりまして,要するに性的な満足を得るようなものも含まれるというのが条約の確定した解釈−−注釈書にもそのように書いてありますけれども−−のようでございますので,それを「不正な利益」という言葉で果たして表現できているのかといったら,かなり絞り過ぎていて,このままでは条約違反のおそれがあるということと,要するにそのような性的な満足みたいな,満足感みたいなものも物質的利益に入るということになりますと,これを日本語にするのがとても難しくて,私どもはほとんど不可能であるというのが半分あったということと,もう一つは先ほど○○委員の方から言っていたように,仮にそういう○○委員は純粋なとおっしゃいましたけれども,何もそういう物質的利益目的もないような犯罪があるとして,これが団体の活動として組織により行うという非常に違法性の高い,結果発生の危険性の非常に高い類型に限定して国内法化をするのであれば,そういう目的の有無によって処罰をするしないのを分けるというのは,国内法制の在り方としてはちょっと説明がつかないと,条約の解釈,条約上最低限のところだけを立法化しようとすると,国内法的に到底説明がつかないのであれば,それは国内法化するに当たって当然必要な,最低限の修正は図るべきである,それが立法というものであろうと,そのように考えておったところでございます。

● 御趣旨はある程度理解できないわけではないのですが,そうしますとこの目的規定が全くなくなっていいかという議論になると思うのです。先ほど来た○○委員がお話ししていますけれども,私どもとしては,条約のあの言葉をほかにいい言葉がないかということで一応ここでは提案していますが,おっしゃられた趣旨でもしこの表現がそれを含まないのであれば,含めるような知恵を出していただければ,それなりの限定が図れるのかなと。

 それからもう一つは,このような目的を入れたのは,今回の条約については長期4年以上のものを例外なくすべて取り込むという形のものがありますので,やはりその部分については本来的には入らないものも入ってしまうということを押さえる意味でも,このような目的は必要じゃないかというふうに考えた次第であります。

● いかがでしょうか,今日出た案でして,委員・幹事諸君も少し考える時間が欲しい,あるいは○○,○○御両所としては,こういう異議がでるとは予想しないでいらっしゃったかもしれない。そういう意味で,15分ぐらい時間をいただいて,双方今日出た案についてもう少し,これでいいのか,これだと下手すると広がってしまうのではないかというような疑問も考えようによってはあるとも思われますので,ここで水入りをしてはいかがでございましょうか。

 もし御異議なければ少し休ませてください。

           (休憩)

● 再開いたします。

 せっかくの討議の資料が出てまいりまして,一通り御発言がないようでありますので,裁判官,あるいは検察官,学者として,この案に沿った条文ができた場合,今まで議論していた案とどういう点が違うのか,よりよいのか,それともちょっと広過ぎて困るのではないかとか,あるいは狭過ぎて条約の趣旨に合わないのではないかとか,それぞれの立場から御意見を闘わせて,よりよいものを作るのに御参考にしていただくという趣旨で御意見を賜りたいと思います。御遠慮なく御発言ください。

● 先ほどの「不正な利益を図る目的」に関連するのですが,団体の活動としてという概念は,これは立証するのに大変難しい点もあるのですが,本来的にいろいろな犯罪を行う行為が団体の意思決定に基づく行為であって,その効果又はそれによる利益が当該団体に帰属することということが「団体の活動」として組織犯罪処罰法に書いてあるのですが,先ほどの純然たる報復がどうかと言いましたけれども,団体としての活動ということを立証するに当たっては,それは犯罪の態様によって何の目的かということは,あるいは何の利益が出てくるのかということは違うかと思うのですが,そういうような具体的効果,利益が帰属することだというふうに認識していたのですが,それとの関係で不正な利益というのはそれ以外に何か更に加えて制約するものとして何かお考えになっておられるのかどうか,従来の組織犯罪処罰法の「団体の活動として」というのはそういうことも入っていると理解していたので,その辺ちょっと教えていただきたいと思います。

● 非常に難しい御質問をいただいたのですが,「団体の活動として」というのは,「当該行為を実行」というところにかかると思うのですが,概念的過ぎるのかもしれませんけれども,共同して謀議するという方向が不正な利益を図る目的,こういうことがあるかと言われるとなかなか難しいのですが。

● 団体としての活動で殺人を行うという場合に,私どもが考えているのは暴力団が暴力団の組織の維持とかいろいろな面で利権を確保するために行う殺人以外はちょっと予定していないものですから,当然それは単なる個人的な純粋なものはないのであろうと,立証する上では,ですね。ですから,それが前提としてこの「団体の活動として」とか「組織により行われる」ということが制約として入ったのだろうという理解。これは,従来の組織犯罪処罰法と同じだと考えるという御説明がございましたので,組対法の3条にこの団体としての活動はどういうものだということは規定されていて,我々は今既に施行され,現場で,わずかの件数でありますが大変苦労しながら立証しているものですから,不正な目的というのは私は本来そういうものが不正な目的だと思っていたのですが,加えて何かあるのかなということでちょっと分からなかったのです。教えていただければと思います。

● よく分からないですけれども,「団体の活動として」というのは必ずしもそういう利益,団体の利益ということがなくてもあるのじゃないですか。

● 3条で規定するような犯罪態様によって違うと思うのですが,それが団体に効果とか利益が帰属するということは,その団体のためにならないような殺人なり賭博なり,そういうものはないのではないか。

 我々としてはそれを立証しないと,ただ殺した,謀議があったというだけでは団体としての活動と立証できるのかということで現場は苦労しているわけですから。それ以外のプラスアルファというのをちょっと……。

● 立証の場面がどうかというのは抜きにしても,「団体の活動として」というのは中性的な概念は可能なのではないですか。その団体に何かが帰属するかしないかということとは抜きに,団体性を帯びたものというのはあり得るのじゃないですか。私はそういうふうに理解しているのです。

● 私が先ほど申し上げたのは,組織犯罪処罰法の3条に言う「団体の活動として組織によって行う」という意味で同じと考えてよろしいのかというのが前提にございます。たしか最初のころは,この御説明が考え方としてはそれだというお話だったような気がしたものですから,組対法3条であれば,あそこで言う「団体の活動として」というのは,その行った具体的行為によってその効果とか利益がその団体に帰属するということを前提にして,初めて団体の活動という概念ではなかろうかと思っていたものですから。全く違う概念として,「団体の活動として」というのがあるのであれば,これはまた別ですが。

● 要綱(骨子)で私どもが言っている「団体の活動」というのは,組織犯罪処罰法3条で「団体の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう」と定義されている,その意味で用いておるというのは前に御説明申し上げたとおりでございます。

● こういうのは抽象的議論で申し訳ないのですが,効果が帰属する,利益が帰属するという概念と,ある効果を目的とするというのは違う場面として両立するのではないかというふうに考えているのですが。だから,そこのあたりの違いがあると私は考えているのですね。

 例えば,先ほどの純粋報復というのが私どもの提案では入らないという反論がございましたけれども,純粋報復というのであっても,そういうものを考えたときに,効果は当然団体に帰属はする。効果とは何かという問題になると思うのですが,結果論として効果があるということになると思うのですが,そのことと,純粋報復でない,団体に何らかの利益を反映させる目的だというのと,両立するのではないかというふうに思っているのですが。

● 従来の3条の解釈がどうかということとも絡むので,そこら辺がどういうふうに理解したらいいのか。

 例えば,暴力団で,純然たる個人で暴力団の構成員が四,五人,全く組と関係ない個人的な恨みでやる場合があるでしょうから,その中ではここで言う共同して謀議ということなのかもしれませんけれども,それは組織犯罪処罰法の規定する組織的な殺人になるのか否かというところが,ちょっと。それとも絡むのですけれども,どうなのかなと,ちょっとそこが気になっているのです。これは,意見ということで。

● 確認をしたいのですが。

 そういう意味で,団体というものについての定義がやはり組織犯罪処罰法では「共同の目的を有する」という書き方になっていますので,そこでまず目的の話が出てきているので,まず団体性の立証は共同目的の立証から始まっていくわけでございまして,そのうえで先ほど出てきたお話としての効果の帰属とかいうものの立証が出てくると。

 だから,私が思いますのに,この団体の定義の目的と条約で今回言っている非常に広い目的がほぼ同じものだとすれば,この団体性の要件で尽きているのではないかというふうに思い,そのように考えられているものかなというふうに理解させていただいておりますが,そのような理解ではないのでしょうか。

● 組対法第2条に言う団体というのは,これは中性的概念というふうに私は理解していたのです。この共同の目的というのは,何も犯罪目的でもないし,何か経済的利益を図るという目的に限定しているわけでもない。団体というのは,単に人が集まっていればいいというのではなくて,団体全体に一つのある目的,福祉活動であろうと何であろうと。当然そういうものがあればそれは団体性を帯びている,その団体が今度は団体の活動として具体的にやると。その団体の活動というのは,団体の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものを言うと,こういう仕組みになっているというふうに考えていたので,団体の共同の目的というのは,犯罪概念とか団体の利益とかというものとは区別されたものというふうに私は理解していたのです。

● もちろん,団体自体は,今,○○委員がおっしゃったとおりですが,ここで問題とされていますのは,「その活動として」というところまで読み込んだ場合に,結果的には文言はともかくといたしまして,ここでおっしゃっているような不正な利益を図る目的という,利益,効果を団体に帰属させるということでございますから,同じようなことになるのではないかという御発言かなとも思いましたが。

● このような規定になったときに,裁判というか,実務から見ると,これはもう共謀罪であるとともにそれは目的犯というものとして理解するというこの条文,この修正された条文は,そういうふうに見るだろうと。そうすると,今までお話に出たところにもかかわることですが,もともと団体の活動にそういう利益が入る,そういう関係のものであるというものとして理解すると,それとは違った意味での目的犯という意味での,そういう利益ということで,そういう意味で条文の体裁も含めて考えたときに,この団体の活動の意義と,それから不正の利益を図る目的というのは,これは性質上違ったものとして理解せざるを得ないというふうに解釈上せざるを得ないだろうと。

 ところで,条約の方では,これは「金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的」ということになっておりまして,その解釈は正確なものとして理解しているかどうかはともかく,この間接に関連するということの意味合いが,このような形にするとむしろ積極的な利益という目的犯として見る以上は,そのようなものとして解釈せざるを得ないこととなる。そうなると,この条約の間接関連目的というあたりについてカバーし切れているのかいないのかといったあたりが,条約を前提としたときに,そこら辺について解釈というか,分かれてきて,帰するところ,そうなるとこの不正な利益を図る目的という目的犯という形で条文を作っていながら,結局死文化することにもなりかねない。翻って考えれば,この条約の「関連する目的」というのは,いわゆる目的犯における目的としてのそういう意味で条約,合意という共謀罪をそういう意味で条約が作られたということではないのではなかろうかという感じがするのです。そういう意味で,この「不正な利益を図る目的」ということをこの条文の中に入れることについては,かなり問題があるのではないかという感じがするということです。

● この提案における「不正の利益を図る目的」以外の問題でよろしいですか。

● もちろん結構です。

● 先ほどの○○委員及び○○幹事の御説明によりますと,共同して謀議することはオーバート・アクトの趣旨を含むとのことでございます。その場合,コンスピラシーとオーバート・アクトの関係でいきますと,オーバート・アクトは,いったん成立した合意をより明確にするという,ある意味で事後的な証拠の問題だと考えられます。この共同して謀議するというのは,むしろ合意の形成の仕方に絞りをかけようとしているように思われるのですが,その辺はいかがなのでしょうか。

● 関連する質問ですので,よろしいでしょうか。

 「共同して謀議し」という日本語の言葉に,私はオーバート・アクトを含めるというのはおよそ無理なような感じがいたします。もしオーバート・アクトを要求して制限したいという御意図があるのであれば,なぜそれを正面から文言化されなかったのかということについても,あわせて教えていただければ幸いです。

● なぜしなかったのかの方が楽なんですが,条文がうまく作れなかったということが正直なところでありまして,法文化するのにそういう概念が日本で−−予備行為とも違いますのでね,積極的に何か関与するなんていうのも何か言葉にならないなということで,「積極的な」と入れてしまうと,この謀議プラス何か,予備的な何かみたいなものがやはり必要かというような議論になってしまうので,予備まではいかないけれども何か必要だというのをどう出すかというので考えついたのがこれなんです。

 だから,いろいろな意味が込められていて,これでは解釈できないというのはそのとおりかもしれないのですが,共同してという,「謀議」という言葉自体に集まってというふうに解釈されてしまうのではないかという御意見もあったのですが,そうも思われるのですが,必ずしもそこまでは考えていないのですね。順次共謀が可能かとか事後的共謀が可能かとかいろいろあるわけですが,そこまで行くかどうかはまた議論はあると思いますが,謀議というのは一か所に集まって議論することに限られた意味で使ってはいないのです,この意図は。

 それと,「共同して」というのをわさわざ入れているのは,二つの意味合いを込めておりまして,一つは単なる参加者−−単なる参加者というか,日本語は難しいのですが,ああいいよという程度のものではなくて,ある犯罪を行うということに積極的な合意への関与といいますか,そういう面を少し出したいというのが「共同して」というところに入れているのです。あうんの呼吸で,現場で,お,よしっていうのは謀議にならないという,共謀共同正犯の場合はそういうのでも共謀共同正犯の共謀になる場合があるわけですけれども,そういうものはここに入れてない。先ほどもいろいろ出ましたが,予備より重くてもいいのだという議論がありましたけれども,やはりこういうことを謀議だけで,合意だけで犯罪化するというためには組織性があるとかいうだけでなくて,やはりそこには少し強い役割が必要ではないか,違法性はそこにも必要ではないかというふうに考えて,こういう言葉にしてみたのです。

 これがあらわしてないのかもしれないというのは,我々の中でもそういう議論があって,積極的合意だとか,条約の5条の(b)に,「組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し,指示し,幇助し」云々というのもあるので,この辺で重大な犯罪の実行を組織し,指示しというようなのでやってみるかとなると,組織,指示だけだと何かまた狭過ぎるし,援助とか相談程度でというのもまた問題が少しあるかなということも考えて,言葉としてはなかなかいいのが浮かばないでこれにしたというのが実体です。

● 先ほど,団体の活動として行われるものでない不正権益のような類型は外されたという御説明と,それから「団体の活動として,」と,ポツがあるという御趣旨は,何か既に団体というものができ上がっておって,それを使って団体の活動として具体的な犯罪行為の謀議を行っていくというふうに読めるわけでございますけれども,そうなってまいりますと,むしろ何かこれはそういういろいろな要件をかぶせることが許されないような結社罪の類型のようにも思われてまいりますが,いかがでしょうか。

 それと,結社罪類型でまいりますと,ここでおっしゃっているような謀議者だけではなしに,その他のいわゆる結社への参加罪という,そちらの類型をも取り込んでまいりませんと,少し条約上の義務から見ますと問題が生ずるのではないかというふうにも思われます。

● いかがでございましょうか。

● 事務当局の方に伺いたいのですけれども,原案でいきますところの共謀というものには,現場共謀のようなものも含まれるというふうに考えるべきなのでしょうか。

● これは,事前共謀のことになるのだろうと思っております。

● そうですよね。そうしますと,先ほどあうんの呼吸で謀議が通じたというようなものが共謀の中に入ってしまうのではないかというふうな○○委員の方からの疑問の提起があったわけですけれども,その点は心配の必要がないということでしょうか。

● そういう事前共謀の趣旨としてここでは用いていると。事前共謀だけというふうな形で用語を考えますと,語感としましては陰謀という感じになるのかもしれませんが,ただ逆に,今,「陰謀」という言葉で要綱の表現を考えるべきかということからいたしますと,むしろ一般的に共謀と言った方が用例としても多いと申しますか,ごく普通に共謀共同正犯等で実務的にもなれ親しんで確立しておる概念のうち,事前共謀をここでは指すということで御理解いただけるのではなかろうかと考えたということでございます。

● そうしますと,先ほど○○委員の方からお話があった中に,単なる参加者を除く趣旨であると,積極的に荷担した人に絞る趣旨であるということがありましたけれども,ああ,いいよと言っただけの人を除くのだというわけですが,ああ,いいよと言った人が重要な地位の人であったとすれば,それは何と言ったかではなくてどういう役割を果たしたかということに帰着するのだろうと思うのですけれども,この前の御説明では,この共謀罪が成立する人というのはそのまま犯罪が実行された場合には共同正犯になる人であると,そういうふうな御説明だったと思うのですね。そうしますと,ああ,いいよと,単なる参加者と言いますか,そういったものは当然原案どおりであっても除かれる関係にあるのではないかというふうに思いますけれども,どんなものでしょうか。

● 御指摘の趣旨は,私どもも思っていたところであるのですが,要は○○委員の方の御懸念というのは,正犯性の認定が緩く広がり過ぎるのは困るという,むしろ事実認定の問題ではなかろうかなと思うところでございまして,正に今,○○委員がおっしゃったように,やくざ者の大幹部会が開かれて,そこで,じゃこれは例の方法でと言って,うんとうなづいただけで共謀がしっかり成立するということもあり得るわけでございまして,ただ前に申し上げましたように,正犯になるべきものをここでは共謀の主体として考えておって,そこでならないものはそれの実行されれば幇助になると,共謀についての幇助ということもあり得ると,前にお話したとおりでございますので,そこは運用上安易に広がらないような実務が行われるべきであるというにとどまっているのだろうと思います。 ● もう一点,追加でその関連で伺いたいのですけれども。

 ○○委員に伺いたいのですけれども,「共同して謀議する」という言葉と,「共謀する」という言葉とで,実際ずれが生じるのはどんな場合かというのを具体例で御説明いただけると分かりやすいのですけれども。

● ちょっと御質問が難しいので答えられるかどうか分からないのですが,集団で暴行事件が起きたような場合に,現場で暴行すると。そこで具体的に暴行を働かない人も,共謀共同正犯というふうになる例がかなりあるわけですけれども,それは役割で,ああ,いいよと言った意味が重要なのだということはありますけれども,そういう重要人物かどうかということ抜きの場合で議論していくのですが,そういうときもかなり広く共謀共同正犯の場合は,正犯事項がある場合は共謀性をかなり広く認定するという実務があるというふうに私は理解しているのですが,そういう理解からいくと,同じ「共謀」という言葉を使わない方が,今度は共謀ということだけで犯罪行為が成立するというふうになるわけですから,そこの共謀というのは共謀共同正犯よりは狭いよという概念をどうあらわすかというふうにして考えたのがこの「共同して謀議する」という中身を考えたのです。同じ言葉は使わないと。

 ですから,先ほどから事務当局の御説明のように,事前共謀を前提にしているというのであれば,それにふさわしい新たな言葉を使うべきだと。極端に言うと,手あかにまみれた共謀共同正犯の「共謀」という言葉は使うべきでないというのが私どもの意識なのです。新しい用語だよというのを何かで示した方がいいのじゃないかということです。

● 何となく分かるのですけれども,具体的にどういう場合を考えればいいのかなと。

● ……。

● 非常に単純な暴行とか,傷害のけんか的な事犯の現場共謀を御心配になられるとすれば,これは団体の活動としてそれを実行するための組織により行うことの共謀が成立する場合じゃないということは明らかですので,そういうことであれば御懸念には及ばないのだろうなと思いますが。

● やはり関連ですけれども,ちょっと確認しておきたいのですが。

 私は,むしろ最初の共謀の意義に関する御説明,これは判例法上認められてきた共謀と同じ概念を用いられておりましたので,同じものなのだろうと理解しておったわけです。ですから,事前共謀とともに,少なくとも理論上,理念上は現場共謀も含み得るのかなと。ただ,実際問題としては,現場共謀であって,しかも実行行為に至らない段階で検挙されて,その現場共謀を立証できるなどという事例はおよそ考えられないから,事例の問題としてはまず事前共謀に限られるということなのだろうというふうに理解しておったのです。そういうことではなくて,理論上事前共謀に限定されるという理解でよろしいわけですか。

● 要するに,現場共謀の場合にはすぐ着手に至ってしまうというのは御指摘のとおりでありまして,私どもが先ほど答えたのも,組織要件を伴った共謀ということでもあり,要は実例としてはあり得ないだろうと,そういう趣旨でございます。

● 今の問題点ですが,確かに○○委員が御説明されましたように,共謀の範囲を狭めることにはかなり実践的な意味があると思います。ただ,先ほど○○委員から御説明がありましたように,団体活動としての立証が非常に困難であることは,実際上,明らかでございまして,すでにその要件によって絞りがかかっており,しかも実際上の問題として,類型的に事前共謀に限定されることになりますので,私は骨子案でも限定機能は十分に働いていると考えております。これは意見でございます。

● マネロンの関係で一つ御質問させていただきたいのは,細かく犯罪を一つ一つ点検されて,別表に載せるべきものでないものというものを選別していただいたというふうに理解いたしましたが,そこで先ほど幾つかの,ある程度犯罪類型というのでしょうか,性質というのでしょうか,それを除いていったというふうな御指摘があったのですが,そのようなものでありましても,これを見ますと,要するに故意犯であって報酬の目的でありますとか利得の目的で組織的犯罪が関与し得るものがほとんどではなかろうかなと私は思ってしまうのですが,そのようなものを除いていった趣旨というものを,もう少し具体的に御説明願えませんでしょうか。

● 先ほど言ったのと全く同じことになってしまうのですが,前回の組対法のときの議論による四つのメルクマールを踏まえて,それを見ながら今回の条約の趣旨を見て,組織犯罪と関わりがそういう意味でほとんどないのではないかというものを除くという立場から検討したのですね。ですから,公職選挙法なんかは組織的なものであることは明らかなんですが,条約の言っている前提犯罪,マネロンとして拾い上げていく犯罪ではないだろうということで,公職選挙法ですとか自衛隊法ですとか,それから秘密保護,それから地位協定とか,そういうものは省くと。そういう立場から見ていくと,内乱,外患,騒乱,そういうものも省いたということですね。

 それからもう一つ,前回省いてあるものの中で悩ましかったのは,脱税等の税法違反の問題で,これについてはどうするかということで,これは私どもも結論が出ていないということで三角にしてある。

 それからもう一つは,汚職関係で,一部は前回も入っているのですが,いろいろ特殊なものは会計監査人の汚職の罪とか,株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律で会計監査人の汚職の罪等が外れている点についても,ここは今回,入れるべきだということか,入れないのかということはペンディングであるということで三角印になっているということです。そういうことで私どもとして選択したということです。

● いま少し御説明をいただけたらという感じがいたしますけれども,組織的な犯罪集団の関与が考えられるか考えられないかということでまいりますと,以前警察庁の幹事の方からも御説明がございましたけれども,反社会的勢力というものがいろいろな分野にいろいろな形で関与してきておるということは社会的な実態のように思われるわけでございます。それとともに,例えばということで考えましたときに,被拘禁者奪取,加重逃走云々かんぬん,これなどは何かそういう反社会的な犯罪組織がいかにもやってきそうな感じもいたしますし,もう一方では放火ということが入るのは当然でございましょうけれども,ならばどうしてボイラーも含めた激発物破裂類型というのはあり得ないのだろうかと,全体として,整合性も含め何か必ずしもよくのみ込めないのでございますけれども,その辺はどういうふうな整理なのでございましょうか。このバツの中での整理ということでございますが。

 かつて,別表に載せるときのメルクマールがそれはそれとして当時としてはあったということは理解できるわけでございますけれども。

● 今みたいな御意見は,非常に私どもとして歓迎する御意見で,私どもの今日お出ししたもので,万全であるのでこれで行けとかいう主張ではありませんで,私どもとしては別表方式をとるべきだという立場なものですから,別表方式をとるに当たってはこういうふうに考えられるのではないかという一つの御提案をしたので,これはどう考えても入れなければおかしいよというのがあれば,それは御議論の末入れて構わない−−構わないといいますか,それは議論の結果で当然そうなることもあり得るわけで,逆に私どもとして,なぜここまでのもの全部入れなければいけないのという逆の疑問があるものですから,外せるものは外していく,やはり別表方式をとった今の法律に更に幾つかの犯罪を加えていくということの方が,私はいいのではないかということでこういう御提案を差し上げているのです。

 ですから,これは違うよというのが幾つか御議論いただいてもいいですが,先ほど申し上げましたように公職選挙法の問題等はそういうことで外した方がいいのではないかとか,自衛隊法とか安保条約の関係とか,そういうものは少し違うのではないかというふうに考えていたことと,税法については確かに私どももいろいろな弁護士としての活動をしている中で,組織犯罪にかかわるような人たちが脱税しているという現実はかなり見ておりますので,税法違反を抜くというのは非常に問題だと思っているのですが,前回抜いたときも,多分いろいろあったと思うのですが,税法関係は,これは余りいいことではありませんが,企業の関係の人たちは必ずしも脱税していないということは言えない。−−こんなこと,言っていいのですかね,こういうところで言うのは問題なのですが。−−常態化していると言うと問題ですけれども,そういうことがあるのではないかというふうに思うものですから,そこを全部マネロンの前提犯罪というふうにして広げてしまうのかどうかということは,一つ条約があるにしても議論はしておいた方がいいというふうに思って,三角という形で御提案させていただいているのです。ですから,何の問題もなく,とにかく条約がこう言っているからということではなくて,少し議論をしていただけたらというのが私どもの提案であります。

● 恐らく,議論の出発点の認識がかなり違っているのだろうなというのが率直な感想でございますけれども,前回も御説明申し上げましたとおり,現在の組織犯罪処罰法の別表を作ったときと,今日では,国際的な観点から犯罪収益規制をどの程度するかという義務は全然違うレベルに達しております。前のときは勧告レベルであるし,重大な犯罪は各国が定めると,そういう状況下で初めて犯罪収益の範囲を広げていったわけですので,そこで試行的にといいますか,非常に限定的な別表の作成が行われたのです。

 それに対して,今回はもう原則は全部を含めるのだという義務がかかっておる上,国際的にもすべての重大犯罪を前提犯罪とする国が圧倒的に多数になりつつある現状がございます。そして,そもそもこの犯罪収益規制の趣旨というのが,そのような犯罪収益が犯罪組織の維持拡大に用いられるとか,将来の犯罪活動に再投資されるとか,あるいは事業活動に投資されて合法的な経済活動に悪影響を及ぼすと,このようなことを防止するために,そういう収益が生じた場合にその保持運用を規制していくというものでございますので,典型的に組織犯罪から生ずるものだけを相手にしていればいいというのとは少々違うものになっているというところを御理解いただきたいと思います。

● 予定の時間はあと30分なのですが,例えば要綱の第一の二,第二の二について,これの削除という御意見も一応聞いておかないといけないのではないかと思いますが,いかがなものでしょうか。

 なるべく次回で終わりたいと思うのでありまして,事務当局に,次回,いろいろこういう問題が出たというのに,まだこれが残っていたということになると三巡目の議論までいかなくなるといけませんので,どうぞ積極的に御発言ください。

● 第一の二を削除されるということなのですけれども,これは結局団体の活動としてではなくて,例えば団体構成員が数人で,しかし団体にいろいろな権益を得させようということでやるという場合は,これは共謀の段階で処罰しなくてよろしいという趣旨でしょうか。

 つまり,○○委員と○○幹事の提出された第一の二を削除するということの趣旨ですけれども,これはそういった類型は条約の解釈上共謀罪として,処罰しなくてよろしいという趣旨ですね。したとしても,本当に条約の担保として十分なのかどうかという点はいかがでしょうか。

● 条約は,組織的な犯罪集団が関与するもの,国内法により求められているときにはそれを合意の条件にできるということにしておるわけでございまして,組織的な犯罪集団が関与するための取り締まりといいますか,形態として,我が国では現在のところ組織犯罪処罰法の団体の活動としてというのと不正権益の目的に関連してという二つのものをセットで対組織犯罪の対抗を図ろうとしておるところでございますので,国内的な法制に従って,条約のただし書を当てはめようとすれば,これはセットになるべき性質である,そのように理解しておるわけです。

● そうすると,外された御趣旨は。

● これは,第一の二というのは,規定しなくても条約違反にはならないでしょう。規定する方がいい悪いという議論は当然あると思いますから,その議論はさておいて,条約違反にはならないでしょう。「ねばならない」という条約があって,というわけではないと理解して,一つの提案としてしたわけです。

● これは,もともと組織的犯罪集団が関与するものということでありますので,その関与に対する規制の仕方が恐らく各締約国の国内法によるある程度の立法裁量という部分があるだろうと思いますけれども,我が国がそういう形での二つの類型での関与を組織的犯罪対策としてとっているうちの一方を恣意的に外すと,ちょっと条約の趣旨に合わないだろうという気はいたしますが。

● 端的に申し上げまして,直感的には先ほどの話もございますけれども,これは何ら要件を付してはならないものとされております結社罪の一部であって,なおかつ結社罪であれば目的とされる犯罪行為の特定不要というところをなおかつ特定した要件の設定であり,なおかつ参加罪が外れてしまっておると。結局,すべてを団体の活動としてという形でかけておられる,そして不正権益拡大という目的での行為であって,団体の活動としてとは必ずしも当たらないものをも外しておられるといったことから,これはむしろ条約違反の疑いが濃いようにも思われますが。

 つまり,我が国の「団体の活動として」という要件は,どうも外国で申しますと結社罪要件−−そのものとは申しませんが,限りなく近いもののように思われますが,そのうち参加罪が除かれておるというように思われてまいりますが。

● 第二の二も,外されては困りますか。

● 第二の二につきましては,これは完全に国内法的な整合性でございます。組織的犯罪処罰法で既に犯人蔵匿等が組織的犯罪に関連して行われたときには加重するということになっていまして,ここで証人買収を犯罪化しつつ,その加重類型を設けない合理的な説明が全くできないわけでございます。ということで,要綱の第二の二はそういう趣旨で設けておるということであります。

● 今,○○委員の方から話があったのですが,やはり第一の二について,それが条約違反のおそれがあるというのは,ちょっと今の説明では理解できない。むしろ,今までできている組対法との関係での整合性という○○幹事の方の説明の方が,私は理解はしやすいのですが,そこら辺,どうなのでしょう。

● 私が申し上げておりますのは,ここで「団体の活動として,」とポツを入れておられる御趣旨等をも踏まえますと,これは犯罪をも特定した結社罪に近いものではなかろうかというふうに読めてしまうということです。

● それは,要綱案でも,「団体の活動として」にポツが入っていますよね。同じ趣旨ということでしょうか。

● その意味で申し上げますと,「団体の活動として,」ということで要綱(骨子)案にもポツが入っておりますけれども,これはそのようなものではないという御説明をした上で,なおかつ不正権益を維持拡大する目的という共謀も,あわせて提案させていただいているところでございます。今回,絞り込みの趣旨から申しますと,ここでおっしゃる「団体の活動として」というのが,謀議自体も団体の活動として具体的な犯罪行為の謀議が遂げられるというふうなものに限られたようにも聞こえたのでございますが。

● 前回の組対法の議論のときに,「団体として」というところに絡んだ議論で,部会に示された一番最初の案は「団体を作り何とか」というように私は記憶しているのです。団体を作り何かしたというふうになっていたので,団体を作りという趣旨は,事務当局の説明では団体を結成する結社罪という意味じゃなくて,作るという言葉ではなくて,一つの積極的な団体性をあらわすものとして提案したというような説明がいろいろあったのですけれども,議論して,どうしても結社罪的に見えるということでいろいろ議論があって,それはまずいのではないかということで今の組対法の用語に落ち着いたというふうに思うのです。私はそういうふうに記憶しているのですが。そうなると,組対法の読み方はやはり結社罪的な読み方でなくて,国際的には理解されているかされていないかは別にしまして,我々のとらえ方としては結社罪的なものではなくて,組織性が違法性が高いということで,その活動の方に注目していこうということで議論したというふうに記憶しているのです。

 ですから,今回のあれでも,そういう議論の上でもう一つ不正権益に関しては組織性が要件になっていない,組対法の方では共謀というものではありませんので,一人でもいいわけですが,単独犯でも可能だということで,とにかく犯罪組織を助長する行為ということを野放しにすること自体は重大な問題があるということで,それも処罰しようということで必要性が説かれたというふうに理解しているのです。そういう理解からすると,今回,共謀というものをやるときに,組織性,団体性に注目して,そこに違法性があるから共謀も違法性が高くなるのだ,だからそこだけに絞ってという議論でいくならば,それから更に広げて,そういう犯罪組織のために何かしようというその犯罪組織と,こういうのが理論的にあり得るかは別にして,概念的に言えば別個な人たちが,犯罪組織とはかかわりなく犯罪組織のために一肌脱ごうなどという謀議をしたことをも改めて取り上げて罰するかというのは,一つの議論が可能だというふうに思うのです。それが条約上義務でなければ,あえて規定するかしないかというのは一つの討論素材になるというふうに私は考えて今回の御提案をした,こういうことなのです。

● 不正権益につきましては,団体の威力に基づく支配力であるという定義も置かれておりますので,おのずと組織的犯罪集団との関連は認められるのだろうと思っております。

● 組織的犯罪集団,日本でいえば暴力団が中心になりますが,そういうものと対峙しておりますものとして,感想的になってしまうのですけれども,この条約はそもそもは組織的犯罪集団が関与するものではなくてもやりなさいというのが基本の上で,国内的理由がある場合に組織的な犯罪集団が関与するものに限定しなさいとなっていて,先ほど出てきましたように我が国の組織的な犯罪集団に対してどういう観点で臨むべきかということで二つの要件があり,我々は正にそういう観点で物を見ながら対決していっている立場からしますと,この共謀罪に限ってだけその要件から一部が外れていくというのは,非常に組織的な犯罪集団に対する取組みとして,どういう整合性があるのだろうということを現場の者としては感じざるを得ないかなというふうに思います。

● マネロンの前提犯罪の各論に戻らせていただきたいのですが,前回も過失犯は除いても実質的に支障はないでしょうかというお話は私どもとしてもしておりましたのですが,本日,弁護士会の方から出ました案でも除かれているのだろうと思いますけれども,その後ちょっと物を見ておりますと,結局過失犯に犯罪収益が認められるかどうかいうものは,つまるところ刑法19条1項3号の解釈に行き着いてしまうのじゃないかと,そこの解釈論になってしまっているのかなと思いまして,しかも改正刑法草案の議論を見てみましたところ,没収の対象となる犯罪から過失犯を除くかどうかは議論の末に結局除かないということになっているわけですね。その辺のことも踏まえまして,今回私どもが前提犯罪を考えるに当たり,過失犯をどのように取り扱うべきかにつきまして諸先生方の御意見をもう少しお聞かせいただきたいと思うのですが。

 別の角度からちょっとラフなことを言いますと,要するに事務当局が最初示しました案は,重大な犯罪は全部対象にすると,しかし財産上不正な利益を得る目的の要件がありますから,それがないものはまず外れるので,普通結論に疑義が生ずるような事態はまずないだろうというのがあるわけでありまして,過失犯についても普通はそこで除かれるだろうということと,マネロンの方も没収・追徴の関係では任意的なものにすぎませんので,改正刑法草案の議論もそこは裁判所の健全な裁量に委ねるみたいなこともあって,結局明文は置かないということになったいきさつがありましたので,どのように考えるべきかということをお聞かせいただきたいと思ったのですが。

● 私どもの方のリストには過失犯が除いてありますが,要するに組織的犯罪対策法における条文の解釈として,当然除かれるだろうというものがあるのであれば,それはもう既に前提犯罪から除く在り方の方が国民に分かりやすいというふうに私は考えているわけです。そのために,我々とすれば列挙式をとった方がいいのではないかということで,今回意見を述べているわけです。過失犯については,私どもとしては除くべきだというのは当然だと思っております。

● 私はちょっと○○幹事の御意見と違うかもしれませんでして,不正な利益を得る目的の場合に,自分で不正であると思っている必要はないように思いますので,利益を得る目的で過失行為をして利益を得てしまうということは文言上はあり得るのじゃないかと思います。ただそれを,この条約が念頭に置いていて,しかも類型的によく起こり得ることかといえば,そこまでは言えないので,もし一律に上げるという選択をとらないで,ある犯罪については除くという選択をとるとすれば,第一の候補かなというふうに思っております。

● 逆に,過失犯を置くべきだという積極的な意見はないのですか。

● 私が伺いたかったのは,それを明文で除く必要があるか,解釈を完全に封じてしまうということになるというのと,実際上ほとんど生じない場合を念頭に,明文を置く必要があるかという点でちょっと御意見を伺わせていただければと思ったわけです。

● 議論が沸騰すると困るのですが,例えば自分は不正な収益ではないと思っても,実はそれはマネロンになるのだということは,ないですかね。

● 犯罪になるか,例えば収受罪になるかという観点でいけば,これは犯罪収益性の認識が必要で,ドイツのように軽率にという場合でも成立するのではありませんので,日本の場合はそこは……。

● それを置くべきだというのは。

● それは新しい御提案かと思いますが。

● 余計なことを言いました。

 事務当局として,何か次回にこういう議論があった,二巡目の議論にどうのこうのという,次回の議事のためのお考えはありますか。

● 全く別件なんですがよろしいでしょうか。

 先ほど,証拠の提出の話で任意提出が入ってしまいますよという話がありましたが,条約上の表現としては非常に素直に書いてあって,証拠の提出の妨害なので,条約の場合は任意提出は含まないのだという解釈になっているという理解でよろしいのでしょうか。

● 含めて,条約に反するということはないと思います。しかしそこは,処罰の必要性の実例を考えれば,その後差押えに移行するわけでありますので,単に出すなよというだけの証拠提出妨害行為というのはほとんどなくて,必ず隠滅行為を伴ってくるだろうと,そのようなことから現在のような案を作ったということです。

● 前提犯罪の方に戻るのですが,実は弁護士会の私どもの二人の意見では,かなりの量が除かれているのですが,例えば前回も議論になりましたけれども,消火妨害,それから証書偽造,あるいは墳墓発掘死体損壊,自殺関与・同意殺人,このようなものが本来的にこの前提犯罪になじむのかどうかという議論なんかをしていただければ,後の関連のものをどうするのかということでも参考になるのではないかなと思います。

● 一番最後の例から申し上げますと,組織的に暴力団が殺人を犯す,それとともにその死体をどこかに埋める,あるいはコンクリート詰めにして捨ててしまう,焼却してしまう,そのことについての報酬等というのは,組織的でなくても暴力団が関与する場合でございましてもあり得る世界かなとも思われますが。

 墳墓発掘につきましては,一つ御議論があるところかとは思いますが,今,墓地をめぐりましていろいろな勢力が利権をめぐって争いになっているところもあるというような報道もされていたかと思われますが。

● 今の墳墓発掘死体損壊の点ですが,日本では余り盗掘団というのはないかもしれませんけれども,国際的な観点で前提犯罪化すべきものは各国が共通に犯罪化することにマネロンの意味がありますので,盗掘団というものが考えられる以上は,やはり前提犯罪化した方がよいのだろうと思われます。

 それから,消火妨害の点は前回もちょっとお話しいたしましたが,消火妨害自体は偶然の機会における犯罪ですので,不正の利益を得る目的で犯すというところで事実上全部落ちてしまうだろうということであります。やくざ者なんか−−やくざ者には限りませんが,自分で火をつけて燃やすためにそれを妨害するといったような場合には,火をつけた本来の放火行為の方で賄えるのだろうなと思っております。

● そういう意味では,偶然に起こり得る事件というのが幾つかあるのです。例えば,航空法の機長の職務に関する罪で,旅客の救助等に必要な手段を尽くさなかったとか,船員法の船舶に危険がある場合における船長の処置義務違反,このようなものも,それはいわゆる組織犯罪対策法における要件のところで切れるというふうに理解してよろしいのでしょうか。

● 普通は,そういう緊急事態における犯罪は,財産上不正な利益を得る目的で犯されることはないと考えられますので,一般的には目的ところで全部,事実認定上外れてしまうということであります。

● それも,過失犯と同じように,場合によっては初めから除外するという道もあり得るわけですね。

● 過失犯の場合とやや違うかなと思うのは,目的のところで除かれてしまうのであれば,それをあえて別に除く必要がないだろうと。過失犯は解釈上あり得るということですので,政策的に除くかという話で,ちょっとそこはレベルが違うかなと思います。

● この財産上不正な利益を得る目的,この解釈にかかるわけで,犯罪の性質からかなりこれでセレクトされるということはよく分かりますが,今度この骨子のような形になった場合に,この目的での解釈が変わってくる余地があるかどうかと。

 というのは,もともとは故意犯を目指して出発していったわけですね。ところが,ねらった人間,たまたま過失で轢いてしまったということがあるかもしれない。それと別に,立証上は故意はなかなか難しい,その事件としては。したがって,過失犯として起訴すると。しかし,その背景というか,もっと大きいところから見ればやはり不正な利益を得るという,その認定されたその事実には限らないけれども,それを包含するもっと広いものがあるというような場合について,ここの不正な利益を得る目的というのが,認定されたその犯罪だけに限るものとして解釈するのか,もっと広いものまで解釈される余地があるかというあたりは,どんなふうなお考えなんでしょうか。

● これは,組織犯罪処罰法の2条2項の「財産上の不正な利益を得る目的で犯した別表に掲げる罪」の解釈にすべて解消されてしまうわけでございまして,普通はそういう目的で,直接の目的で犯した場合が典型であるということは間違いないと思いますので,その周辺がどこまで及ぶかというのは,解釈論の中に入ってしまうのじゃないかと思うのですが。

● そうすると,不法な収益は必ず取り上げるという,そういう思想からしたときに,そのようなものは外れるという方向の立法がいいのかどうかという,極めて政策的なというか,もっと合目的的な観点からこの規定を作るというか,しなければいけないなという感じはいたしますね。

● 御発言がもしないようですと,次回の段取りなどの話へと行かなければならないわけですけれども。

 どういたしましょうか。○○委員と○○幹事のお出しになったもの。  原案についても修正案があるのですが,次回の進行の段取りをなさるのに,どういうふうに扱ったら一番よろしいでしょうか。

● 事務当局といたしましては,準備の都合等もございますので,仮に今日○○委員,○○幹事の方から討議の素材としてということでお出しいただきましたこの内容,今日の御議論を踏まえてやはり修正案なり何なりとしてお出しになるということでございましたら,できるだけ早く私どもの方にお伝えいただきますますと,準備の関係上有り難いということでございます。

● 検討いたしまして,できる限り,もし修正案であれば早くお出しするようにしたいと思います。

● あと,事務当局の整理としては,この案のこの論点にはこういう意見があったというようなことを整理しますか。

● 本日,議論を一応いただきましたので,私どもの方で取り入れるべきだと考えましたものにつきましては,それを入れ込んだ修正案を作りまして,しかし原案でいいという御意見も一部にありましたけれども,それを作りまして,なるべく早い段階で事前に案はお示ししたいと思います。

 それから,ほかの委員の方々から,修正の提案がもちろんあり得るわけでございますが,もし出される場合にはなるべく事前に,御検討のための時間をとるため,こちらにお出しいただければ一緒にお送りいたしますし,あるいは別途の方法でお送りいただいても構わないだろうと思います。

● 今日事務当局の方で準備いたしました,例えばということでA案・B案ございますけれども,もちろん原案は依然として生き続けております。

● そういたしましたら,先ほど事務当局のお話にありましたように,次回12月18日まで約一月,修正案という形で正式に出していただくとなれば,なるべく早く事務当局の方にお送りください。そして事務当局として,各委員・幹事に次回に議論をするための討論の材料を早くお送りいただきたいと思います。

 それでは,次回,先ほどのような形で事前に材料をいただければ,皆さんどうぞ御検討賜りたいと思います。

 次回は,12月18日水曜日であります。場所は,法曹会館の高砂の間であります。

 それでは,今日は熱心に御討議いただきまして,大変私としてはうれしく思います。どうもありがとうございました。

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