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住基ネット稼働開始
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2002.08.05


http://obuchi.naikaku.com/angriffbbs/angel.html

■[No.7885] 住基ネット稼働開始 by (キタノ) 2002年08月05日 (月) 00時18分21秒【この記事にレス】

いよいよ“政府公認の違法ネット”が稼働します。このまえ全国一斉街頭キャンペーンに行ってきましたけれど、市民の関心は高くなっていたようで、反応は良かったです。報道やキャンペーンで住基ネットの実態をみんなが知ることは、稼働するしないに関わらず、運用者に悪用をさせないことにつながっていくと思います。

住基ネットの稼働が違法だという話はだいたい出尽くしたので、セキュリティ、コスト、目的外使用問題について書いておきます。

まずセキュリティ。

閉鎖的で独立したネットワークだから安心だという政府の説明は、これまでの報道でだいたい否定されたと思います。セグメントでは独立していますが、ラインでインターネットを含む複数のオープンネットと接続可能であることにかわりはありません。正しく運用されていれば問題はありませんが、「鍵の閉め忘れ」などの過失(に見せかけた悪意の操作)があれば、そこから個人情報が流出するおそれがあります。

オンラインは専用回線だから安心という政府の説明も、ごまかしがあります。自治体間をつないでいる「専用回線」(と呼ばれているライン)は、実は純粋な意味での「専用線」ではなくて、IP-VPNという主にISDNを使った仮想閉域網です。あくまでも“仮想”の専用回線であって、使っている回線はIP公衆網です。セキュリティは比較的高いとはいえますが、VPNのルーティングヘッダーの暗号ラベルを解読されて(あるいは自治体で管理する暗号の流出によって)不正アクセスされる懸念は否定しきれません。

次にコストの問題。

住基ネット参加見送りで話題となっている福島県矢祭町では、ほかの自治体から住民票を取る個人は年に10人程度。もし住基ネットに参加すれば、10の利便のために人口7300人の住民データをまるごと渡し、設備・管理を維持し続けなければなりません。経費は住民の税金。コストパフォーマンスもリスクベネフィットも悪すぎます。

一方、中央官庁と大都市住民にとって住基ネットはうまみがあります。住基ネットシステムを受注する企業の多くは在京企業。地元企業が受注しても、実際にネットワークを構築できるのは在京企業なので、地元企業には仲介料しかお金が落ちませんし、仲介している分だけ税金がムダです。

都道府県が発注する住基ネットシステムは、千葉、長野など一部をのぞいて大半が随意契約です。しかもその契約の多くは全国ネットを運用する地方自治情報センターが受注しています。結果、地方自治情報センターと取引のある企業(回線を提供しているNTTコミュニケーションズなど)は余分に大きな利益を得ることになります。バカスカ赤字道路を作りつづけている道路公団のような問題が住基ネットにもある。道路公団は儲からない高速道路。住基ネットは使えない情報の道路。そっくりですね。

競争入札を実施した自治体でも、参加企業は限定されるので予定価格は高くならざるを得ません。受注業者は一度受注すれば、ソフトの維持やメンテナンスで何度でも利益の高い仕事をもらえますが、自治体にとっては効率の悪い住民の血税支出が続くことになります。ゼネコンだけが丸儲けするダム建設と同じ「ハコモノ建設事業」の構造が、住基ネットにもあてはまっています。

政府情報によれば、住基ネットの構築費は365億円、年間運用費は190億円。しかし、自治体の担当者はこう言いきっています。「四百億円でネットは動かない。実際には二〜三倍かかるだろう。一千億円を超えてもおかしくない」 (神戸新聞 http://www.kobe-np.co.jp/news_now/8_start/01.html) 

次に官庁による職権利用の目的拡大問題。

行政文書ファイル管理データベースで「住民基本台帳」をキーワードに検索結果を出すと、895件のファイルがヒットしますが、その中にはこんな文書も含まれています。(あえて小文字で引用)

省庁名 防衛庁
文書ファイル名 住民基本台帳の閲覧
作成者 防衛庁自衛隊和歌山地方連絡部募集課
管理担当課・係 防衛庁自衛隊和歌山地方連絡部募集課

省庁名 防衛庁
文書ファイル名 住民基本台帳の閲覧(依頼)
作成者 防衛庁自衛隊東京地方連絡部
管理担当課・係 防衛庁自衛隊東京地方連絡部募集課

省庁名 防衛庁
文書ファイル名 住民基本台帳閲覧(12年度)
作成者 防衛庁自衛隊埼玉地方連絡部募集課
管理担当課・係 防衛庁自衛隊埼玉地方連絡部募集課


防衛庁の“職権閲覧”は志願兵の身元確認が表向きの理由です。しかし、有事法制が整備されれば、防衛庁による私有地の徴用や避難命令など、自治体行政によらない政府による“直轄統治”が実施され、住民基本台帳の職権閲覧機会が増えることが予想されます。防衛庁だけではなく、警察、公安庁、内調、その他の行政にも“職権閲覧”は認められています。今後の法整備次第で目的内利用の範囲自体が拡大される可能性は十分あります。

目的外の利用を禁じてるから安心だと政府は言います。たしかに職権閲覧は目的内で実施されているかぎり問題はありません。しかし、職権閲覧目的それ自体の情報が情報公開の除外対象になることがありますから、もし悪意の目的外閲覧があっても、その閲覧行為が目的外使用であることを証明する情報を得られない可能性があり、行政訴訟や国賠訴訟を起せないかもしれません。だからそういう問題を作らせないルールが稼働の前提として必要です。


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■[No.7958] 脱「住基ネット」論 by (キタノ) 2002年09月18日 (水) 01時37分34秒【この記事にレス】

出版メモ

「住基ネット」とは何か?
櫻井よしこ、清水勉、伊藤穰一編。価格は夏目君一枚。20日発売予定。
http://www.akashi.co.jp/Asp/details.asp?isbnFLD=4-7503-1623-7

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自治体で広がる住基ネット稼働延期決議
住基ネット施行凍結法案
リンク
■住基ネット8月5日施行を許さない実行委員会
http://www1.jca.apc.org/juki85/
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(キタノ)
ki@tree.odn.ne.jp
http://zirr.infoseek.ne.jp/
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