2002年04月27日
個人情報保護法案を審議する衆院内閣委員会の理事を務めていた自民党の阪上(さかうえ)善秀氏=近畿比例代表選出=が、「法案に賛成できない」として26日、委員を辞任した。阪上氏は「表現・報道の自由への懸念を表明した日本新聞協会の緊急声明も理解できる」などと理由を述べた。自民党内からも公然と法案批判が出てきたことは、今後の法案審議に影響を与えそうだ。
与党理事は法案成立を目指し、委員会の日程調整などをリードするのが本来の役割。自民党執行部は「阪上氏から『法案に反対の立場から委員会で質問させてほしい』との申し出があった。しかし、すでに党の賛成方針は決まっており、委員を交代させた」(幹部)と説明している。
毎日新聞の取材に対し、阪上氏は、法案が表現・報道の自由を制約しかねないとの懸念に理解を示し、「個人情報の保護の面から見ても不十分だ。何事も拙速に決めることはいけない。もう一度慎重に考える必要がある」と語った。また、国民総背番号制につながるとの懸念もある住民基本台帳ネットワークシステムについて、今年8月の導入を前に、早くも利用対象の拡大が検討されている点にも言及。一連の動きは「まるで軌道を外れたロケットだ」と批判した。
阪上氏は、自民党内でも法案の見直しを働きかけてきたが、「与党議員として問題だ」との批判が党内で強まり、「法案を推進する与党理事のままでは、反対意見を表明し続けるのは難しい」と判断したという。これに対し、大島理森国対委員長は25日夜、「党として長年積み上げ、公明・保守両党にも厳しい議論をしてもらって決めた政策に反対である以上、理事、委員にとどまってもらうわけにはいかない。政党政治が成り立たない」と阪上氏の言動に強い不満を表明した。
ただ、同法案に関しては、与党内でも法案修正に向けた動きが出始めており、自民党の麻生太郎政調会長も「(法案には)誤解を生むような書き方」があると修正の可能性に言及している。「委員会理事」の造反に、法案に反対姿勢を強める野党側は勢いづきそうだ。 【メディア規制取材班】