メル友出会い系サイトバッシングはなぜ発生するのか
010531
あんぐりニュース
画像はザ・ワイド(日本テレビ/番組ホームページ無し)が放送したものです。
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前回書いた「出会い系サイト一斉報道」が、まだワイドショーでも続いている。
マスコミもかなりのネンチャックだ。
特にネンチャックなのは、社会問題をスキャンダラスにとりあげることで悪名高い
日本テレビの「ザ・ワイド」。
有田氏、隣の女性レポーターが気になるのか、
しきりにちらりちらりと顔をのぞいていた。
タイプなのか? ま、そんなことはどうでもいい。
番組では主婦や少年へのインタビューを流して
出会い系サイトの利用が広がっていることを伝えていた。
キーンとかボヨボヨボヨとか「恐ろしい異世界」の雰囲気をかもし出す効果音の使用はもちろん、
映像にぼかしを入れたり照度(明るさの度合い)を下げたりして
おどろおどろしい雰囲気をかもし出していた。
ザ・ワイドでも“識者”が登場。
ここでも「匿名性」が悪玉になっている。
有名人が集まる場所の人たち、たとえばマスコミが重用する人たちは
特殊な欲望を持っていないとでもいいだけなコメントだ。
出会い系サイトで相手を求めることが特殊な欲望?
この人ほんとに精神科の学者?
ワイドショーの“識者”の選択がどうもおかしい。
レポーターがザ・ワイドのアンケートを披露。
統計の魔術が使われる。
レポーター談。「出会い系サイトがきっかけとなった事件が今年になって度々放送されています。八人に一人は出会い系サイトを経験していて、興味があるという方を含めると600人中174人。29%、およそ三割の方が興味を抱いているという結果が出ています」
事件の犯行の動機は、まだ裁判は始まったばかりで解明されていない。
「殺人事件は出会い系サイトがきっかけとなった」というのはあくまでも仮説だ。
アンケートの結果は、「殺人事件は出会い系サイトがきっかけとなった」という“仮説”の正しさを証明したわけではない。
本来なら「殺人事件は出会い系サイトがきっかけとなった」などと安直に断定すべきではないのだ。
だが、こうした説明を受ければ視聴者は
「これだけ多くの人が出会い系サイトに興味があるのだから、殺人事件は出会い系サイトがきっかけとなったのだ」と信じてしまうだろう…
それが「ザ・ワイド」の“意図”だと気づくことなく。
この女性レポーターが“個人的印象”を披露。
「なんか軽い気持ちといいますか、その時楽しければいいじゃないかと深いところまで考えていないという印象もあります。一方、出会い系サイトを経験している主婦の方々も“暇だから”“新たな刺激を求めて”などこちらも軽い気持ちなわけです。」
選択肢にあらかじめ“暇だから”“新たな刺激を求めて”という項目をのせたアンケートなら、
そういう回答をする主婦がいてもおかしくはない。
統計の正当性を調査する視聴者などいないから、
番組の都合で結果はなんとでも解釈できる。
そもそも、このレポーターは一度も軽い気持ちになったことやなろうとしたことが無いのか?
一年中24時間重い気持ちのままなのか? それこそ異常じゃないか?
レポーターがさらに“個人的見解”を披露。
だが、彼女は時々カメラ横の文字を読み上げていたようだった。口調も一本調子。
暗記していたセリフを懸命に思い出している時のようにどもったりつっかかったりして、
「私の発言はほんとは自分の意見じゃなくて番組でそう言えと指示されただけなの」
というレポーターの感情がみえみえ。
レポーターが取材結果のまとめを発言。
「(出会い系サイト利用者に)罪悪感はありませんし、事件についてもまったくの他人事。この現状こそが事件と隣り合わせではないかという危険性を専門家は指摘しています。匿名の人がインターネットを通じて大勢集まることになるわけで犯罪が起こる可能性は否定できないと心理学の先生も指摘していました。」
出会い系サイトに罪悪感を持つ“べき”なのか? 本気で「出会い系サイトで出会うことは罪」と思ってるのか?
この女性レポーターは、いままでいったいどんな“出会い”をしてきたんだ?
いままで大学や局で一度も合コンしたことないのか? その方がおかしいんじゃねーか?
といった疑いも、個人的見解のように見えたレポーターの発言は実は
番組の作ったセリフを読み上げているだけだと理解することで納得がいく。
草野氏がコメンテーターの南氏にコメントを誘導。
「南さん、どんなに美しい言葉でつくろってみても、その奥に求めているのはアバンチュールというか、自分中心的な都合のいい考えに基づいているのでは、という感じがあるんですけれどね?」
ザ・ワイドだけは自分中心的ではないと言いたげだが、本当にそうか?
南氏が、トンデモなコメントをご披露。
「そうですね。私は現代社会が失われつつあるもののひとつに、恋愛に対する感性があるんだと思うんです。」
「出会い系サイトで知り合った安直な関係なんてもってのほかであって、たしかに伝達手段としては便利ですけれど、恋愛のツールになるというのはまったく筋違い」
安直な関係? なんだそりゃ。
テレビの前で笑っちゃった。
テレビやとコメンテーターは実直な関係を築いているとでも言いたげだが、
それこそ幻想じゃないのか?
草野氏がこんどはコメンテーターの(裸の)王様=有田氏を誘導。
「原初的で難しいのは、人間にとって幸せとは何かということをそれなりにみんなが根底に持っていれば、こういうイージーな関係にたぶん陥らないだろうと思うんですけれど?」
イージーって何だ?
自分だけは確固たる幸福観を持ちイージーではないという前提で話しているようだが、ほんとうにそうなのか?
ワイドショーは、視聴者との間にどれだけ「イージーではない関係」を築こうとしているのか?
メガネのツルがこめかみに食いこんでいる有田氏のコメント。
「幸福観というものはいまはなかなか自分でみつめられない時代になってきているというのが、出会い系サイトを流行らせる原因になっている。しかしいざ会ってみると全然別な人だったというのが往々にしてあるわけです。19歳の女性を4、50代の男性を演ずるということはできるわけだし、実際会ってみたらお互い中高年の男同士だったということもあるんです。会うところからいろんな事件が起きていますから、まずこういう出会い系サイトにどう対処するかということを自分の幸福観とともに確立していかないと、こういう事件が起きてしまうという現実ですよ」
ハァ?(゜Д゜)
オヤジがネカマと出会ったって事件になんかならねーんじゃねーの?
どんな人物かあらかじめ分かっているような「お見合い」のような出会いなら危険は無いかもしれないが、
明治の華氏族の家制度じゃあるまいし、「見合い」みたいな醇風美俗的な出会いで
幸せをつかめると考える奴なんかほとんどいないだろう。
マスコミ、とりわけ質の悪いワイドショーは、
なにか事件が起きると事実をひとつひとつ積み上げていくのではなく、
とりあえずの「原因探し」やとりあえずの「悪人捜し」に熱中する。
これを「帰属処理」と言う。
帰属処理によってとりあえずの原因、とりあえずの悪人をでっちあげることによって、
「この事件は我々とは関係無い」という感情的なカタルシスを得ることができる。
これを「切断操作」と言う。
なぜマスコミは帰属処理に熱中し切断操作をするのか?
どんな事件が起きても、名前と顔が知られている人、公人、マスコミのしてきたこととは関係がない。
どんな事件が起きても、名前と顔が知られている人、公人、マスコミには責任がない。
そしてこの番組や記事を見ている視聴者にも責任が無い。
そういう自己中心的な既成事実を作りたいのだ。
「匿名だ」とか「軽い気持ち」だとか「イージーだ」とか「安直だ」とか「幸福観がない」などのマスコミに登場する人たちのコメントは、
マスコミ関係者は匿名ではなく、マスコミ関係者は軽い気持ちではなく、マスコミ関係者はイージーではなく、マスコミ関係者は安直ではなく、マスコミ関係者は幸福観を持っているという前提を伴っている。
そのような切断操作によって、結果的に公人としての社会的責任を逃れる効果を生んでいるのだ。
だが本当に彼らに社会的責任はまったく無いのか?
いや、彼らにも社会的責任は有る!
IT革命万歳、新技術は我々に桃源郷をもたらす的な言論をたれ流してきたのは誰なのか?
マスコミだ。
そんなに危険を避けたいのなら、IT革命をやめてみんなインターネットを利用しなくなればいい。
携帯電話も全面的に禁止すれば危険は回避できる。
しかしマスコミは決してそんな主張はしない。
必ず「携帯電話やITは便利なものであるが」と否定する。
なぜか?
マスコミは、事件の問題の本質がインターネットには無く、マスコミが描いている社会の中にその原因があるということを認めたくないのだ。
出会い系サイトの問題に限らないが、ネット発生する様様な現象は、社会で発生している現象を映し出しているにすぎない。
社会で発生している問題が、ネットでも顕在化しているだけなのだ。
出会い系サイトがきっかけで発生したと伝えられる事件も、もともとネット社会以前の社会で発生してきた事件がネットでも発生しただけにすぎない。
しかし、それを認めればマスコミは、もともと存在した社会問題を伝えず放置(または意図的に隠蔽)してきたという社会的な不作為責任を問われかねない。
だから、社会的責任を回避するため、マスコミは自分のことを棚に上げて、原因をネットワークという新メディアに転嫁し、出会い系や匿名性を悪玉に造りあげる。
こうして社会の中に潜む本当の原因や本当の悪者は隠蔽されつづけるのだ。
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参考URL:日本テレビ『ザ・ワイド』悪意の報道姿勢
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